レビュー

Rei『BLU』

とんでもない人を見つけてしまったかもしれない。先日の東京旅行中、個人的に目的の一つだったタワレコ渋谷店に行った時のことである。タワレコ渋谷店では毎日フリーライブをしているらしく「うおお!さすが東京!」と感動しながら近くに寄って聴いていたら…

YUKI『FLY』

YUKIが今年9月にリリースしたアルバム『FLY』を合評しました。本当は先月半ばくらいに掲載する予定だったのですが、遅れに遅れました。まあ僕が疲れてたからなのですが、そもそもこのアルバムは説明しようとすればするほど、そこから逃げていくような作品で…

Julian Casablancas + The Voidz『Tyranny』

未知の音楽に遭遇した時に僕らができることは主に2つある。1つは過去と比較すること。未知ゆえに比較できる対象が思い当たらなくても、少しでも頭に思い浮かんだものを羅列する。サウンド、ジャンル、歌詞だけでなく、登場した背景、付随する映像やパッケー…

椎名林檎『日出処』

ありきたりの表現で申し訳ないけど、東京事変のアルバムはもちろん、『無罪モラトリアム』や『勝訴ストリップ』、もしくは『加爾基 精液 栗ノ花』の初期三部作を軽く超える椎名林檎の最高傑作だと思う。ただ、次くらいにそれを上回りそうなので、そう呼ぶの…

きのこ帝国『フェイクワールドワンダーランド』

きのこ帝国の2ndアルバム『フェイクワールドワンダーランド』が好きだ。2014年の下半期の中ではきっと一番になる。それくらい愛着がある。 冒頭の「東京」から最後の「Telepathy/Overdrive」まで純粋ないい歌が詰まったアルバムだ。ポストロックやシューゲイ…

The Ting Tings『Super Critical』

僕は田舎の町育ちで、ネットさえない時代に育ったので、ラジオや週末土曜日のCDTVやJAPAN COUNTDOWNで音楽を漁っていたので洋楽を聴く機会さえほとんど恵まれなかった。ロッキング・オンの名前も知らなかったし、ビートルズやエアロスミスくらいしか聴いたこ…

andymori『ファンファーレと熱狂』

最後の武道館公演をもってandymoriが解散した。 andymoriは00年代と10年代をあっという間に駆け抜けた、シーンを代表する存在であった。『ファンファンーレと熱狂』はそんな彼らが残した自身の最高傑作であり、10年代の幕開けを飾る歴史的名盤だ。90年代的な…

七尾旅人『911FANTASIA』

かつて、英誌『ガーディアン』が忌野清志郎を取り上げたことがあった。清志郎が日本の国家である「君が代」のパンク・アレンジを発表した時だ。この清志郎の試みを、かつてセックス・ピストルズが「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」を歌った事と比較し、日本…

Fiona Bevan『Talk To Strangers』

iTunes Storeで一目惚れして買った。正確には目じゃなく耳だけど。 すごくいい。自分は弾き語りやそれに近いバンド形態で活動する女性シンガーソングライターが盲目的に好きになるところがあるんだけど、最近では随一だと思う。カウンターカルチャーであった…

Spoon『They Want My Soul』

恥を承知で書かしてもらうと、僕は洋楽には滅法疎いのでSpoonというバンドの名前はおろか、どんな立ち位置のバンドなのか、今でもあまりわかっていません。そもそも知ったきっかけはサインマガジンがプッシュしていたこと、Twitterでフォロワーさんがブログ…

暗黒大陸じゃがたら『南蛮渡来』

これは、以前に本ブログで書いた「SNOOZER」の日本の歴代アルバムランキングで知った名盤の一枚であり、11位にランクインしていた。1980年に発売された当時も、ミュージック・マガジンを筆頭に多数の音楽誌にて絶賛され、これまではエログロなパフォーマンス…

ボールズ『スポットライト』

そろそろここらで引き返そう メジャーデビューアルバムの1曲目の歌い出しがこんなフレーズだったものだから、一瞬耳を疑った。7月にリリースされたアルバム『スポットライト』の冒頭を飾るナンバー「通り雨」である。一見ポップであるが実は一筋縄ではいかな…

V.A.『MIKUHOP LP』

<a href="http://stripeless.bandcamp.com/album/stl001-mikuhop-lp" data-mce-href="http://stripeless.bandcamp.com/album/stl001-mikuhop-lp">[STL001] MIKUHOP LP by V.A.</a> いつぞやか僕は、今作の総合プロデューサーしまさんと会ったことがある。ブラックミュージックと初音ミクを好む彼とは、ダブステップ黎明期の頃の音源について話をしたことがきっかけになり、秋葉原のとある喫茶店で、2人でいろ…

tacica『LEO』

2人体制となってから初となるシングル『LEO』が発売された。 今回はサポートドラムとして元ART-SCHOOLの鈴木浩之を迎えている。これが非常に違和感なくマッチしている。実は今回の曲は少し心配もあった。トシ君(元メンバー)の「繊細かつ一つ一つの音をしっ…

高橋徹也『REST OF THE WORLD -LOST SESSIONS 1999-』

高橋徹也の幻の4thアルバムである。本来は1999年にリリースされる予定だったが、メジャー契約の打ち切りに伴いお蔵入りになっていた。それがこの度15年ぶりに日の目を見ることになったのだが、「一筋縄ではいかない」というのが正直な感想だった。 つまり「…

syrup16g『Hurt』

2014年08月27日、五十嵐が生還した。syrup16gが再び動き出した。 あのまだ寒い武道館の日から犬が吠えるを挟み、2013年のNHKホールで五十嵐の横に立ったのはこれまで支え続けてきた二人だった。ソロでUKFCのステージに立ちCOPYの曲を弾き語り、そこからの空…

Body Language『Infinite Sunshine』

最高!最高!最高!すでにじゃのめさんが「男女ボーカルの曲をあつめて」の記事で紹介していますが、個人的にハマりすぎたので書いてしまいました。ニューヨーク・ブルックリン初の男女4人組バンドBody Languageが先月リリースした5曲入りEPです。

L'Arc-en-Ciel『EVERLASTING』

2年8ヶ月ぶりにリリースされたラルクの新曲です。完全受注生産盤でCD+PHOTOSの1形態で3800円。その上完全にファン向けの曲なので、世間一般的にはドン引きであることは容易に想像がつくし、実際自分も若干引いているのですが、曲が素晴らしかったのでレビュ…

坂本真綾「レプリカ」

簡単に2014年のベストトラックだと言ってしまうのは軽はずみな発言なのはわかってる。けれど敢えて断言する。これは2014年の中でも飛び切りの名曲だ。 元々坂本真綾という名前は声優業でしか知らなかった。本当は歌手業20年に近い大ベテランなんだよね。そし…

Shiggy Jr.『LISTEN TO THE MUSIC』

Shiggy Jr.の2ndミニアルバムの合評です。ネットの音楽ファンの心を鷲掴みにした1stミニアルバム『Shiggy Jr. is not a child. 』から8ヶ月、満を持しての2ndミニアルバムです。正直、あまりに普遍的すぎてこれを書くのがキツかったし、他の方も好きすぎる割…

karte『捧ぐ火』

僕が住んでいる熊本の4ピースロックバンド、karte。彼らの初の全国流通盤が、10-FEETや東京カランコロンを輩出したBUDDY RECORDSからリリースされました。 大学で心理学を専攻されていたというボーカル/ギターの立山さんの書く歌詞、それを伝わりやすくして…

Half-Life『〆』

久しぶりに、いい一枚に出会えました。今日持って来たのは、メジャーの解約、解散危機を乗り越え前作の『replay』から数えること2年半ぶりにリリースされたHalf-Lifeのニューアルバム『〆』です。

LLLL『Paradice』

東京を拠点に活動するエレクトロ/シューゲイズ・アクト、LLLLの1stアルバムです。想像以上にハマっている人が多く、メジャーでないにもかかわらず、合評することになりました。エレキングでもサインマグでもないのに、まさかこういう音楽の合評をすることに…

GOMES THE HITMAN『down the river to the sea』

最近よく聴いている。GOMES THE HITMANについては宅イチローさん(@takucity)のブログを読むまで知らなくて、こうやって中古屋とamazonを駆使して音源を入手してのんびり聴いて、ようやく好きになってきたというのにバンドの方は一切活動していなかった。

アーバンギャルド『鬱くしい国』

本作についての感想を書く前に、まず自分のアーバンギャルド論について書いてみたい。

How To Dress Well『"What Is This Heart?"』

How To Dress Wellことトム・クレルが前作『Total Love』から2年ぶりにリリースした3rdアルバムです。わりとコアな音楽ファンが局所的に絶賛していたこと、実際にアルバムがとても良かったので呼びかけてみたら合評が実現しました。今まで音楽とは違う形でと…

パスピエ『幕の内ISM』

コアな音楽ファンから所謂J-POPリスナーまで幅広い層から喝采をもって迎えられ、ヒットチャートを賑わすようなミュージシャンがこの日本という国にはとても少ない。ざっと思い浮かぶのは椎名林檎、宇多田ヒカル、山下達郎、ぐらいだろうか。いや、もっといる…

BUGY CRAXONE『ナポリタン・レモネード・ウィー アー ハッピー』

もうずいぶん前になってしまったけど、BUGY CRAXONEのアルバムが相変らず素晴らしかったので。 2012年の『Joyful Joyful』、2013年の『いいかげんなBlues』と、BUGY CRAXONEが1年おきにリリースされるアルバム第3弾。今回は結構尖った"夜っぽい"アルバムだっ…

Scars Borough『音紋』

どうも、えにー改めらいむです。 諸事情によりえにーが使えなくなりました(´Д` ) 授業をサボるという技を見につけてからサボり続けて単位ヤバイかもしれません() さて今回はScars Boroughの『音紋』というアルバムについて書いていきたいと思います。

王舟『Wang』

上海生まれ日本育ちのシンガーソングライター王舟の1stアルバム『Wang』についての合評です。多数の東京インディーを代表するミュージシャンが多数参加し、3年という製作期間をかけて作られた傑作です。一人でも多くの人が聴くきっかけになれば、変な書き方…

Perfume『Cling Cling』

Perfume、記念すべき通算20枚目のシングルリリースです。 ちなみにここ数日Perfume周辺ではとても情報量が多く、Ustream生配信/広島のガイドブックで表紙+特集/そしてこのシングル「Cling Cling」のPV撮影地が二日間で限定公開されたりと、とても濃密な日…

UVERworld『Ø CHOIR』

先日リリースされたUVERworldの新譜『Ø CHOIR』の合評です。まっつさんと2人分、このバンドとこの1枚に対するグツグツな熱い思いを詰め込んだら、すごいことになってしまいました。ちょっと騙されたと思って聴いてみてください。かっこいいとはこういうこと…

うみのて『UNKNOWN FUTURES (& FIREWORKS)』

5月30日の秋葉原グッドマンでのライヴをもって、ライブ活動休止期間に入っているうみのて。しかし今でも制作には意欲を見せているので、音源の発表が期待される。 『UNKNOWN FUTURES(&FIREWORKS)』は、聴く者に忘れられない爪痕を残すうみのての1stミニアル…

aiko『泡のような愛だった』

aikoの新作の合評です。aikoの音楽を文章にするのは難しいです。毎回同じようなことをしているように見えて、着実に変化している。ロックで言うと奥田民生のように淡々と作り続ける職人的な凄みを感じさせる歌い手なのですが、みんないまいち捉えきれていな…

坂本慎太郎『ナマで踊ろう』

坂本慎太郎が2年ぶりにリリースしたアルバム『ナマで踊ろう』の合評です。本当は2週間前に記事をアップしていなければいけなかったのですが、僕が忙しかったせいで記事の公開が遅れてしまいました。ごめんなさい。でも本当はこの作品があまりに何を意味して…

星野源『Crazy Crazy / 桜の森』

まず最初に一言。「星野源、おかえりなさい!」 いや、本当にこれが言いたかったのです。もちろん星野源さんを知る人は彼の身に巻き起こったことは知っているはず。2度目の休養時に「大丈夫なのかな」と心配したのは僕だけではない。しかし彼はやはり地獄の…

転校生『転校生』

昨年、活動休止・解散したアーティストでは、andymoriの件も残念だったが、転校生の「登校拒否」も残念だった。今年の5月22日に久しぶりにツイッターでつぶやいてくれたことは、僕にとって嬉しい出来事だった。最近は、「それでも世界が続くなら」というバン…

アインシュタインズ『かくかくしかじか』

アインシュタインズという不思議な名前のバンドがいる。言うまでもなくアインシュタインズは相対性理論のパロディからスタートしたバンドだ。相対性理論がバンドサウンドであるのに対し、アインシュタインズはエレクトロだ。だからパロディと言ってもやくし…

神聖かまってちゃん『楽しいね』

今年は神聖かまってちゃんのリリースラッシュの年だ。8月には待望のニューアルバムの発売が予定されている。ここで、前作のアルバムである『楽しいね』について振り返ってみたい。 『楽しいね』は、2012年11月14日に発売された神聖かまってちゃんの5thアルバ…

LAST ALLIANCE『TEARS LIBRARY』

意識的に音楽を聴くようになる、その初めの一歩は往々にして突然踏み出されるもの。誰しも最初の一歩を踏み出さなければ、音楽の広大な世界へは進めない。人によってはきっかけだけじゃ駄目で、衝撃的な一撃を食らう必要がある。私の場合、きっかけはYngwie …

銀杏BOYZ『光のなかに立っていてね』『BEACH』

銀杏BOYZの9年ぶりとなる2枚同時発売のアルバム。先立ってギター・チン中村、ベース・安孫子真哉、ドラム・村井守の脱退が発表されており、フロントマン峯田和伸を含めたこの4人での最後のアルバムとなる。前身バンドGOING STEADY解散日、銀杏BOYZ結成日、1s…

INU『メシ喰うな』

ただ「詩を読む」のと「歌詞として歌う」のは何が違うのか。もちろんいろいろ違う。しかし一番の違いと私が考えるのは、込められたメッセージの「説得力」を引き出す力が音楽にはあるのではないか、ということだ。どれだけ簡単なメッセージでもいい。「君が…

Base Ball Bear『二十九歳』

どうも、まっつでございます。今回は、発売されたばかりのこのアルバムのレヴューです。 いろいろな媒体でG&Voの小出さんが「『普通』がテーマ」と語っていますが、その歪なこと歪なこと。少なくとも僕はこのアルバムを「普通」という視点から捉えることはで…

米津玄師『YANKEE』

米津玄師という方をご存知でしょうか?最近では東京メトロのCMに「アイネクライネ」が採用されたこともあり、耳にされた方もいらっしゃると思います。4月にリリースされた2ndフルアルバム『YANKEE』について先日個人ブログに長々と感想をあげました。ですが…

銀杏BOYZ『光のなかに立っていてね』

銀杏BOYZが00年代邦楽の音楽シーンを語る上で不可欠なバンドである事は、誰もが納得する事実ではあるが、忘れられがちな事実でもある。それは一つには、この『光のなかに立っていてね』と『BEACH』をリリースするまで、9年もの間アルバムを発表していなかっ…

中村一義『太陽』

こんにちは。クラークです。 僕が音楽だいすきクラブに初めて書いた記エントリは中村一義の「主題歌」についての記事でした。僕はそこの蛇足で『太陽』というアルバムに触れました。今回はその続きです。(自身のブログの転載ですが、少し加筆訂正しています…

イギリスにオアシス、アメリカにウィーザー、日本にラブラブストローって感じですかね

タイトルは98年リリースの2ndアルバム『FLAME ON』発表時のインタビューより。ラブラブストローの音について最も的確に表しているのはこの発言じゃないかな。まあ、正確にはオアシスというよりはティーンエイジファンクラブだけど。 音についてはウィーザー2…

隠れすぎた名盤 第2回 ラブジョイ『かけがえのないひととき』

こんにちは、クラークです。 隠れすぎた名盤シリーズ、第2弾は知る人ぞ知るスーパーバンド、ラブジョイのセカンドアルバム『かけがえのないひととき』です。 ラブジョイというバンドについて簡単な説明を、まずは(リリース当時の)メンバー紹介から。 bikke…

THE NOVEMBERS『今日も生きたね』

こんな唄を、THE NOVEMBERSが歌い始めるなんて、そんな驚きがまず最初に生まれた。 The NOVEMBERSは、想像上のディストピア、大雑把に言い切ってしまえば『終末する世界』を歌うバンドであることはよく知っていた。歪みすぎたグシャグシャなギターサウンドは…

The Horrors『Luminous』

とにかくめちゃくちゃカッコいいアルバムだから聴かなきゃもったいないよ!というお節介だけで言うべきことの9割近くを言ってしまった気がする。 昔、バイト先の中学生の男の子におすすめの洋楽を教えてくれと言われてM83を貸したんだけど、今なら「最初の3…