読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

はじめてのおんがく(ハードコア編)第2回 ハードコアを聴いてみよう(UK編)

前回はハードコアの誕生をパンクから遡って探ってみました。そして今回はついに実践編です。ハードコアパンクを実際に聴いてみます。

今回聴くのは前回も紹介したDischarge、G.B.H.The Exploitedです。この3バンドはハードコア創世紀に活躍し、現在のハードコアシーンに大きな影響を与えているバンドです。今回はこれらのバンドを掘り下げて行こうと思います。まずはDischargeから聴いてみましょう。

Discharge「Never Again/Hear Nothing See Nothing Say Nothing/The Nightmare Continues」

Dischargeはイギリスのハードコア・パンクバンドです。1977年にストーク・オン・トレントで結成。バンド名はセックス・ピストルズの「Bodies」の歌詞から付けられました。ハードコア・パンクの第一人者と言われています。

歪んだメタリックなギター、早いリズムを刻むドラム、ほぼ叫びといっていいボーカル。「これぞハードコア!」と言える、僕のイメージ通りのハードコアサウンドです。メタルをやりたい人とパンクをやりたい人がくっついた感じでしょうか。ちなみに2ndアルバム以降はメタルに接近します。

いわゆるハードコア・パンクスな格好ではありません。頭が多少ツンツンしてるぐらいです。

イギリスのパンク・ロックバンド、Crass反戦思想を受け継いでいます。過激な写真をジャケットに用いたり(1981年のEP『WHY』)、歌詞も反戦に関することが多いです。曲全体を漂う暗い雰囲気もまるで戦争の暗部を表しているかのようです。歌詞も短く、言いたいことだけを言う感じです。

ハードコアのみならずロック/メタルにも大きな影響を与えています。メタリカが影響を受けていることは有名です。この衝撃的な音楽性は「DIS-CORE」というジャンルを生み出しました。リスペクトするあまりリフや歌詞をそのまま引用したり、同じような名前をつけるバンド(Dis〜)がいるほどです。

個人的なお気に入りは『Hear Nothing See Nothing Say Nothing』です。

Hear Nothing See Nothing Say Nothing

Hear Nothing See Nothing Say Nothing

 

 音の塊がそのまま迫ってくるかのようなブチぎれたテンションに浸れる一枚です。音的にもこれが一番ハードコアだと思います。

G.B.H.「Sick Boy」

G.B.H.はイギリスのハードコア・パンクバンドです。1978年にのバーミンガムで結成。イギリス・ハードコア・パンク界の重鎮で言われています。

メタリックな音ではありますが、Dischargeより70年代パンクに近い音でもあります。ハードコアな音の中にもキャッチーな印象があり、爆音に浸るというよりは「この場で一緒にモッシュしたい!」と思うようなポップさを感じます。

モヒカンやタイトな服装です。僕の思うハードコア・パンクスそのもの。かっこいいです。

歌詞には暴力、狂気、欧州・英国文化への非難、無神論虚無主義が色濃く描かれています。

ランシドが歌詞の中で出すほど影響を受けています。モヒカン、髪の色、タイトな格好などはのちのハードコアファッションのお手本。この「Sick boy」という曲はギターウルフがライブでカバーしたこともあるそうで影響がうかがえます。

個人的なお気に入りは『City Baby's Revenge』です。

City Baby's Revenge

City Baby's Revenge

 

1stの頃のような勢いは減ったけど、ポップでチャッチーな曲が増え、現在のエモの原型と言える曲もあります。聴きやすい一枚です。

The Exploited「Punks Not Dead」

The Exploitedスコットランドのパンクバンドです。1979年に結成。元軍人のワッティー・バカンによってエディンバラで結成された。メンバーの度重なる交代にもかかわらず、2000年代に入っても活動を継続しています。 

この3バンドの中で最も70年代パンクに近いです。しかしメタリックな音と初期衝動たっぷりな早い演奏は、これもまたハードコアではないでしょうか。もともとはパンクバンドだったせいかチャッチーな部分もあります。

ピンク色のモヒカンや金髪リーゼントなどやっぱりハードコアのイメージ通りのファッションです。でも巨漢のギタリストが、タイトな服装が多いハードコアパンク勢のなかで異彩を放っています。

他のバンドと同じく欧米社会への批判、反戦アナーキズムなどですが、歌詞は結構平易です。Fu×kとか純粋に罵る系統の言葉が多く、ある意味正直です。ボーカルのテリー・バカンは子供時代を養護施設で過ごしたり、軍隊の経験があったりするせいか、ほかのバンドよりも70年代パンク的な部分を感じます。

ファッションについてはG.B.H.同様、以降のハードコア・パンクスのお手本になっています。また80年代ごろ、当時のメディアでは「パンクは終わった」と言われていたのですが、The Exploitedが1stアルバムで「パンクスは死んでねえ」と宣言したこともその後のハードコアパンクに大きく影響していると言われています。

個人的なお気に入り盤は『Troops of Tomorrow』です。

Troops Of Tomorrow

Troops Of Tomorrow

 

1stアルバムよりメタリックになった音は「まさしくハードコア!」な1枚です。

 

今まで聴いたことないジャンルに飛び込んでみましたが、新しい音楽を発見することが出来ました。しかしハードコアの歴史としてはまだまだ創世記。次は同じくハードコアの一つの流れとなった創世記のUSハードコアバンドを掘っていこうと思います。

 

参考

第26回:1980年代ハードコア・パンク10選 | DrillSpin Column(ドリルスピン・コラム)

地獄の犬猫日記 池上彰のハードコア史解説・第一夜 [ハードコアが生まれた]

 

 

バンジョーbot@mousou_in