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サザンオールスターズ「東京VICTORY」「天国オン・ザ・ビーチ」

曲紹介

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先日のMUSIC STATIONで観た時からいろいろ考えているのですが、もういろいろすごすぎて冷静になれないのでいろいろ書いてみました。

サザンオールスターズ「東京VICTORY」

東京オリンピックをきっかけにして生まれた応援歌の形をしているけど、実際は過去を愛おしむタイプの曲だと思う。《海の青さに胸が騒ぐ》《人は出逢い愛を交わす》《わたしを抱きしめ守ってくれた人はもういない》の歌詞は、それぞれ青春・恋愛・両親に置き換えることができるし、さらに深読みするとすべて桑田さん本人の過去の出来事と捉えることもできる。その上で《みんな頑張って》と歌うのだから定年退職間近のおっさんソングとも言えるのだけど、全体的に死の匂いが漂っているから一筋縄ではいかない。

去年の「ピースとハイライト」もそうだったけど、今の桑田さんは明らかに90年代や00年代と違っていて、例えば社会や政治や風刺するにしても、ただ毒づくだけではなく「批判する側/批判される側」両方に対する配慮がある。だからライブの観客席に橋下徹が座ることができる。それはロック的にあまりかっこいい姿ではないのだけど、でも僕らはロックのストレートでわかりやすい正義感が必ずしも社会全体をいい方向に持っていくわけでもないことを知っているわけで……。すべてをわかった上で、音楽が無力であることを骨の髄までわかった上で、希望の象徴になることを引き受けている。そんなふうに見える。

アレンジ的には「この青い空、みどり」や「胸いっぱいの愛と情熱をあなたへ」のようなフォーク/ロックを基本に据えたアレンジに「君こそスターだ」の夏とスポーツ成分が加わり、さらにソロの「古の風吹く杜」的なノスタルジック感や「それ行けベイビー!!」的な希望っぽい要素が加わった感じ。複雑すぎるけどすっと聴ける。でもジョン・レノンの「イマジン」や美空ひばりの「川の流れのように」のような生を超越した怖さもある。

あと先日ネットではサビでのオートチューンが話題になってたけど、歌詞を深読みすると「高音が出なくなるくらい俺も年を取ったけど、機械を使ってでも頑張るよ」というメッセージだと捉えることもできて、使用の意図が今でもわからないです。わざと使ってる可能性もあるから怖い……。

 

サザンオールスターズ「天国オン・ザ・ビーチ

シングルのB面でMUSIC STATIONに出演して、しかもMVにAKB48、ドリカム、奥田民生吉井和哉平井堅カエラ星野源.etcまで出演させるって……。ここまでやられると「アミューズ金あるな!!」というレベルではないと思う。にもかかわらず、歌謡ネタ満載で、自分がわかる部分だけでも明らかに郷ひろみ西城秀樹で遊んでいて、おまけにタイトルが「天国オン・ザ・ビーチ」って……。

楽曲的には初期を彷彿させるし、ただのおふざけソングなんだけど、死後の世界とも捉えることができるわけで……。深く考えるとサイケなのにJ-POPど真ん中のポップソングで、おまけにアレンジも軽くて逆に怖いです。

音楽だから思惑を深読みする必要は全然ないけど、なんか鬼気迫るものを感じた2曲でした。シングル、久しぶりに買おうかな。

 

 

ぴっち(@pitti2210