10/25 フジファブリック @ Zepp Fukuoka

11/21にファイナルを迎えた、アルバム「LIFE」のレコ発ツアー。僕は福岡公演に参加したのだが、これが本当に素晴らしかった。

今年出た8枚目のアルバム「LIFE」の仕上がりは3人体制のフジファブリックの最高傑作と呼べるもので、このツアーではたっぷりとその収録曲を楽しむことができた。それと同時にこのツアーは彼らのデビュー10周年を記念したものでもあり、今までリリースされたフルアルバム全てからセットリストが組まれていた。

中盤に突如披露されたのはデビュー最初の年の名曲「赤黄色の金木犀」。志村がこの世を去り、3人体制になってからも過去の楽曲は数々演奏されてきたが、この曲はこれまで披露されたことはなかった。

フジファブリック「赤黄色の金木犀」

志村正彦というボーカリスト/ソングライターのカラーが濃く、特有のセンチメンタルを伴うような楽曲は3人体制で歌うことがこれまで避けられていたのだと思う。歌の技術や、ギターの本数の問題ではなく、亡き志村正彦の存在を強く想起させてしまうからだろう。だからこそ「赤黄色の金木犀」の演奏には驚いた。間奏の激しいドラミングから、ラストサビに向けて駆け抜ける焦燥感と感傷に僕は思わず涙した。すすり泣く声も聞こえた。それほどまで、ライブ披露が待ち望まれていた曲だったのだと思う。

その後、志村が「この曲キーが高いからライブで演るの嫌だ」と言っていたエピソードや、バンドの福岡にまつわる思い出など、3人体制になってからは余りされてこなかったような志村の存在を意識させるMCも語られた。いつもとは違うライブになることを確信した瞬間だった。

その予感通り、人気がありながらしばらく演奏されてこなかった「若者のすべて」も披露された。昨年は月9ドラマに挿入歌として起用され、そのタイミングの夏フェスで披露しても違和感はなかったはずだが、「若者のすべて」はこのツアーまで、大切に温められていたのだ。ここでもグッときてしまった。曲自体の持つ切なさもそうだが、この曲が今鳴らされていることに感動した。

フジファブリック「STAR」

アンコールでは「陽炎」も披露された。今まで幾度も演奏され、ライブのハイライトになるような輝きを放つ楽曲だった。しかし、この曲もまた3人体制になってからライブで演奏されることはなかった。静と動を行き来するバンドアンサンブルと、突き抜けるような歌声、数年ぶりのライブ演奏でこの曲は大暴れしているようだった。演奏しているメンバーも楽しそうで、何より「陽炎」そのものがこのライブ披露を一番喜んでいたのではないだろうか。

アンコールを締めくくったのは「STAR」だった。3人体制になったフジファブリックが初めて出したアルバムの表題曲だ。

「ヨーイ」の合図で踏みしめた 飛び出すのならここからだ ハートの鐘が一つ鳴れば さあ進むのさ

「STAR」は彼らの再出発を歌った歌だが、このライブでより一層強い意味を持っていた。志村正彦の存在をフジファブリックの大切な一部としてこれから先もずっと連れて行くことを改めて決意したのかもしれない。それはライブの最後のメンバー紹介で、最後に会場に向かって山内が叫んだ「そして志村正彦!」という言葉に全て表れていた。

ソングライターを亡くすという歴史を持ちながら、フジファブリックは歩みを止めることなく突き進んできた。その節目となる10周年ツアーは、アルバムだけでなくこのバンドが積み重ねてきた「LIFE」すべてを表現するものになっていた。10周年の集大成として、11月28日は初の単独武道館公演が行われる。そこでは、さらに広くキャリアを網羅したようなライブが行われるのではないだろうかと予想している。僕は行けないので、ひとまず映像化を期待したい。

1. Gum
2. シャリー
3. Sugar!!
4. 徒然モノクローム
5. WIRED
6. 地平線を超えて
7. efil
8. 赤黄色の金木犀
9. ブルー
10. 若者のすべて
11. 卒業
12. カタチ
13. 夜明けのBEAT
14. バタアシParty Night
15. Magic
16. 星降る夜になったら
17. LIFE
encore
18. 祭りのまえ
19. 陽炎
20. STAR

 

 

月の人(@ShapeMoon