クリープハイプ初の武道館ワンマン2daysの2日目。初日のバイト編に続き、正社員編というサブタイトルがついたこの日は、コンビニでバイトする弟とそのコンビニにビールを買いに来た兄によるクリープハイプをめぐる会話の映像からはじまる。
このバンドのライブは中盤あたりからバンドと客席がだんだん一体となっていくイメージなのだが、この日は最初から素晴らしい演奏で、尾崎世界観のあの独特の歌声もとても伸びやかだった。
しかし、序盤に「大切な人に向けたラブソング」と紹介された新曲が始まると、冒頭の映像での兄の「クリープハイプも大人になったんだよ」という言葉は見事にひっくり返され、「全然大人になってないじゃん!」というツッコミを頭の中で叫ばざるを得なかった。なぜならその曲は今年のベスト盤リリース騒動をそのまま曲にしたような、古巣への皮肉100%の曲だったからだ。そしてその騒動を見事なエンターテイメントに昇華していた。まるで騒動すらもこの日のための装置だったように思える。
だがこの新曲や「社会の窓」のように、人間の汚い部分を歌う曲があるからこそ、「オレンジ」のような曲を美しく感じることができる。それはまたその逆もしかり。
そしてその両面を持ち合わせた「イノチミジカシコイセヨオトメ」がこれだけたくさんの人のアンセムになっているのは、クリープハイプの正しさをこの上ない形で証明していたかのようだった。
騒動もあったが、結局クリープハイプの曲が素晴らしいということは変わらない。そしてその最新系がラストに演奏された、ストレートなギターロックの新曲「寝癖」。これからも面倒なことが起こるかもしれないが、クリープハイプの戦いはさらに大きなステージで多くの人を巻き込みながら続いていく。
いつか本当のベストを出せるまで。
1.オレンジ
2.おやすみ泣き声、さよなら歌姫
3.NE-TAXI
4.言わなくても伝わると思ってたよ
5.新曲
6.あ
7.ウワノソラ
8.HE IS MINE
9.グレーマンのせいにする
10.傷つける
11.明日はどっちだ
12.イノチミジカシコイセヨオトメ
13.手と手
14.愛の標識
15.週刊誌
16.ラブホテル
17.かえるの唄
18.憂、燦々
19.さっきはごめんね、ありがとう
20.社会の窓
encore
21.さっきの話
22.女の子
encore2
23.ねがいり
24.寝癖
ソノダマン (@yoppeleah)