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Half-Life『〆』

レビュー

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久しぶりに、いい一枚に出会えました。今日持って来たのは、メジャーの解約、解散危機を乗り越え前作の『replay』から数えること2年半ぶりにリリースされたHalf-Lifeのニューアルバム『〆』です。

正直、もうダメかなって思ってました。メジャーに出たはいいもののしばらく新譜も出ないし、ライブもしない。好きなバンドだっただけに残念だななんて思っていた矢先、昨年から相次いで発表されたep盤3枚のリリース。『◯』、『△』、『□』と銘打たれたそれは、かつてのHalf-Lifeにはないキリキリとした緊張感を携えながらも、バンドとしての勢いを上手くのせた曲がたくさんありました。

そして、そのモードの完成形としてリリースされたこの『〆』。かつて売れ線狙いと言われた彼らの姿はもうそこにはなく、辛酸をなめ続け泥臭く這いつくばってできたこの1枚。破壊力のあるパンチ力抜群の楽曲たちと、鋭利な刃物のように突き刺さる歌詞がこれでもかと詰め込まれた会心のアルバムです。

このバンドのキモはやっぱり歌詞で、ものすごい量の言葉を詰め込みながらも、語感がよくて、真理をズドンとついてくる。久々の新作とはいえそこはなにも変わりはなく、相変わらず熱のこもった詩がもう本当に大好きだ。かつて解散を考えていた亡霊のような自分から、本当の自分を取り戻せ!!と歌う冒頭の「ghost」からはじまり、この世の不条理に真っ向から勝負を挑んだ「げきおこぷんぷんまる」や、「君は君のままでいい、このままで...っていいわけねぇだろ!!ほざくな!!」とキレまくりで怒りまくりのキラーチューン「水槽」、そしてこれからの自分たちを壮大なスケールで紡ぎ歌った最終トラック「SCORE」まで。

きっと垂れ流しで聞ける程生易しいアルバムではないし、こっちが怒られているかのような怒り剥き出しグーパンチ上等の隙のなさは、聴けば体力も精神力も猛烈に消費する。

だけど、聴き終わった後に吹き抜ける風はとてもさわやかで、自分の心にズシっと残るその重みは、このアルバムが持つ凄まじいパワーの何よりの証です。

この最後の「SCORE」が本当によくて、ほろほろと涙が……。

Half-Life「SCORE」

なんかうまく言葉にできないあたりすごく悔しいんですけど、ずっと聴いてきたバンドだけにこの曲の歌詞がガツンと胸を打つのです。 

例えば 当たり前に繰り返した呼吸の中に 生まれた過ちも正しさも
その全てがここにいる君の答えになる。

きっとバンドのことだけを歌った曲だけではなくて、本人はもちろん、僕だけではなく、これまで彼らのことを知らなかった人に対しても、きっとグッとくる素敵なメッセージソングだと思います。

助走も序章もいらない。これまで自分たちがつけてきた足跡の行進を更新し続けるバンド、Half-Life。彼らのこれからが、もっともっと楽しみになりました。これからたくさん聴こう。ぜひぜひ。

 

 

かんぞう(@canzou

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