読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

もうすぐ27歳

コラム

初夏に近い春生まれなのでもうすぐ27歳になります。物心つく前から見ていた「サウンド・オブ・ミュージック」のルイーザより10歳も遠くへ来てしまった。

「Sixteen going on Seventeen(もうすぐ17歳)」(「サウンド・オブ・ミュージック」より)

16歳のルイーザが、17歳のロルフに恋愛対象としてみてもらいたくて背伸びしている、いじらしくて可愛い曲です。日本でもCMソングなどでおなじみの曲ですよね。わたしは親からの刷り込みで「サウンド・オブ・ミュージック」を繰り返し何度も観て歌が好きになりました。小さなときから見ていたお姉さんだったルイーザが、もうすでに10歳も下の女の子になってしまったなんて!

27歳といえば、27clubというものが存在するように、超ど級の伝説ミュージシャンたちが他界した年齢として強烈なイメージのある年齢だし、人生の中ではもうはっきりと大人にさしかかる・というよりは一歩踏み入れてしまう年齢だし、独身女性としては婚期という言葉がちらつく年齢でもあります。わたしなりに27歳を考えたときに、せっかく音楽だいすきクラブで場を与えてもらったので、じゃあ、好きなミュージシャンのあの人が27歳のときどんな曲を歌っていたんだろう?という興味から、5組取り上げたいと思います。

バンドの場合はメインボーカルの年齢で考えてます。ここでの選曲基準はあくまでシングルのリリース日が27歳の誕生日以降ということで定義しました。

L'Arc-en-Ciel「flower」(1996)

(ああ、27歳のときの動画が見つからない…!)

小5(1998〜99年)あたりから音楽に目覚めてスポンジのようにとにかくチャートで流れる曲を摂取していた頃、教室の一部でGLAYvsラルク戦争がありました。わたしはラルク派に落ち着き、新作だけでは飽き足らず過去アルバムをレンタルするという行為を覚え、小6の時に「flower」と出会いました。そこから絶えずマイフェイバリットの上位にランクインし聴き続けてしまい、この曲から溢れ出る切なさや叙情的な趣や歌詞が、もはや自分の中では古典の域に達してしまった/血肉化すらしてしまったのです。そのため残念ながらあまり熱量をもって語ることができなくなりました。ただ、27歳を迎えてなお、こんなにも胸を突き刺すような想いを抱え、自己を振り絞りながら狂おしく人を想い続けることができるだろうか。その不思議をずっと抱えています。

SOPHIA「beautiful」(1999)

「黒いブーツ〜oh my friend〜」も「Place〜」も27歳だけど、「ビューティフル」がいちばん好きなので選びました。どうでもいい歌のようで同時にこれ以上になく刹那的で。ずっとやんちゃでいたいけど大人にならなきゃいけない葛藤や孤独。自分の中のそういう部分を隠すようにおちゃらけて見せる松岡充はまさに道化師のようで切なく美しい。ポップでキャッチーなのに、隠しきれない悲しみがちらちら顔をのぞかせる不思議な名曲。わたし自身もそういう道化師成分を持ち合わせているので、個人的に

《僕は僕を壊してく》

は27歳のテーマにしようかなと考えています。

GRAPEVINE「風待ち」(2001)

これが「THE 27歳」の実態かも。田中和将はトップクラスに好きな作詞家です。ボーカリスト・作曲家としてももちろん好きだけど、やはり新作ごとに表現の磨き抜かれる歌詞には毎回惚れ惚れします。そして「風待ち」の歌詞には、ちょっと引用しようにもここも、ここも、と結局すべてを書き連ねなければいけないような気がしてくるぐらい濃密に、《あの頃》と《今》とぼんやり考える《明日》が描かれている。そのうえでこの曲調だから、ずるい。

《待合わせの人の隙間歩き慣れたけど/あなたなら心の隙間見抜きそうな気がした》

ドキィィィッ!

浜崎あゆみ「Pride」(2005)

あゆ姐さんは我々世代には絶対に外せません。敏感に孤独を感じる女子にも、鈍感ながらも友達と過ごす女子にも、双方が共感できる可愛くて最高の憧れ女性像。金髪にぱっちりくりくりお目めというあゆちゃんは永遠の憧れと言っても過言ではない。そんなあゆ姐さんの2005年のFNS歌謡祭でのパフォーマンスは度肝を抜かれるものでした。

《共に行こう諦めることよりも/怖い事などないのだから》

と歌うあゆを見て全身を覆う凍り付くような緊張感におびえ、あゆファンの友人とメールで「あゆ見た?」とすぐさま連絡を取り合った思い出。少女=かつての浜崎あゆみに向けて残酷な今を伝えようとする27歳の浜崎あゆみ。そしてきらきらな夢を見ていた少女から脱却し、自分を信じ大人の女性として生きていく覚悟=Prideを表した歌ではないでしょうか。 

鬼束ちひろ「蛍」(2007)

蛍は古来より魂を具現化した姿に見立てられてきた。魂。つまりかたちのない生命。美しく壊れる寸前の世界で

《時間よ止まれ》

といいつつ一瞬と永遠をさまよう意識。この曲が漂わせる荒れ狂う海のような切なさが伝えるものは並大抵ではなく、鬼束ちひろというソングライターはやはり唯一無二の天才であるといわざるを得ません。鬼束ちひろはこの前年に「everyhome」、翌年に「X」を発表している。ここ数年のもはやイロモノ化して奇抜な話題ばかりが先行してしまっているけど、美しいだけではない本性のままに、再び天才にしか作れない歌を作ってほしいと願ってやみません。本当に。

 

それぞれの27年。音楽とは人が生み出すものであって、人の人生はその人にしか生きられない。その人にしか歩めない時間がその曲を生み出す。生まれた時期によって、ある出来事を経験したり、あるいは経験していなかったりする。それでもわたしたちには生まれた時からの時間だけは平等に備わっている。彼ら彼女らそれぞれのスタート地点からの27年間が、そのとき、この歌をうたわせたのではないだろうか。

同じ年数を生きてきても、環境や選ぶ道によってはこんな曲を生み出す道もあったのだなー、わたしもひょっとしたら、なんて、いやいやもとの才能が違うわけで。でもこちら側はこの名曲たちを享受する才能を与えられたわけで。わたしたちにはその時々で出会う素晴らしい歌がある。そして、同じ歌を聴いてもそのときに置かれている自分の状況によって曲の様々な側面に気付くことができる。わたしたちは素晴らしい曲たちとともに歩き、これからも曲とともに育ってゆくことができる。わたしはその事実を愛したいし、その変化を愛したい。

他にもごく一部のミュージシャンたちですが、ざっくり調べたのでメモだけ残します。

中島みゆき「りばいばる」(1979)

B'z「ALONE」(1991)

エレファントカシマシこの世は最高!」(1994)

スピッツロビンソン」(1995)

Mr.Childrenニシエヒガシエ」(1998)

GLAY「BE WITH YOU」「winter, again」(1998、1999)

YUKI(JUDY AND MARY)「Brand New Wave Upper Ground」(1999)

the brilliant greenForever to me〜終わりなき哀しみ〜」(2002)

宇多田ヒカルCOLORS」(2003)

ACIDMANイコール」(2004)

椎名林檎(東京事変)「修羅場」『大人』(2005)

ストレイテナーMerodic Storm」(2005)

BUMP OF CHICKEN涙のふるさと」(2006)

THE BACK HORN美しい名前」(2006)

サカナクション『GO TO THE FUTURE』(2007)

RADWIMPSシュプレヒコール」(2012)

 

文体すら定まってないけどゆるしてね。これからこれから。

 

 

やや(@mewmewl7

always see you in dream