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Tuxedo『Tuxedo』

レビュー

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ここ2週間くらいよく聴いていた。Mayer HawthorneとJake Oneのユニット、Tuxedoの1stアルバム。2013年に無料公開された『Tuxedo Funk』で知った人も多いはず。

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すごく当たり前のことなのだが、彼らが鳴らしているのはディスコ、R&Bだ。しかし彼らは生の楽器ですべてを演奏しているわけではない。そこがMarvin GayeやEarth, Wind & Fireといった過去の偉人とは違う。タキシードの2人はごく自然な形で打ち込みと生の楽器を用いて、新しく、今っぽい形でR&Bを再構築している。

でもそれらがDaft PunkJustin Timberlake、それからBruno Marsと異なるのは、彼らがとても小さなスケールで音楽を作っているからだ。「そんな当たり前のことを」と言われそうなのだが、その当たり前のことをこのクォリティでやる人はいなかったのである。だからこそタキシードの音楽は優れている。

これ以前にメジャーとは別の場所でR&Bを作るアーティストがいなかったわけではない。ただ、どちらかというとより内省的で、PBR&BとかオルタナティブR&Bと呼ばれる音楽になっていた。それらの中に優れた作品はもちろんあったけど、正直に言うと、もっとわかりやすく楽しみたかった。僕には難しかった。

タキシードが歌うことは個人的なことだ。大きなテーマとか派手な物語ではなく、誰もが経験する愛とかその喪失を、ごく当たり前のように歌っている。だけどタキシードに身を通すことで、少し自信を持ってかっこよく歌っている。作り手の思いが過剰に投影されずに、僕らはさらっと聴けて気持ちよく踊れるのだ。

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作風はまったく違うんだけど、ベッドルームをディスコにしてしまうという点でtofubeatsの「ディスコの神様」に近いと思った。それ以外にもずいぶん共通点がある。人はスーツを着ると人の前に立てるのである。

 

 

ぴっち(@pitti2210