Buffalo Daughter「LOVE & FOOD feat. 坂本慎太郎」

熟読しているわけではないので間違っていたら申し訳ないけど、例えばPitchforkのようなインディ/実験音楽寄りの海外音楽メディアを眺めていると、少し前だとボアダムスCornelius、今だと坂本慎太郎Melt-Banana、あるいはきゃりーぱみゅぱみゅが出ていている一方で、WIREDのインタビューで語られている通り、

「昔はボアダムスをよく聴いてたし、シカゴのシーンと日本のバンドが盛んに交流してた時期もあったのに、最近日本の話題って聞かないね。どうしてるの?」

と逆質問されているような事態になっている。*1

そのような状況の中、Buffalo Daughterや、この曲が収録されている4年ぶりにリリースされた『Konjac-tion』にリミックスで参加している砂原良徳はどちらかというと海外の、極度の音楽オタクの間で評価される側のアーティストだ。にもかかわらず、この知名度は低さは一体何なのか。僕が不勉強なせいもある。しかしこれがJapanese Experimental Musicの実情だとすれば、いくらなんでもこの状況は勿体なさすぎる。

例えば先日実質的な解散状態に陥ったブログ(ブログで解散って!)Hi-Hi-Whoopeeに掲載されている音楽は、正直、僕には難しすぎるし鋭すぎた。先進的すぎるとも言えるし、標準化/普遍化といったフォーマットへの対応が遅れていたとも言える(彼らとしてはにはそれさえ無意味に思っているのかもしれない)。でもそういう歩みを繰り返すことで、渋谷系界隈の一端から実験音楽が今より少し広い世界ののほんの片隅で花開くことだってあった。異端なものが00年代のベストアルバムとして陽の目を見たゆらゆら帝国Corneliusのように。

Buffalo Daughterのアルバムを聴いていると、僕のようなポップ雑食人間が聴いてもエキサイティングに感じることができる。鋭さを失わずに普遍化することに成功している。それさえ「ダサいんだよ!」と思うような偏食家はこんなブログなんか覗かなくていいからさ、なんかおもしろい音楽を探している人は一緒に楽しもうよ。

 

 

ぴっち(@pitti2210