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俺が選ぶくるりのアルバムベスト3

こんにちはクラークです。

世界中の音楽ファンの共通の嗜みとして「ビートルズの最高のアルバムはどれだ?」というディスカッションがあります。今日も世界のあちこちで性別も人種も国籍も社会的地位も年齢も関係なく、あーでもない、こーでもない、と言いながらケンカしたり握手したりしてるわけです。この時間ほどポップミュージック・ラヴァー冥利に尽きることはありません。

さて「音楽だいすきクラブ」という名を冠されたこのブログほど「それ」をする場として相応しいものはありません。そう思って最初はビートルズのベストアルバムを選ぼうと思ったのですが、ほら、ビートルズは残念ながら『ホワイトアルバム』が最高である、という絶対的な変えられない事実がありますから。今更議論しても、ねえ。いや『リボルバー』『ウィズザビートルズ』派の皆さん落ち着いて、気持ちはわかります、握手。『マジカルミステリーツアー』派もこちらにどうぞ。え、『アビーロード』派?何それ?ああ、あのポールのお子ちゃま趣味が炸裂しちゃったアルバムね、A面は最高ですけど。あ、『サージェントペパーズ』派のみなさんは帰って大丈夫ですよ。

っていうケンカができるアーティスト(アルバムを5枚以上はリリース、人によってフェイバリットアルバムが割れる)ってなかなかいないんですよ。そんな中、この国にもいました、素晴らしいグループが。そう、活動歴約20年、リリースしたオリジナルアルバムは10枚、その度に音楽性を変えファンを戸惑い楽しませ続けるすごいバンド、くるりです。

では今から僕が選んだくるりのアルバムベスト3を発表します。シングルやベスト、ライブ盤は除外してオリジナルアルバムの10枚から選びました。

それでは皆さんたくさん握手orケンカしましょう!してください!


3位 図鑑(2000)

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「惑星づくり」に代表される完璧にプロデュースされた楽曲と、「ピアノガール」に代表される不安定で今にも崩れ落ちそうな楽曲が居心地悪そうに同居したアルバム、と説明すれば少しはこの不思議なアルバムの魅力が伝わるだろうか。ジム・オルークをプロデューサーに招き、加えて最悪なバンド仲という状況で産み落とされた、混乱して、破綻して、こんがらがった怪盤であり名盤。ナカコーがミックスを手がけた「ガロン」から「宿はなし」の流れはくるりというバンドの自意識への決別のようにも映る。岸田繁本人のイラストによるジャケットも最高。海へ行くつもりじゃなかった、しかし、帰るべき場所ももうない。思春期は終わり、そしてここからくるりの音楽的な冒険がはじまった。

「青い空」

 

2位 アンテナ(2004)

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くるりといえばそのメンバーチェンジの多さがよく話題になる。実際、くるりは2001年の『TEAM ROCK』から2007年の『ワルツを踊れ』までの5枚のアルバム発表間に毎度メンバーチェンジを経ている。その中でもクリストファー・マグワイアという素晴らしい「ドラムセットプレイヤー」が唯一レコーディングに参加したこのアルバムは、一期一会の旅情と切なさがひときわ色濃い作品となっている。ナンバーガールの解散をはじめ、所謂「98年の世代」と呼ばれる同世代のバンドが次々に消えてゆくなかで満身創痍でも続けてゆくことを選んだバンドが伝える、この国のあるひとつの時代とシーンに対する感謝と別れ。「グッドモーニング」から始まり、言わなきゃいけないのは「さよなら」と「さよなら、また明日」のその両方。レクイエムのような「HOW TO GO」は名曲だらけの彼らのベストソングのひとつ、今だに涙と鳥肌無しでは聴けないのです。くるりにしか作れなかった、くるりだからこそ作れた、大小あらゆる出会いと別れの悲喜交々をパッケージした、普遍的でかけがえのない一枚。

「HOW TO GO」

 

1位 ワルツを踊れ(2007)

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くるりの音楽的な冒険の、現時点における最高到達点。ウィーンというクラシックの本場でレコーディングされた作品だが、もちろんロックバンドにありがちな「クラシックとロックの融合」といった退屈な代物ではない。クラシックやロックに限らず、全ての音楽には歴史があり、伝統があり、学理があり、それらは尊ぶべきものである。しかし同時にそれらは時に壁であり、隔たりであり、呪縛でもある。くるりがしようとしたことは、敬意を持って世界中の音楽の壁をぶち壊し、隔たりを無くし、呪いを解き、自由に解き放ってやろうという果敢な挑戦だった。アナーキー・イン・ザ・ムジーク!そして実に驚くべきことに、彼らはその試みを見事にやり遂げてしまった。この大傑作のせいで現在もくるり自身が苦しんでいる感さえもある。学理に対する深い理解、確かな演奏技術、そして音楽に対する大きな愛情と尊敬と野心によって打ち立てられた、高き金字塔。

「ジュビリー」

 

 

クラーク(@kimiterasu

いまここでどこでもない