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アニソン好きと元アイドルオタがアニソンについて話したようです part2 <アニソンと小室哲哉>

特集

音楽だいすきクラブで行われる対談モノの多くは、skypeを繋いでメッセージ欄に文字を打ち込んで行なわれている、非常にローカルなやり口だが、これが手っ取り早いのだ。それが故であろうか、仲良いもの同士、skypeを繋いで話したり会話することもある。

アニソンが好きすぎてアニソンシンガーにインタビューまでしてしまった草野、バンドとアイドルを長年追いかけ続けてきたかめは、好きなものが被ることもあってかいくつか会話をしたことのある間柄だ。

この記事も、とある事情でアニソン関係の記事を書いていた草野が、休憩がてらにかめ君へ後先考えずに絡みに、もとい、何気ない会話から発展した内容が基になっている。そしてかめくんは「どうしてアニソンはこういう感じの音になったのか?」と草野に聞く。そして草野はゆっくりとアニソンの変容について話し始めた。

小室哲哉がアニソンを変化させたんだ!」

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前回はこちら

かめ 前回の続き、小室哲哉からアニソンは進化し始めたっていうのはどういうことなの?

草野  実は小室哲哉が直接書いたアニソンはそれほど多くないけど(笑)。でもとりあえずスタート地点を決めてみよう。かめくんTM NETWORKで一番ヒットした曲といえば?

かめ  (自信満々で)わかりません!

草野  いやいや。TM NETWORKで一番有名な曲だよ?

かめ  「Self Control」か「Get Wild」?

草野  そうそう。小室哲哉がこの世に送り出した最初のヒットナンバーであろう「Get Wild」は、「シティハンター」のエンディング*1だったじゃないですか!それでこれが重要なんだけど、1987年に10歳でシティハンターを見ていた人は、1995年にglobeを聴く頃には18歳なんですよ。

シティーハンター北条司が1985年から1991年にかけて少年ジャンプで連載した大人気マンガ。美女からの以来しか受け付けない始末屋・冴羽獠と相棒・槇村香の物語。4度アニメ化され、中国では『城市獵人』のタイトルでジャッキー・チェン主演で映画化された。

かめ  おお。確かに。

草野  ドンピシャもいいとこなんだよね。その人たちが2000年頃に20代になり、深夜アニメを観るようなオタクになったとしても自然とこういうサウンドが好むだろうし、作り手となったとしても小室サウンドを意識していたはずなんだよ。

かめ  シンセというか電子音かな?作り手も影響を受けてるのね。

草野  そうそう。で、いきなり結論から言うけど、小室哲哉的なシンセサイザーを多用したテクノポップやトランシーな雰囲気、つまりは海外のハウスミュージックを吸収したサウンドを、80年代後半から90年代後半にかけて小室さんがヒットソングに忍ばせてブチかましたことで、TM NETWORK~globe/小室ファミリー~エイベックス的ユーロビート頭文字D音ゲーorアニソンへと連なる、そんな蜜月があったと思うんだ。

草野の仮説

  1. TM NETWORK
  2. globe/小室ファミリー
  3. エイベックス的ユーロビート(『頭文字D』等)
  4. 音ゲー/アニソン

という流れ

かめ  当時の流行がそのままアニメにも入ると。

草野 そう。試しにいくつか曲を挙げるね。小室ファミリーといえばこういう曲。

 

草野 ハウス、トランス、ドラムンベース、ジャングル的なトラックが中心になってる。ちなみに当時の大ヒットアニソンっていえばこういうの。 

スレイヤーズ:1989年から2000年にかけて刊行された神坂一による日本のライトノベル。イラストはあらいずみるい。1995年から2009年にかけてアニメシリーズが5本、劇場版が5作、その他にOVA等も作られた大人気作品。キャッチコピーは「見てくんないと暴れちゃうぞ!」。

新機動戦記ガンダムW:1995年に作られたガンダムシリーズ。主要キャラクター全員が美少年に設定され。女性を対象としたメディア展開が行われた。オープニングは高山みなみ永野椎菜TWO-MIXが担当。

新世紀エヴァンゲリオン: 庵野秀明監督、GAINAXの原作によるSFアニメ作品。パチンコになった際、「残酷な天使のテーゼ」の作詞家の及川眠子の年収が億を超えたという話が2015年のネットやテレビを賑わせた。

草野 もちろんより多くの楽曲があったなかでも、トップクラスに売れて&認知度がある3曲を選んで、まるで「すべてが小室哲哉の影響を受けてる!」と断言するつもりはないけど、TM NETWORK的なサウンドをより推し進めたものには聞こえるよね。

かめ それはわかるかも。

草野 直接の影響はなくとも、どこか小室サウンドの幻影を追いかけてるんだ。しかも小室ファミリーが所属していたエイベックスから、アニソンへの回答が示されることになるんだよね、m.o.v.eの「頭文字D」の楽曲はまさにそれだと思う。

m.o.v.e.: 1997年にエイベックスからデビューした2人組のダンスミュージックユニット。Favorite Blue木村貴志がプロデューサーを務めた。

 

 

頭文字D:1995年から2013年にかけて連載されたしげの秀一のマンガ作品。とうふ店の配送を手伝う主人公、藤原拓海が日々AE86型スプリンタートレノを走らせるうちに、非凡なドライビングテクニックを身に着けていく。1998年にアニメ化され、2014年にFinal Stageが放送された。

草野 これが97年に『頭文字D』の1stシリーズのオープニングテーマに『around the world』選ばれて、「頭文字D」とm.o.v.eは切っても切れないような関係を築くことになる。車のBGMといえばユーロビートやトランスっていうイメージがどこか強くあったりするけど、それはこうした潮流があるからだと思う。そしてm.o.v.eのmotsuさんは後にfripsideのメンバーと黒崎真音さんとALTIMAというグループを組んだり、アニサマにゲスト出演したりするほどになるわけだ。

かめ なるほどねー。

草野 驚きなのは、2000年には「名探偵コナン」ではパラパラを踊るED楽曲「恋はスリル、ショック、サスペンス」があったり、V6が1996年ごろの「ウルトラマンティガ」でユーロビートのトラックメイカーから楽曲提供を受けてシングルヒットを飛ばしたこと。トランス~ユーロビートへと流れ着いた一連の変容がここにはあるんだけども、小室哲哉とアニソンっていう二者関係に留まらず、より広範なリスナー層にも届く話にもなるんだよ。

名探偵コナン青山剛昌のマンガ作品。1996年にアニメ化され現在も中。2016年に20本目の劇場版が公開される。1997年7月以降はビーイング所属のアーティストが主題歌を担当しているが、近年の映画では系列外のアーティストの楽曲も使われている。

愛内里菜「恋はスリル、ショック、サスペンス」:愛内里菜「恋はスリル、ショック、サスペンス」:愛内里菜の4枚目のシングル。ビーイング傘下のGIZA studioからリリースされた。江戸川コナンがこの曲に合わせてオープニングでパラパラを踊ったことが話題に。

ウルトラマンティガ:1996年に放送された『ウルトラマン』放映から30年となるTVシリーズ。本作でのウルトラマンは、滅び去った古代文明とその住人の守護者という設定。

(続きます)

 

 

草野(@kkkkssssnnnn)×かめ(@kame16g

*1:訂正しました