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散休レコード 第2回 ナチュラル ハイ『色彩カルテ』

レビュー コラム

みなさま、こんにちは。「音楽好きな類人猿」ことゴリさんでございます。

この企画は現在解散・活動休止中のバンドの作品の良さや魅力を語り、再評価していく連載です。散休(サンキュー)レコード第2回で取り上げるCDはこちら。

ナチュラル ハイ『色彩カルテ』

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今回はナチュラル ハイが2004年に出したアルバム『色彩カルテ』です。前回椿屋四重奏は知っている方も多かったと思いますが、ナチュラル ハイはほとんどの方が知らないのではないでしょうか。

簡単な履歴を説明します。1996年に東京音楽大学で出会った白木裕子(ボーカル)と大嶽香子(キーボード)の2人により翌年結成。原宿の路上でライヴ活動を行う。2001年にDefSTAR RECORDSにデモテープを送りのスタッフの目に止まり、2003年メジャーデビューシングル「LIFE」リリース。その後、TBS系ドラマ「すずがくれた音」の主題歌となった「君がくれた日」やアニメ「バーテンダー」の主題歌となった「始まりのヒト/バーテンダー」などの曲を出すものの2008年12月に解散。

僕自身、このナチュラル ハイとの出会いはラジオのランキング番組で「愛カタリ」という曲がチャートインしていて、視聴して「お!これはカッコいいぞ!!」と聴き始めたのがきっかけです。そして、この当時の大学の友人に「これ聴いてみて!」と何人にも勧めたのですが、誰一人としてその良さを共有できず、しょんぼりした記憶があります。

さて、彼女たちは好きな音楽としてスティーヴィー・ワンダージャクソン5ジェイミー・カラムジャミロクワイ、そしてベン・フォールズを上げていて、そのせいか、サウンドもポップでありながらジャズやソウルの要素を感じませる仕上がりになっています。この手のユニットだと歌がメインになりそうですが、彼女たちは歌・ピアノが「完全並列」であり、歌・ピアノ双方がメインなのです。互いの良さをつぶさない、絶妙なバランスが特徴です。

今回の『色彩カルテ』は大きく分けると4つの流れに分かれます。

まず第1部は「LIFE」や「果実」などの軽快でJazzyなポップチューンが続き、第2部ではバンドサウンドから一転して「琥珀の月夜と山手通り」や「空」といった打ち込み系ポップスが続きます。そして第3部では「愛カタリ」「夏の夜空」といったバラード系が続き、第4部では打ち込み系でありながらのジャズのエッセンスも感じる「88の色彩」、そしてバラードである「LAH LAH LAH」や「アケビ」などアルバム全体を総括としてすべて要素を入れた第4部といった流れになっております。

冒頭の「intro」では

《幾千の時一瞬のこの時 今日は何色に染まりましょ》

と歌っているように、ちょっと落ち込んで元気をつけたいときには「第1部」、哀しさに浸りたい時には「第3部」といった具合に「今日のあなたの気分でこの4つのパートそれぞれの色に染まってください。」ということを聴き手に伝えています。

さて、最後にこのアルバムで僕が一番好きな曲を紹介します。

ナチュラル ハイ「エドの国」

ジャズポップスという言葉はないのだけれど、もしあるならばこの曲はその傑作に相当します。上京する前に傷つけてしまった人がいる。忘れるためこの街に染まろうとするが忘れられない。その思いは歌になり、私はこの「エドの国」で生きていく。

 

さて、散休レコード第2回いかがだったでしょうか。次回は名前に「東京」を持ちながらもニューオリンズの音楽を愛した若者たちが、音楽を愛するすべてのバカモノへ贈ったアルバムを紹介します。

 

 

ゴリさん(@toyoki123

ダラダラ人間の生活