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2015年僕たちは何を聴いていたか 曲単位篇 part1

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関西と関東に住むアラサー2人がskype上で語り合う対談企画。今回は『2015年僕たちは何を聴いていたか 曲単位篇』と題しまして、2015年にこの2人は何を聴いていたかとを話し合いました。2016年に入りボウイが亡くなり、イエモンの復活して。テレビを見ればゲス極とSMAPがワイドショーに取り上げられ、そうかと思えば、小沢健二のツアーに宇多田ヒカルの新曲。1月だけでほぼ1年分の音楽界のニュースが出尽くしたのではないかという今日この頃ですが、ちょっとここで2015年を振り返ってみるのはどうでしょう?あなたの知らない名曲に出会えるかも。(ゴリさん)

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ゴリ 今日は「2015年僕たちは何を聴いていたか」というテーマで。

草野 あらためて「今年何聴いた?」というテーマで考えてみると話しづらい。

ゴリ ふむ。

草野 でも気づいたのは、「アルバムが良い」より「この曲の感じが好き!」をきっかけとして聴いた実感があって、それを考えてみました。ゴリさんはどう?

ゴリ 僕も同じです。ただ、今回は話題作を外してます。

草野 だからこの対談読んで「2015年って何流行った?」みたいな確認とは異なるものになっています。僕ら2人のリスニング履歴を追いかける流れです。

ゴリ ですね。Kendirick LamerとかDisclosureとかROTH BART BARONとかはあえて外しました。多分、このサイトに来る人は全部聴いていると思うからね。*1

草野 「これが流行していた!」そういうのもありつつ、「オレはこれ!」みたいなところよね。ぼくもそういう感じの選曲かな、僕は10曲選びました

ゴリ 被らないことを祈っています(笑)

 

1曲目 CHVRCHES、Laura Marling

草野 じゃあ、ゴリさんから。

ゴリ 一つ目はこれ。

草野 意外と有名どころが来て安心した(笑)

ゴリ Belle and SebastianFranz FerdinandPrimal Screamなどを輩出したグラスゴーの注目の若手バンドです。

草野 2014年に来日公演があって、2016年にも来日が決まったそうです。ローレン・メイベリーがかわいい!

ゴリ すごくわかる。僕は実はこのバンド今年はじめて知ったんですよ。

草野 僕はデビューした2013年ですね。

ゴリ 草野さんはわかってると思うけど、僕は暇さえあったらKylie Minogueだったり、Whitney HoustonだったりSwing Out Sisterとか聴いてるんですよ。

草野 上の世代の人には大御所として名が通るのだけども、それより下からすると「そこ聴くかぁー」みたいに言われがち。でもすごく良い曲良い歌声な方々だよね。

ゴリ このバンドってニューウェーブ的な要素に、僕が好きな80sポップス感があってすごくいいなって思うんですよ。

草野 わかる。線が細いけども、歌声がスウィート。

ゴリ そう。

草野 キュートな歌声でカワイイボーカルで一発目なら。

ゴリ かわいいのにサウンドがヘビー。ビートが重い。

草野 すごくロックロックしてる曲を出しちゃったけど、本当は物凄くフォーキーなアルバムの内の1曲なんだよね

ゴリ 他の作品今聴いてるけど確かにフォーキーだわ。

草野 ここまで聴いてすごく渋いなーとか思う人いると思うんだけど、今年で25歳で5枚目のアルバムなんだよね

ゴリ 25歳で5枚目!

草野 Noah and the Whaleっていうカーディフのカントリーバンドがあってね、Mumford and Sons らと比肩されることもあるバンドなんだけど、そこのオリジナルメンバーなの。バンド活動自体が2006年とかにスタートしてるから、そこから数えたらもう10年選手っすよ。

ゴリ ベテラン。

草野 そんな彼女が今年だした年齢にそぐわぬ円熟の作品から1曲選びました。

 

2曲目 Hop AlongとMETZ

ゴリ じゃあこちらもフォーキーってワードが出たんでフリーク・フォークをやってるバンドの作品を。

草野 すごくインディだこれ!そこまでフリーク・フォークっぽいヘンテコさは感じないけどいい。

ゴリ Hop Alongって元々、フリーク・フォーク中心にやってるバンドだけど、それがSonic YouthDinosaur Jr.の作品を手がけたジョン・アグネロが手掛けるとこんなにもオルタナでいぶし銀すら感じる作品になりました!みたいな。この夏のヘビーローテーションでした。

草野 これBig Nothingから発売されたのか!

ゴリ まあ、いまApple Musicとかでも聴けるので気になった方はぜひ。

草野 こうなるとBeach HouseとかDeerhunterを選ぶ流れでしょうけど、僕はやっぱり爆音も好きなのです。

ゴリ これ、名前は聴いてたけど今はじめて。かっけぇ!

草野 ポストハードコア、ちょっとポストパンクっぽい、そして爆音、クソかっこいい!この「メロディ?アンサンブル?緻密?うるせぇしったことがゴラァー!」な感じ本当に良い。

ゴリ うん。よくわかる。

草野 Cloud Nothings、Wavves、Fidlarももちろん好きで、「ちょっと80'sハードコア→ポストハードコアを聴いてみよう」というマイブームが来ていて、もしかしたらその熱の着火点が彼らかなって。

ゴリ なるほどね。

 

3曲目 Girl Bandとgoat

ゴリ となると3曲目はこれを出そうかな(閲覧注意)

草野 俺大好き!

ゴリ 絶対そうだと思った(笑)

草野 あ、これ、心臓の悪い人は見ないほうがいいから。

ゴリ そうそう、悪趣味極まりないから。

草野 人体解剖、しかも内臓的なものを取り出すので。

ゴリ 今年アルバムも出たけど、俺はこっちのほうが好き。というかこの曲が好き。

草野 俺、こっちのほうが好きだなぁ。

Girl Band - Paul

ゴリ この手の音楽ではじめて「あ、普通にダンスできるわ。」って。パンク、ミ二マルミュージック、インダストリアルロック、すべて飲み込んで出てきたらこの音楽は最高にエモーショナルで踊れる。

草野 ピンとこないとただの騒音やノイズなんだけど、違うんだ。ちゃんと波立ってグルーヴするんだよね。あまり気づかれないけど、4つ打ちロックなのも大きくて、ノイズミュージックでハウスミュージックをやろうとしてる感じがする。

ゴリ パンクだけど凄く繊細だよね。僕は「歪なポップソング」って勝手に言ってるんだけどね。

草野 うっし、じゃあ日本に戻ろう!

草野 ようこそ、深淵なるインスト人力ミニマルサウンドの波の中に。

ゴリ これも話題になったよね。このエキゾチカっていうか、各国の音楽が混ざってちゃんと無国籍グルーヴを響かせているのすごく好き。

草野 これ本当に緻密だし、グルーヴの中に色々なペルソナが顔をこちらに見せてくれるんだけど、すごい驚いたことがあるのよ。これには楽譜があって、それに沿って演奏しているということ、そしてこれまでのライブで「100点満点、完璧に演奏できたことがない」って。

ゴリ 楽譜があるの?即興的ですらあるのに。

草野 それを「満足に演奏できたことがない、ミスばかりやってしまう」って答えてるんだよ。このグルーヴを生み出してミスってるとか言われたらもうね。もうそれだけで頭クラクラしちゃうんだけども。

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日野 goatには完全にスコアがあって、『Rhythm & Sound』にいたっては一音も間違えられる余地がない。誰かがミスをしたら全員がわかるからだいたい落ち込みますよ。ライヴの平均点は60点くらいで最高点は75点くらいじゃないかな。(P138より)

ゴリ なんか、映画「セッション」みたいな話。

草野 でも考えてみたら当然で、人力でミニマルミュージック、機械音楽を模倣するように人間がやるんだから、ミスしたら魅力が損なわれるわけ。だから日野さんは「当然でしょ?」っていう面持で発言をしているんだけども、「ミスありきがバンド!」という考え方が蔓延してる今の音楽文化だと、理解できない境地だと思う。goatは別格。以上。

 

4、5曲目 毛玉、Jimanica、箱庭の室内楽、馬喰町バンド

ゴリ さてと、日本に戻ってきたから、こちらも。2014年の作品にはなるけど出たのが遅かったんでこの中に入れてみました。

草野 佐々木敦さんが主宰しているHeadzから、こういう歌モノが出ることが本当に意外。

ゴリ 黒澤勇人さんって実験音楽や即興音楽を中心に活動していた方がやってるバンドで凄くいい歌でありながら環境音と融合させたり所々面白い部分が見え隠れしてね、好きですね。

草野 なるほど。

ゴリ あと良かったら続けていい?

草野 どうぞ!

ゴリ 同じくHeadzから出た作品でこれも最近のお気に入り。

草野 どんなユニットなんですか?

ゴリ Jimanicaってドラム奏者なんよね。World's End GirlfriendやDE DE MOUSEのサポートドラマーとしても活躍してたり。で、今回の作品ではやくしまるえつこや蓮沼執太、木下美紗都なども歌で参加してたりする。

草野 DE DE MOUSEのサポートドラムの人か。ライブで見たことあるかも。

ゴリ エレクトロなダンスミュージックであるけど所々でAOR的なとてもメロウなサウンドがグッときて、思わず引き込まれるんだよね。

草野 じゃあ僕も2曲選ぶね。

ゴリ いいよね。

草野 あとこれ。

ゴリ はじめて聴く名前だけど沖縄っぽい。

草野 たしか関東近辺だったはず。民謡とかアフロビートとかを加えつつ、世界各地のフォークロア(伝承音楽)を吸収し活動する3人組バンド。

ゴリ そのフォークロアの感じがそう思わせたのかな。おもしろい。

草野 両方とも、期待していたものの上に行くような作品だったので、ほんと最高です!

(続きます)

 

 

草野(@kkkkssssnnnn)×ゴリ(@toyoki123

*1:編集注 そうでもないと思うよ(ぴっち)