宗教音楽とはそれを聴いている人をトランス状態へと誘う事もその役割の一つです。発音上でもそのための工夫が凝らされているのではないかと思い、調べてみました。最初は全部やろうと思ってたんですが、すげー長いので1サビまでとさせていただきます。
漢字と読み仮名はこちらのページを参考にしてます。
また、同じ段の同じ母音は同じ色で表しています。(A=赤 I=黄色 U=緑 O=水色)
1. 摩訶般若波羅蜜多心経(まかはんにゃはらみたしんぎょう)
M A K A H A N N Y A H A R A M I T A S H I N G Y O U
「にゃ」と「ぎょ」は、「に」と「ぎ」の母音が「い」なので、「I」で踏んでます。また、「はんにゃ」と「しんぎょう」は、Nの詰まり方が同じです。この段は殆どが「A」と「I」で構成されており、サビ始まりな印象です。
2. 観自在菩薩(かんじざいぼさつ)
K A N Z I Z A I B O S A T S U
「じ」と「ざ」は、同じ子音なので、ある種の韻を踏んでます。「かんじ」と「ざい」は踏み方が同じですね。また、前段の「ぎょ」と「ぼ」は同じ母音ですが、段が違うので色は変えてません。
3. 行深般若波羅蜜多時(ぎょうじんはんにゃはらみったじ)
G Y O U Z I N H A N N Y A H A R A M I T T A Z I
「ぎょ」と「にゃ」は「I」で踏んでます。「ぎょう」は前段の「ぼさつ」と「さ」の「A」以外は同じで、踏んでます。
4. 照見五蘊皆空(しょうけんごうんかいくう)
S Y O U K E N G O U N K A I K U
いきなり「O」と「U」で踏み始めましたね。しかもここで初めて「E」を使いましたね。また、「K」での子音踏みも有ります。
5. 度一切苦厄(どいっさいくやく)
D O I S S A I K U Y A K U
「I」での韻踏みですが、「Y」は「I」と親和性が高いので、ここでも踏んでいると言えます。それから、前段の「かいくう」と「くやく」も踏んでるんじゃないかな。
6. 舍利子(しゃりし)
S Y A R I S I
「しゃ」は「I」が入っているので、踏んでます。
7. 色不異空 空不異色(しきふいくう くうふいしき)
S I K I H U I K U U K U U H U I S I K I
この段は使われている漢字が同じなので、基本全踏みです。
8. 色即是空 空即是色(しきそくぜくう くうそくぜしき)
S I K I S O K U Z E K U U K U U S O K U Z E S I K I
この段もそうですね。ここの2段は、「ふい」と「そくぜ」は同じなので、踏んでます。
「しゃりし」からこっち、踏みまくってますね。ここの3段は、踏みまくってるのであがりますね。これだけ踏みまくってるのでここを1サビとさせて頂きます。
しゅーーーーーーーーりょーーーーーーーーーー。
まとめ
基本的に、「A」、「I」、「U」、「O」で踏んでいて、「E」が殆ど使われていませんでした。そして、後半に行くに連れて「A」の使用頻度が極端に減ってます。
読経の場面を思い出すと、一音一音をハッキリと発音していないですよね。そして低音がかなり響きます。この低音がまるで通奏低音のように流れ続けます。さらに木魚が一定のBPMをキープし続けます。通奏低音とキープされるBPMと踏まれ続ける韻ですからこれはどうしたって気持ちよくなっちゃいますよね。
般若心経
あーもっとちゃんとした韻の知識がほしいよー。
かんざし(@fatcoolfat)