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tacica『LEO』

レビュー

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2人体制となってから初となるシングル『LEO』が発売された。

今回はサポートドラムとして元ART-SCHOOLの鈴木浩之を迎えている。これが非常に違和感なくマッチしている。実は今回の曲は少し心配もあった。トシ君(元メンバー)の「繊細かつ一つ一つの音をしっかり鳴らす」という当たり前の事を不器用ながら鳴らしているのがtacicaの魅力の一つだったので、次に出るであろう新曲ではバンドの音そのものが変わってしまうのでは無いかと思っていた。しかし、そんな心配はただの杞憂だった。鈴木さんかなり良い仕事をされてる。違和感無くマッチしているし、tacicaの持つ無骨さにさらに拍車が掛かっている。

以前に僕はこのブログでtacicaの『HOMELAND 11 blues』を紹介した際tacicaというバンドは「人間とは」というテーマのもと歌っているバンドだと書いていたのだが、少し訂正させて欲しい。tacicaは変わってきている。 正確には『命の更新』以降だ。比喩的な表現の歌詞を使い抽象的ではありながらも「人間」というテーマを通して自分の内面を掘り下げていくのが『jacaranda』までのtacicaの音楽だとすると、『命の更新』以降のtacicaは「生きていくことは素晴らしくて難しい」という当たり前のことを伝える音楽にシフトしていったのではないか。今までよりも他者に向けて歌われる曲が多くなったのも伝える音楽にシフトした結果だと思う。バンドがそのことに自覚的か無意識なのかはわからないけど。

かなり前置きが長くなってしまったが、今回の「LEO」もまた「生きていく事」について歌っている曲である。不安げに映る未来、振り返っては残る過去の後悔。そして僕らが生きるのは代わり映えのしない日常だ。猪狩の声はいつもよりとても優しく歌われているのだけれど、決して明るい歌では無い。けれどtacicaが歌っているのはその単調な日常でさえもきっと大切なモノだということだ。

tacica「LEO」

「LEO」の最後の歌詞はこのように締めらている。とても素晴らしいと歌詞だと思う。

丸い滑走路を
皆 飛べると信じ直走る
止まりそうに揺らいで光ってみる
ほら きっと 大切な夜

なんだか調子に乗って色々想像で書いてしまっているけれど僕が「LEO」を聴いたのは以上のような感想だ。聴いた人の人生を変える一曲では無いにしろ、退屈な日々を送っている僕のような人には響く所が多い曲だと思う。

ちなみに、DL版や通常版には初期の頃のお蔵入り曲(もしかすると廃盤で一度リリースしているかも)「anaphylaxis」という曲がブラッシュアップされてカップリングに収められている。初期の頃からtacicaはメロディーのキャッチーさが群を抜いている事が分かる良曲なのでぜひ。

ちなみにフルサイズのPVがYouTubeにアップされているので張っておきます。お時間あれば。期間限定のようです。

 

 

うめもと(@takkaaaan