読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Shiggy Jr.『LISTEN TO THE MUSIC』

合評 レビュー

f:id:ongakudaisukiclub:20140811105033j:plain

Shiggy Jr.の2ndミニアルバムの合評です。ネットの音楽ファンの心を鷲掴みにした1stミニアルバム『Shiggy Jr. is not a child. 』から8ヶ月、満を持しての2ndミニアルバムです。正直、あまりに普遍的すぎてこれを書くのがキツかったし、他の方も好きすぎる割に何を書いていいのかわからない感じが出ているのですが、そういう雰囲気を含めてこの音楽を楽しむ材料になればうれしいです。(ぴっち)

––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––

凄い。凄いぞ。「LISTEN TO THE MUSIC」を聴いた瞬間から沸き起こるこの胸の高鳴り。それがアルバムをすべて聴き終えるまで持続し続ける。すべての曲の一瞬の瞬間にポップが散りばめられてはそれが爆発している。最高だよShiggy Jr.!

なにしろ今回のアルバムは曲がいい。それに尽きる、という表現はあまりに凡庸だけど、全ての曲がキラキラ光っている。そして簡単に口ずさめるほどわかりやすいメロディーだ。

Shiggy Jr.の曲が素晴らしいというのは1stミニアルバムから既にわかっていたことではあるけど、今回のミニアルバムでは極端にこの「わかりやすい」ことを強調している。いや、振り切れていると言ってもいい。何もメロディーだけでは無く、四つ打ちの曲が多い事も、サビが今までよりも大幅にビルドアップしているのもそうだ。

この「わかりやすい」というのは両刃の剣だ。不特定多数にまで届く程の求心力を持つ代償として以前から知ってる人はその変わりように面食らいそして離れる可能性がある。今までもいろんなバンドがそこに試行錯誤して変わらないまま「わかりやすい音楽」を届けるといった行為をしていた。

Shiggy Jr.は不特定多数に届ける音楽を作る事にすでに腹を括ったのだと思う。J-POPそのものになろうと決心したのだ。その意思表明が「LISTEN TO THE MUSIC」私たちの音楽を聴いてくださいという事だ。

 

なんだかずいぶん大層な事を書いてしまっているのでここからは単なる一ファンとしての感想を。 

まずボーカルの池田さんの声が1stの頃に比べてラブリーさとポップさ(そう声もめちゃめちゃポップなんだよ!)が段違いに増している。この声は完全に武器だ。ずるい。曲を支えるリズム隊のグルーヴが素晴らしい。今回のアルバムから加入となるベースとドラムは新メンバーなので、やはり曲の印象は当たり前に変わっている。迫力が違う。パワフルさが増している。ドラムの諸石さんはハードコアやメタル系等のバンドにも在籍しているとの事なのでその影響が表れているのかもしれない。

「baby I love you」が最高にメロウで切なくて甘くてい。い曲を書く。本当に。Shiggy Jr.はいい曲を書くバンドだということを端的に証明している。2014年を代表するであろう名曲だと思う。

最後にこれからもShiggy Jr.はいろんな方法でポップミュージックを作ることになるだろう。それこそMステに出る日も近いのかもしれない。それでも僕は安心できる。どんな音楽になろうと本人たちが信じて作る限りそれはShiggy Jr.として素晴らしい曲になるからだ。

 

 

うめもと(@takkaaaan

––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––

「LISTEN TO THE MUSIC」

––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––

Shiggy Jr.はポップであることを引き受けている。それは最近のインタビューで話している「目標はグラミー!」発言もそうだけど、みんなが楽しいと思える曲を作ることに抵抗がないところが今っぽいというか、10年代のバンドならではの感覚だと思う。例えば00年代のミッシェルやくるりナンバガスーパーカー、それからアジカンサカナクションのようなバンドにはまず第一にやりたい音楽があり、それを模索することから曲作りがはじまる。そして出来上がった曲がたまたまリスナーの求めているものと一致することでヒット曲が生まれたり、ライブで熱狂的に受け入れられたりする。もちろんShiggy Jr.自身も自分たちがいいと思う曲を作っていると思うのだが、その感覚がすごくリスナー側に近いのが新しい。

そのようなバンドが登場したのは、やはり00年代における日本のロックがある程度やり尽くしたからだと思う。ガレージやパンク、ギターロック、テクノ、それから内省的なロックもやり尽くされ、おまけにロックのあり方や精神性さえも散々議論された。その結果、登場したのがマンガでありアニメでもある「けいおん!」の、単純にバンドで音楽を鳴らすという意味しか持たない、初期のビートルズに近いロックだったわけだけど、Shiggy Jr.はそれに近い存在だと思う。Shiggy Jr.はロックの主義や主張とはあまり関係ないし、さらに言うとバンド形態ではあるものの、サウンド的にロックであることにさえこだわっていない。楽しいことをすごく大切にしている。

そのような制約が極端に少ない環境で、しっかりとした音楽が生まれるのは原田茂幸のソングライティングの巧みさであり、バンドの演奏力の賜物なのだけど、何よりもShiggy Jr.が歌と向き合っているからだと思う。

Shiggy Jr.の歌は歌うのが楽しい。なぜならこのバンドはボーカルの池田智子が気持ちよく歌うことを何よりも大事にしているからだ。そして気持ちよく歌を歌うことが、何よりもリスナーを楽しませることを知っている。

「LISTEN TO THE MUSIC」はすごい曲だと思う。一度聴いただけで口ずさみたくなるし、すごく印象にも残る。SMAPの「SHAKE」や宇多田ヒカルの「Automatic」のようにサビでちょっと気になってしまう英語のフレーズを使うのはJ-POPとして優れた手法だけど、そういうものを自覚的に取り入れている。Shiggy Jr.は10年代の「みんなのうた」を作りうるバンドだと思う。

 

 

ぴっち(@pitti2210

––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––

待ちに待っていた作品。待っていた時のワクワク感は小学生の時にポケモンの新作が出る時のワクワク感と一緒だった。発売まで1週間ずつ音源を発表するのもとても好きだった。1曲1曲自信がないとできない芸当だし、さすがShiggy Jr.だなと。

発売までにほぼ全曲視聴済みだったが、とてもワクワクしていたのは理由がある。1つ目がタワレコメンに選ばれたので、タワレコで全面プッシュされている姿を見たかったため。ただの一ファンなだけですけど、タワレコに訪れる人が手にとって試聴するとこを見て感動してました(笑)Shiggy Jr.を知らない人が買っていくのはShiggy Jr.のポップが認められたことを証明するので、嬉しかった。

2つ目は、歌詞カードを見ながら視聴したかったから。というのも「baby i love you」の間奏でVo.池田さんが歌う歌詞が上手く聴き取れず、ずーっと気になってたからである。結局、歌詞カードを見ても間奏部で何を言っているか解決出来ず、じゅにらー(適当に考えたShiggy Jr.のファンの総称)の友人と一緒にiTunes Storeでアカペラver、インストverを購入して、何を言っているか追求した過程が楽しかったです。

楽曲の方は1stと比べて打ち込みが多く、キラキラさが増していた。それはtofubeatsのイベント等に参加したことで影響を受けたのかなと感じた。この影響は良い方向に作用していて、グルーヴさが増し、ライブでより一層楽しめるキラーチューンが散りばめられている。初見でも聴きやすいので「懐メロメドレー」というプレイリストにしれっとShiggy Jr.を入れておいて、友人との夏のドライブ時に流しても大丈夫なはず。

ミュージックマガジンでのインタビューで「SMAPに曲提供が目標」と書いてあるのを見て、冗談なのか真剣なのか正直わからなかったけど、実現するポテンシャルを持ってると感じた1枚でした。

 

 

api@api_333