ご挨拶に代えて

思えば長らく楽器とは無縁の人生を歩んできた。なぜ楽器と無縁か。あれはそう。忘れもしない小学一年生のとき。いや二年生だったかな。まぁいい忘れた。ピアニカの練習時間。ぴーひょろ。ぴーひょろ。なんか一人だけ吹けてないダサい奴が居るなと思ったら俺だったので死んだ。断末魔の声が音楽室に響き渡る。ぴひょろー。断末魔すら吹けない。ビックリするほど吹けてない。ぴーひょ。先生あのね。このピアニカ壊れてるよ。「壊れてないね」。でも音が出ないよ。「壊れてないね」。でも音が。「壊れてない」。ごめんなさい。トラウマ誕生の瞬間。4000gの元気なトラウマ。産声が音楽室に響き渡る。ぴひょー。楽器こわい……。楽器きらい……。

すくすくと育つトラウマ。中学時代にはギターブーム到来。みなさん上手にギャイィ~ンっすわ。当時はミスタービッグとか流行っててよ。どいつもこいつも勉強や部活動をサボってギャイィ~ン。まぁいいわ。弾きたいやつが勝手に弾いてるだけ。俺には関係のない話。と思ってたんですけど、なんかほら、ギターが弾ける男子って女子にモテますでしょう。たいして男前でもない奴が、ギャイィ~ンするだけで、あっさりと女子のハートを狩っ攫っていくでしょう。駄目でしょうそれは。こちとら真面目に勉強や部活動に励んでおりました。おりましたのに。ねぇ。あんまりじゃないですか。ねぇ。ギターなんてただの死んだ木でしょう。

かくして股間のミスタービッグを持て余したまま高校生になった。ホゥドーンリルガール……。しかしここでも楽器が俺に牙を剥く。放課後の教室。「なぁ、一緒にバンド組んで文化祭」。うっせ。それ以上言ったら殺すぞ。「出ようぜ」。言った。殺す。ギャイィ~ン。ディストーションの利いた断末魔が響き渡る。夕焼けには切なすぎる。涙を誘い出しているの?

そして現在。TSUTAYAでアルバム5枚1000円キャンペーンの中、1110円を支払って3枚だけ借りてきた俺こそがロックンロールであることに疑いの余地はなく、存在自体がロックンロールである俺には楽器など必要がないと悟った。アイ・アム・ロック。アイ・アム・アイランド。サイモンとガーファンクルと俺。この日、この場所から、新しいロックンロールが始まる。

 

というわけで、前回、ブログの趣旨を理解しないまま記事を投稿した結果、管理人様にブログ運営に関する多少の方針変更を余儀なくさせるという大迷惑を掛けたアカウントがこちらです。何卒よろしくお願いします。

 

 

ぼうず(@bowz0721