音楽だいすきクラブ開設おめでとうございます。宅イチローと申します。宅八郎と少し関係がございます。
僕は今年29歳になる銀行員でありまして、放置気味ではありますがブログなんぞもつけております。「ドリームべいべードリーム」というやつです。「音楽への一方的なラブレター」を毎回書いているつもりです。ビックリするくらい読者が少ないんで、読んでくれたら嬉しいかもしれない。
今回、音楽だいすきクラブで何か書かせてもらえるということで、どうせなら自分のブログとは違うことを書かせていただこうと思いました。僕がやるのはこれです。
「宅イチローの活字DJごった煮mix」
活字DJとかカッコつけてみましたが、やることは皆さんと同じですよ。レビューとかその類です。
大体レビューってテーマを絞って書くと思うんですよ。単発ものなら特定のバンドの新譜 とか旧譜とか、あとはジャンルを絞って書いたりとか。
でも僕のは違います。所有する膨大な音源のライブラリーから、全く無軌道に選んだ5枚を毎回レビューします。ジャンルも国も年代もフォーマットもバラバラです。CDもテープもレコードもパンクもヒップホップもネオアコもJポップも廃盤も定番も紹介します。テーマは2つだけ。
- ポップミュージックであること(所謂音楽の録音文化の開花以降の創作物)
- 僕が間違いなく好いている音源であること。
本当は音源だけじゃなく、映画、飲食物、飲食店、投資信託、全国の金融機関、オカルト、UMA、都市伝説、観光地、全国のブックオフ等織りまぜて真にごった煮である5点をレビューしたいのですが、それはさすがに需要ないだろうし無軌道過ぎるかな と。なのでとりあえずは音源のみ5枚を毎回レビューします。雑感レベルのも書きます。
僕はこの取り組みでもって2つのことを果たしたい。
- 読んでくれた人の音楽的嗜好を拡張すること
- 僕の"音楽語りたい欲"を満たすこと
要するに自慰行為です。僕が気持ち良くなってるとこガッツリ見てくれ。できれば君も気になる音源あれば購入なりYouTubeディグなりして気持ち良くなってくれ。
1枚目 SCHOOL YOUTH『old lover tracks』(日本 2003年)
いきなりテープ音源のレビューでスイマセン。でんぱ組.incへの楽曲提供を追い風にブレイク間近のマジカルポップバンド、wiennersの玉井君が高校時代から数年組んでたバンドのファーストテープです。2004年頃のライブで100円で買いました。音はというと、「fruityを青春パンクのメンタリティで鳴らしたらうっかり童貞がバレた」感じです。1曲数十秒の限られた時間に色々な音楽レシピを混ぜてfruityの方法論を試みていますが、足りない演奏力と若さゆえの青春パンク感が丸出し、きっとやりたいことの3割も果たせていないでしょう。が、今のwiennersにも繋がる、誰にも似てないメロディが既に芽吹いており、良い感じにrawな音質も相成り非常に味わい深い音源。SCHOOL YOUTH解散時にリリースされたディスコグラフィ盤に再収録されてますので是非。
2枚目 友部正人『にんじん』(日本 1973年)
トーキングブルースで綴る若者の孤独。日本が誇る最高のフォークシンガー、友部正人のセカンドアルバムです。音はギターと歌とハーモニカのみ。故に彼の書く詩の生々しさ 美しさが浮かび上がります。稀代の名曲「一本道」の世界観といったら、100年後の「どうなってるか分からない世界」の若者においても胸を打つだろう。僕らの持つ根源的な寂寥を描いております。一人暮らしの部屋で、冬の寒い夜に聴いていたのですが、人恋しくなり思わず実家に電話してしまった思い出があります。
3枚目 Sore throat『disgrace to the corpse of sid』(UK 1989年)
クラストコアの伝説、ソアスロートのセカンドアルバムです。ハードコアパンクという界隈においては「先にやったもん勝ち」という姿勢が特に強く威力を持ちます。彼らが行ったのはハードコアパンクの極北、101曲入りのアルバム発表です。アナルカントより早いですね。とことんショートカットされたハードコアパンクナンバーが永遠に続きます。ドラムもベースもギターも融解したノイズの上を「アギャアアアアアアア」だの「ウボボボボボボ」だの下水道みたいな奇声が乗り、マジでゴミです(誉めてます)。今となっては決して珍しくないゴアなスタイルですが、彼らは純粋に曲がハードコアパンクとしてカッコ良いこともあり、オススメです。
4枚目 SEKAI NO OWARI『RPG』(日本 2013)
このバンドが好きな女の子は間違いなくディズニーランド好きでしょう。僕も彼らが好きです。バンドの形態はとってるけど、多分最初からロックなんてものに微塵も拘っていなかっただろうし、むしろロックに唾を吐くような楽曲をやっていると感じます。とことんファンタジックで現実離れしたポップスだけを作ってやろうという意地みたいなものを近年の彼らには感じるし、好き嫌いが別れる直球のメッセージ性も、「それっぽい意味不明なことを言って聴き手や評論家の解釈に委ねる」みたいなバンドより全然尖ってますよね。曲のアレンジ含めセカオワはポップバンドとして結構尖ってることをやってると思いますけどね。音楽好きな皆さんはお嫌いみたいで。
5枚目 The Small Faces『The Small Faces』(UK 1966年)
キング・オブ・モッズ。「R&Bを熱いパッションでヤッてみたらうっかり10年後に生まれるパンクと繋がってしまった」的な独自解釈も可能なグレートロックミュージックっす。こいつを聴いたら青春の光にさらばしてM51着てベスパ乗って気取ろうぜ。前髪もそろえてな。モッズ気取って成人式に参加したはいいものの、田舎じゃモッズよりヤンキーがヒップらしい…青島呼ばわりがいいとこ。the strokesもサンボマスターも彼等に足を向けて寝れないハズ。
またほとぼりが冷めた頃に。