サザンオールスターズが3月31日に10年ぶりにリリースする15枚目のオリジナルアルバム『葡萄』のオープニングトラック。
最高だ。国民的バンドと呼ばれる立場であるのにわけがわからない。あまり説明する気もない。楽になろうとしていない。サウンド的にも打ち込みを使用しているだけで、ダンスミュージックにはなってないし、ディスコでもない。ストリングスの使い方が狂ってる。1998年にリリースされた『さくら』も2005年の『キラーストリート』のオープニングナンバーも混沌としていたが、今回はその状態のまま、
止まない雨はないさ
明けない夜はないさ
と力強く歌う。誰よりもポップでありながらその重責と格闘し、壊れていった桑田佳祐がそれを乗り越えて王道であることを引き受ける気概が素晴らしい。明らかなメッセージソングであった「ピースとハイライト」「東京VICTORY」と同様に、葛藤したまま前に進もうとしている。
このインドっぽいMVも天国を意味しているのか、それとも現実そのものなのかさえわからない。わからないけど楽しい。悲しいけど楽しい。
ぴっち(@pitti2210)