マンスリー・ベスト・トラック 5月号 その2

 

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マンスリー・ベスト・トラック、5月号、こちらは後篇です。前篇同様、新旧、洋楽邦楽、ジャンル等の区別は付けず、書き手の方が「今プッシュしたい5曲」が中心に選ばれています。ゆるゆるに運営しているので、「マンスリーベストトラックだけでも参加してみたいかも」的な幽霊部員志願の方もぜひ。基本的にはクラブ活動みたいなノリを目指していますので。

後篇もページが重いです。ゆっくり読んで下さい。20日には音楽だいすきクラブ初の特集も用意しています。今月もよろしくお願いします!あと「今月参加忘れた!」という方も、また月末もやりますので、笑。あと来月半ば、上半期ベストアルバムもやります。そちらもぜひ。

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HEROSHI(@HEROSHI1111

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私の今月の珠玉の5曲を紹介します。新旧問わず、私の琴線にこの1ヶ月触れに触れまくった5曲です。4曲はすんなり決まった。あと1曲どうしようかと考えてたら、昨日(5/29)買って3回聴いた坂本慎太郎『ナマで踊ろう』がビンビン来たので助かった。多分人生であと200回は聴くだろう。その度にこのアルバムを見る目が変わってくるだろうなぁ。ただ今は胸を張って言える。この作品は最高だ。ようやく私は、荒廃した世界の美しさを描き出す、Radiohead『kid A』と双璧を成す作品を見つけた。

INU「メシ喰うな!」

欧米のパンクは「パン喰(パンク)うな」なら、日本のパンクは「メシ喰うな」ってか。日本最高のパンクアルバムのタイトルチューンにして日本最高のパンクソングだと断言しよう。「おまえらは全く自分という名の空間に 耐えられなくなるからといってメシばかり喰いやがって メシ喰うな!」…この国に産まれて良かった。ジャケットを見ただけで距離を置きたがる人もいるだろうが、それこそがパンクなんだ。

サニーデイ・サービス「bye bye blackbird」
サニーデイ・サービス

サニーデイ・サービス

 

今月は色々と病んでて、現実逃避いたくて繰り返し『牛盤』を聴いてた。永遠のまどろみの中にいる事こそが最大の幸福だと説く本作は、最後にこの曲で静かに、そして壮大に締めくくるからこそ美しさが際立つ。「きみの声がすれば いつだってぼくは振り返ってしまうんだから もう灰色の列車に乗り遅れてしまった」と、最後の最後まで現実逃避をし続ける姿勢が、このアルバムの曽我部恵一の魅力ではないだろうか。

SUPERCAR「cream soda」

初期スパカの一番の魅力は、ナカコーの何ともやる気ない声だ。無駄にカッコつけるんじゃなく、あまり上手くない演奏に乗せて気怠さを隠さない声で歌う。大空の元の自由を求めているこの歌だって、何だか叶わない夢を仕方なく追い求めてるようで、若者の理想像を否定している。だらけて時代の流れに身を任せているのかと思いきや、実は彼らは流れに逆らう鮭だったのかも、なんて考えてみたり。

銀杏BOYZ「ぽあだむ」

これは本当に凄かった。散々待ちに待った新作の間に日本でも様々な事が起こり、彼らもその時代の変化に合わせて成長していたのだ。震災後の東京に美しさを見出すなんて大それた曲を、まさか峯田和伸が作るとは。すっかり忘れていたが、彼らはゼロ年代以降の邦楽最重要バンド。童貞の代弁者以上に芸術家集団だった。生涯ベスト10に入る名曲「人間」と同じぐらいの衝撃。あとPVいいねぇ。

坂本慎太郎「あなたもロボットになれる」
ナマで踊ろう(通常盤)

ナマで踊ろう(通常盤)

 

全曲素晴らしかったけど、今一番はこれ。この作品のテーマ自体は過去にも多く取り上げられたものだが、本作の素晴らしさは聴衆を「踊らせる」事にこそある。不安や虚無を抱える事を放棄し、ロボットになろうという甘美な誘い。「日本の5割が賛成している」なんて、タイムリーだけどきっと彼は狙ってないんだろうなぁ。ゆら帝時代から人間への疑問を歌っていた彼はとうとう世界を終わらせてしまった。次の一手は……?

今月は色々と理不尽な目に遭い続けて、散々だった。そんな時には音楽が必要だ。ミュージックを聴いて感動して踊る事が必要だ。事実、昨日も酷いことをされたが、『ナマで踊ろう』で元気が出た。人類滅亡後の世界を描いた作品で心が癒されるなんてお前はなんて病んでいるんだ、と思われるかもしれない。しかし芸術はどんなテーマだろうと、「快楽」を伴っていればそれだけで楽しませてくれる。『ナマで踊ろう』しかり、『光のなかに立っていてね』しかり。今年は豊作だ。嬉しい。

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じゃのめ(@jyanomegasa

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tUnE-yArDs「Water Fountain」

5月に買ったアルバム『Nikki Nack』から、色んな音とリズムが重なって楽しい1曲。力強いボーカルが良いです。民族音楽っぽい感じも私のツボを突いてきます。

前野健太伊豆の踊り子

GW序盤、ちびまる子ちゃんの山根君ばりの胃腸の弱さを発揮してろくに外出できなかった為、せめて音楽でどっかに行った気になろうと聴いていた曲です。淡々とした歌い方と言葉の響きが心地よく、それらが妄想旅行へと誘います。

Enrique y Ana「SUPER DISCO CHINO」

スペイン発、中華風ディスコ。そこはかとなく漂うチープ感がいいなぁ。 この曲を聴くと肩の力が抜けるので、リラックスしたい時に聴いています。CD整理をしていて魅力を再発見!

冨田ラボ「ずっと読みかけの夏 feat. CHEMISTRY

これは毎年夏になると聴いているのですが、最近グッと暑さが増してきたので5月にして早くも解禁しました。美しい曲でございます。

The Explorers Club「Run Run Run」

通勤中によく聴いていた曲。これを聴くと元気になります。 今回投稿するにあたって、初めてこの曲のMVを見たのですが…すごく好きです!「Run Run Run」という曲名になぞらえて色々な映画の走るシーンを集めたものなんですが、見ていてワクワクします。『ジュラシックパーク』、『シャイニング』、『ラン・ローラ・ラン』等々、なんの映画か考えるのも楽しくてテンションUP。ますます曲が好きになりました。

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ゴリさん(@toyoki123

ダラダラ人間の生活

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ナガレ「うるさいなぁ」

今年2月に発売されたシングルに入っている曲なのですが、つい最近RO69JACKで聴いて「これは広く知られるべき」と思い紹介します。ダーティーであり、牙をむいて聴取者に襲いかかるサウンドにとにかく圧倒。ハヌマーンが好きな方お勧めです。このバンド今年のRO69JACKの主役になってほしいですね。

マイミーンズ「そういうことだった」

で、先ほども出た、ハヌマーンのベースであった大久保恵里さんが今年4月に新しくバンドを立ち上げたのがこのマイミーンズ。6月1日にシングルが発売されるんすが、変な小細工を一切せずにここまで直球を放り込まれると逆に清々しい。そして、縁の下の力持ちとして活躍していたえりっさ氏がここに来て、ボーカルをやった事への挑戦含め支持していきたい。

コンテンポラリーな生活「ポップソングと23歳」
ポップソングと23歳

ポップソングと23歳

 

23歳の等身大な感じが凄く良く表れた傑作。プロデューサーが中尾憲太郎であってか、ギターサウンドの端々にナンバーガールズのエッセンスを感じられます。そして自分たちが今感じる将来への不安を変に背伸びをせず、リアルに投影させている歌詞も素晴らしいです。しかし、こういうバンド減ったよな……。

Especia「くるかな」

堀江のアイドルEspecia 5月28日発売のアルバム曲。この80年代のニューウエーブを彷彿とするサウンドに背伸びをして歌おうとする少女たちの歌声。最高です。ちなみにこのEspeciaアルバム、今まで以上に生バンドという点にこだわりを見せており、アシッドジャズ、シティーポップが好きな方は間違いなくお気に入りの一枚となること必至。

葉山久瑠実「空っぽのライブハウス」

信販売が6月1日より開始された自主制作2ndminiアルバム『イストワール』というアルバムに収録されている曲ですが、これ感想書くとちょっと長くなってしまったので後々にアルバムごとレビューしようかなと思います。でもこれだけ言わせてください。これ、本当に最高です。今月のベスト中のベストです。(動画は3分10秒あたりから)

さて今回は紹介したい作品が割とたくさんあったので、今知ってほしい関西のアーティスト・アイドルを基準に選びました。選んでないけど、tofubeatsの「ディスコの神様」や坂本慎太郎さんのアルバム『ナマで踊ろう』の曲も素晴らしかったです。(坂本さんはみんな聴いた方がいいよ、本当に!)あと、give me walletsの「Be My Girl」をホントはこの中に入れたかったんだけど、関西縛りにした手前入れられなかったので、これは来月の枠に取っておきます。このバンド、今の80年代洋楽リバイバル系では一つ抜きに出た存在です。みなさん、give me wallets覚えてください!

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api@api_333

あぴの音楽備忘録(仮)

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Especia「No1 Sweeper」

アイドルソングの枠を超えた2014年を代表するキラーチューン。

For Tracy Hyde「First Regrets」

こういう音楽待ってました。インディーロックバンドの最注目株です。

ikkubaru「Eternal Lover」

海外のシティポップだけど、邦楽風で聴きやすいです。

ONIGAWARA「TSU・BA・SA」

こちらもEspecia経由。やっぱりポップでキャッチーな曲は最高ですね。

宇宙ネコ子とラブリーサマーちゃん「日々のあわ」

この曲で自分の中のラブリーサマーちゃんの株が急上昇。ウィスパーボイス最高です。

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ソノダマン(@yoppeleah

主にロックバンドのライブのセトリや全体の空気感をなるべく早くアップするブログ

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米津玄師「リビングデッド・ユース」

米津玄師の2ndアルバム『YANKEE』の1曲目に収録されている曲。前作『diorama』の1曲目の「街」は物語のオープニング的な位置の曲だっただけに、このシングルライクな曲が1曲目に置かれたのは前作と全く違うアルバムであることを感じさせる。

米津玄師「MAD HEAD LOVE」

同じく米津玄師の2ndアルバム『YANKEE』の2曲目に収録されている曲。米津玄師がかつてボカロPであったことを再認識させてくれるような高速かつ音の情報量が多い曲。ライブでどう再現されるのか気になる曲。

米津玄師「WOODEN DOLL」

同じく『YANKEE』の3曲目に収録されている曲。個人的には全曲シングルカットできるくらいのアルバムの中でも屈指の曲だと思っているが、曲の頭の米津玄師の息を吸い込む音が入ってるのが体温を感じさせる。

米津玄師「アイネクライネ」

同じく『YANKEE』の4曲目(以下略)。東京メトロのCMに使われているので、耳にしたことがある人も多いと思われる。そのCMの尺で聴いてもわかるくらいの名曲ぶりだが、この曲を聴きながら東京メトロに乗ると、堀北真希になったような気がする人もいるとか。

米津玄師「サンタマリア」

6曲目(諸々略)。アルバムに先んじて1stシングルとしてリリースされた曲だが、その時はイマイチピンとこなかったのだが、アルバムの流れで聴くと曲の真価に気づかされる。つまりは『YANKEE』は超名盤なので、みなさんに聴いていただきたいということ。

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そーる(@GJsoru

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最近、日本でディスコブームがきていますね。インディーバンドの方々もブラックなリズムを取り入れていたりと、とても僕好みな流れです。 ということでテーマは「ゆるりと踊れる曲」。激しく踊るのもいいんですけど、もう暑いし、ここでぶっ倒れることを推奨してもあれなので。一応全て5月に出たものです。

sodapop「ほどけた手を結う」

話題のAno(t)raksの無料コンピから一番踊りやすそうな曲をチョイス。こういうかすれた声って意外といなくて貴重な気がする。自然と体が揺れること間違いなしな哀愁漂う絶品なトラックです。

Via Rosa「Cocaine feat. TheMind & Vinc Mensa

シカゴの女性シンガーの無料ミックステープから。(多分ビートルズからサンプリングした)泣きのギターがたまらんです。思わず、落とした後zipをうまく解凍できないことを思い出して泣きそうです。……誰か下さい(泣)。

BOOTS「Howl / Your Move」

ビヨンセに楽曲を提供し一部で話題になっているプロデューサー/シンガーのこれまた無料のミックステープから。多少テーマからはずれていそうな、大きな会場で流れたら昇天しそうな壮大な曲ですが、2:42からの展開もあったりするので、正気を取り戻して踊れると思います。

ジャポニカソングサンバンチ「かわいいベイビー」

新宿で飲み会という名のイベントを開いている音楽前夜社からの最高の余興バンドの学園が天国になりそうなダンスナンバー。テーマからかなり離れるけど、これは激しく踊らざるを得ない。これを聴いたら80’sなファッションを着こなしてるかわいいベイビーとブギウギなダンスを踊りたくなることでしょう。実際に踊れるかどうかはまた別問題。

Campanella「Mothership Connection (Featuring Maria)」

Mothership Connection feat MARIA - VIVID

粘っこくビートに絡みつくラップが特徴の名古屋のラッパ―Camapanellaの1stアルバム収録のキラーチューン!すいません、テーマなんて関係ありませんでした。激しく踊れること間違いなし!暑くてジメジメした季節もなんだかんだ滅茶苦茶になりながら踊って乗り切りましょう!!

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ユウキ(@yuki_gc

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BUGY CRAXONE「なんとなく Be happy」

『Joyful Joyful』以降のBUGY CRAXONEにハズレなし!相変わらず日々の中で傷ついたり悩んだりしながらも強く生きてます。2分45秒からの動きとそこからのステップに泣きそう。

Elomaticmill 「SATELLITE」

福島在住のバンドElomaticmillが発売した同タイトルの2ndアルバムのリード曲。J-POPとロックが一体化することがまだ可能だった90年代。そんな90年代を感じさせる楽曲。JUDY AND MARYなんかを想起する人が多いんじゃないかな。今ほんとこういう曲って少ない気がする。シンプルに、気持ちいいサウンドとメロディに気持ち良くことばを乗せる。もっと広いところに届くようなバンドだと思う。

吉谷彩子「恋のオーケストラ」

アニメ「謎の彼女X」のOP。北川勝利作曲、GOMES THE HITMAN山田稔明作詞。最近GOMES THE HITMANの名前をよく見るのをきっかけにふと思い出して聴いたら、やっぱりめちゃくちゃ名曲でした。全体的に漂う昭和感が最高。「女の子が歌うポップス」を作らせたら日本一な北川勝利の曲はもちろん素晴らしいし、山田稔明の言葉の乗せ方も流石。そして吉谷彩子の声が大好き。可愛くて甘酸っぱくて懐かしくて暖かくて切ない。もっと聴きたいのに、これと同アニメのEDしか歌ってなくて残念。

□□□「リフレイン」 
TONIGHT

TONIGHT

 

□□□のアルバムで『Tonight』だけ聴いていなかったことを思い出し聴いてみたら、この曲が5月の陽気にピッタリで最高でした。□□□の歌ものポップスのハズレのなさは恐ろしい。やはり三浦康嗣は稀代のポップスメーカー。個人的にモラトリアムな小沢健二といった印象。<まばたきより短い夜更かしに>で始まって<死んだように長いまどろみに>で終わってゆくのがなんともいいですね。

東京03「今日はよかった」

先日東京03の単独公演を見に行ったんですが、それを機に過去のDVDを見返したらこの曲が凄く良かったです。カントリー風ポップス。そりゃ音はそんなによくないけど、小気味よいリズムと口ずさみたくなるようなメロディにのせて《今日はよかった 普通でよかった いいことなんか何一つなくて 何もなくてよかった》なんて歌われるとホロリとくるんです。さえない男の微妙な心理を、彼らのコントさながらに、哀愁を持って描いています。《この先思い出すことのない なんの記憶にも残らない 何にもない日だったけど 最高によかった》なんてすごくいい歌詞じゃないですか。