ネットの音楽オタクが選んだ2019年のベストアルバム 150→101

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2019年のベストアルバム、初日です。楽しんでいただけたら!3日間よろしくお願いします。はりきっていきましょう!(ぴっち)

 

このランキングについて
  • ネットの音楽オタクが選んだベストアルバムは音楽だいすきクラブ、及びそのメンバー等の特定の誰かが選んで作ったものではありません。
  • Twitterハッシュタグ、募集記事のコメント欄に寄せられたものを集計しています。
  • 504人分のデータを集計しました。
  • 募集期間は2019年12月1日から31日の間ですです。
  • 同点の場合、乱数を発生させて順位づけしています。
  • そのため順位に深い意味はありません。気にしすぎないでください。
  • 150位以内はすべて5人以上に挙げられたものです。
  • レビューは有志によるものです。500字以内ディス無しでやっています。
  • レビューは随時追加しています。興味がある方は@pitti2210にリプかDMください!

 

150. 舐達麻『GODBREATH BUDDHACESS』

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「2019年一番リアルなラッパーは誰だ?」と問われれば彼らの名前を挙げるヘッズは少なくないのではないだろうか。過去の悪さを自慢するように今を語るラッパーが多い中、舐達麻が綴るリリックはストリートでしのぎを削る続けたからこそ描ける淡々とした現実であり、それゆえに時折聴く者の背筋に寒気を感じさせるほどの凄みを孕んでいる。

一方でトラックはNujabesやCharlene Sorariaをサンプリングするなど、一言で表すなら”お洒落”と評されるようなメロウやジャジーなものが目立つ(「SPACE BALL」ではStella Donnellyをサンプリング)。このひたすらにリアルなリリックとお洒落なトラックという一見すると交わらないような2つが混ざり合うことで極上な音楽が生み出されているのだ。

振り返ると2019年はエンタメ業界のドラッグ話題が耳目を集めた1年だった。浮遊感ある心地よいトラックに乗せて《たかだか大麻 ガタガタ抜かすな》とラップした「LifeStash」は過剰なメディア報道に対して突きつけたナイフになり得たのだろうか。

Ai(@Ai_Tkgk

 

149. sora tob sakana『World Fragment Tour』

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照井順政(ハイスイノナサ)がプロデュースを手掛けるアイドルのメジャー1stアルバム。マスロック、ポストロック的な音像を煌びやかなポップスへと翻案する作風を洗練させ、より開けた地平に飛び立っていく爽快さがある。中川大二朗(JYOCHO)、君島大空といった客演陣からの提供曲もぴったりとハマり、音楽的な地図の広がりは限りない。

タイトル通り、セカイのカケラを繋ぎ合わせるように多様なジャンルを横断する楽曲ばかり。ビビッドで視覚的な歌詞が合わさることで、絶景を次々と体感していくようなエキサイティングな聴き心地がある。複雑な楽曲×幼気な声という基本構造を踏襲しつつ、成長過程のメンバーたちの自然体も見事に活写。この刹那だからこそ、な一枚。

月の人(@ShapeMoon

 

148. Beirut『Gallipoli』

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147. BASI『切愛』

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146. The Birthday『Vivian Killers』

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毎回毎回、どストレートだなあとか、歳を重ねれば重ねるほど渋くて貫禄が増すなとか、今作は原点回帰なのかな?いや、まあいつも通りか〜と同じような印象は抱けど、どう転んでも大正解な国宝級のロックンロールバンド。武骨にソリッドで強靭な今までのアルバムよりも、全体的に、若干柔らかく温もりを増して響くように聴こえる気がする。《絶望に 絶望している ヒマなんて 俺にはねえよ》というフレーズがカッコ良すぎるし、めっちゃ似合う「青空」が象徴する、無敵のチバユウスケ節がハナからケツまで全速力で駆け抜ける。老舗のイチオシ絶品フルコースが堪能できる快作です。

ラニワにて、わど。(@wadledy

 

裏切らない歳の重ね方。大人の色気。変わらないスタイル。そう、それがチバユウスケ率いるThe Birthday。音楽の多様性が広がる中、ここまでシンプルにロックンロールを続けている美徳。本アルバムの「青空」を聴いて欲しい。今でも何にも変わらないチバユウスケが安心させてくれるから。

Y(@y_3588

 

145. ORIGINAL LOVE『bless you!』

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144. the HIATUS『Our Secret Spot』

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143. 踊Foot Works『GOKOH』

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2014年の野崎りこん「ほろろ feat.髙本りな,アーバン或るPecori」という曲などでのPecoriのverseに惚れて以来、主にその頃とは別の雰囲気で歌うPecoriにハマりきれずにいましたが、この作品で完全に虜になりました。かつてのSOUL'd OUTのようなハイブリッドなミクスチャーサウンドを、器用に歌い乗りこなすPecoriの格好良さたるや。終始、得体の知れないようで原始的な高揚感に支配され、本能のまま揺れていられます。

ラニワにて、わど。(@wadledy

 

ギターやベース担当がいるヒップホップグループ?ラップをかますミクスチャーロックバンド?あるいはceroに代表される"あまりに心地よいアーバンなポップ"?にしてはめっちゃ爆音のギター、「ペニーワイズ」「バーバリアン2号」「後光さしたアンヌ隊員」などほんとに奇妙な固有名詞のチョイスと多さ、これこそカテゴリ不能のドープな音楽ですよね。ただ、演奏をする前提で曲を作っているなら、ここまでトラップのビートを曲に取り入れて、将来的にバンドとして演奏していこうとしているのであればシーンの先駆け的存在になりそうだなー、とリリース当初は思いました。後に髭男がすごいことになりましたが。

はちくん(@Hat_chyu

 

142. teto『超現実至上主義宣言』

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141. BiSH『CARROTS and STiCKS』

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「飴と鞭」を意味する題に沿い、ポップで求心力のあるアンセム然とした楽曲と、破壊的かつアバンギャルドに攻めたてるナンバー、その二面をくっきり区別したメジャー3rdアルバム。これまでは混ざり合っていた作風を両方向に振り切ることで、極端なその存在感を作品ごと示してみせた。

アナーキーさを持ち味とする彼女たちが、カウンターを打ち続けながら着実に支持層を広げた2019年。いつしか夢を与える側に立った彼女たちだから歌える、不安と自信が綯い交ぜになった言葉が目立つ。「MORE THAN LiKE」における《誰より僕の言葉を 何より君の答えを 確かめたい 揺らし続けたい》という一節に滲むステージ上とフロアの美しい関係性がいつまでも続けばいいな、と思う。

月の人(@ShapeMoon

 

140. ドレスコーズ『ジャズ』

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139. KREVA『AFTERMIXTAPE』

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昨年 「存在感」 で《決定打が出ていない気がした》と打ち明けたKREVA。近年の彼はフレッシュでい続ける方法を模索しているようでした。猫も杓子もノーコンセプトなリリースを繰り返す中、彼は最後の最後までコンセプチュアルであること、J-POPであることにこだわっていたように感じます。もはや"ミックステープ"という言葉も過去のものになりつつある2019年にリリースされた本作は、これまでより格段に自由。うねるシンセベースと倍のリズムで不満をぶちまける「アイソレーター」のスタイルはSkeptaの「Shutdown」のようですし、民族楽器らしい音が使われているのもトラップ以降な感じです。現行ラップシーンやグライムの匂いが随所に立ち現れており、グローバルな視点から見てとても今っぽい。肩の力を抜いた結果として新境地に到達し最大火力も見せつけた、表現者として理想的な一枚でしょう。個人的には最高傑作だと思います。

まっつ(@HugAllMyF0128

 

普通はアルバムのコンセプトやテーマを決めてから曲の制作に入るじゃないですか。ヒップホップなのだから"ミックステープ"という言葉の方にフィーチャーしがちですが、ポイントは「"アフターミックス"=焙煎豆にしてからブレンドする方法。各銘柄それぞれにあった焙煎方法が使用できる」という、こっちかもしれません。1曲ごとの強度やバリエーションがすごく強い一方、全体トータルでみたら12曲で33分、3分超えの曲が5曲しかないという非常にタイトにまとまってます。

これまでのKREVAの音源と一線を画する部分が一個ありまして、それは重低音です。曰く「最近やっとベースのカッコよさに気がついた!」*1とのことです。その結果、生まれたのは「敵がいない国」でのフレーズです。 

はちくん(@Hat_chyu

 

138. DYGL『Songs of Innocence & Experience』

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あれ?今って2020年よね?2000年代初頭にこんなアルバム出てたよな?って勘違いするくらいにはあの時代感が凄いですね!わたくし、2000年代初頭は毎週週末にクラブで働いていたのですがあの時にかかっていたグッドミュージック、輝くフロアの景色、タバコの匂い、思い思いに踊り踊る人達を目を閉じて思い出していて、ああいい時代だったよなあ、いい思い出のスイッチになったねぇ、なんて感情と共に日本人アーティストでこんなサウンドを作れてる、と言う衝撃にビビらされてます。こう言う音楽が作れてるUK勢(って日本のアーティストだけども)、まだまだ廃れるにゃ早いぞ!

もさもさ(@megane_ry_rsr

 

137. Bibio『Ribbons』

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なんて優しくて美しい曲なのか……「Curls」。Bibioの包み込まれるような音色を欲する時がある。それは何気ない日常に溶け込ませるだけでQOLが上がるので試して欲しいです。

Y(@y_3588

 

136. MOROHA『MOROHA Ⅳ』

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135. Angel Olsen『All Mirrors』

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134. Temples『Hot Motion』

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133. Steve Lacy『Apollo XXI』

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132. Jamila Woods『Legacy! Legacy!』

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131. FIVE NEW OLD『Emulsification』

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少しでも隙を見せて崩れれば海外の懐メロの粗野なパロディとなる、様式美に沿ったロック・ポップスを緻密に展開して意欲的な要素を散りばめ、確固たるオリジナリティを死守しようとする野心を感じます。軽薄なツッコミを入れた者には返り討ちにできるほどの、端正な美しきアルバム。5、6曲目の「In/Out」「Last Goodbye」の笑ってしまうほど露骨にTHE 1975サウンドな流れも、相対的に見ることで単なるフォロワーを目指してるわけではないことを示唆しているようです。音楽に代用品は無いわけで、リスペクトとしても理想的な気がします。凝りに凝った職人的なクオリティで、好き勝手にやりたいことをやりたい放題に取り込みアウトプットする様は痛快です。

ラニワにて、わど。(@wadledy

 

130. Maison book girl『海と宇宙の子供たち』

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傷の為の音楽だな、と思う。なぜあの時、手を差し伸べることができなかったのか。どうして涙の理由を尋ねられなかったのか。後悔の渦に不意に引きずり込まれそうになる時、明るく振る舞うことなく、静かにその痛みと同居できる音楽である。

「ノーワンダーランド」という曲が特に好きだ。「助けて欲しかった」という悲痛な叫び、雨と雪の夜は寂しげだが、《君の声が近くで聴こえて涙を流す》《指先に触れたと》いう描写には救われる。楽曲世界の住人のような曖昧な存在だったブクガのメンバーたちが本作で凛々しい実存性を手にしたことも、この歌に込められた祈りを強靭にする。夜から朝へ移ろう瞬間、虚無に思えた世界のことをまた信じたくなるのだ。

月の人(@ShapeMoon

 

凄まじく徹底された世界観が拡張されて、どんどんわかりやすくエモーショナルな曲が増えてきている気がする。仄暗く切ないダークな要素に、朗らかな日差しが注がれている。パワフルでダイナミック。ノスタルジーの含有量は、寧ろ相乗効果で致死量に跳ね上がりつつあるのでは。

ラニワにて、わど。(@wadledy

 

129. The Who『Who』

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128. Khruangbin『Hasta El Cielo』

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127. TENDRE『IN SIGHT』

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126. スカート『トワイライト』

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黄昏という物思いに耽るための時間帯。冬から春に向かう寂しげな季節。それぞれが異なる風景を描いた楽曲なのに、静かに共振し合って、複層的な感傷を積み上げていく。開け放たれた印象だった前作『20/20』を落ち着かせていくように、さりげなく心の内側に潜り込んで様々な感情を立ち上げてくれるメジャー2ndアルバム。

そう例えば君がここにいることも、ここにいないことも、同じくらい切なく思う気持ち。例えばあの時僕に見せた表情や、振り向いた時に薫った髪の匂い。そんなありふれた一場面が今でもふと胸を震わせてくるのだから、この作品も知らぬ間に記憶の中に根を張り、いつか体感したかのような格別のセンチメントをくれるはず。

月の人(@ShapeMoon

 

なぞなぞ…を出します。移り変わりゆく時代の中で、たしかに変わりながらも変わらない確かなものってな〜んだ?

A.スカートの音楽

ラニワにて、わど。(@wadledy

 

125. sumika『Chime』

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「Monday」の言葉を借りるとすれば、《境界線を跨ぎきって》いる。これまでの彼らには、どちらかというと境界線に一歩を踏み出すまさにその瞬間、をうたうことが多い印象だった。それがどうだ、オープニングの3曲をはじめ、それはそれは猛ダッシュ。マーチ、ペダル、足音、いざ進めよ、ステップ、明らかに「動」の連なり。ジャケットの絵も、一筆目を描ききっている。もう心は決まっている。この「時は来た」感が、眩しくて眩しくて、直視できないアルバム。誰かの光になりたいと思っていること、そういう想いを惜しみなく表出していくことの、覚悟を決めた一枚なのではないか。

聴いているわたしはといえば、そのきらめきに、どうしても置いていかれる気がしていた。願うなら「10時の方角」で終わるライブが見たい。はじまりはじまり、わたしの人生の、あなたの人生の、と背中を押して送り出してほしい。そんなわがままを抱えている。

はやしこ(@rinco_hys

 

124. ヨルシカ『だから僕は音楽を辞めた』

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「これまで」が「これから」を決めるのでなない。「これから」が「これまで」 を決めるのだ。という言葉がどこかのお寺の門前に掲示されていたという。この文言で重要なのは「自分の」や「あなたの」といった所有格の限定が無いことだ。つまり、誰かの「これまで」は他人の「これから」によって新しい角度から照らされ得ると解釈できる。

アルバム『だから僕は音楽を辞めた』を含むヨルシカ作品を聴いているうちに悟ったのだけど、自分の居場所では報われないからといって何かを辞めたりどこかへ逃げたりしたところで、いずれ別の原因による負の感情が自分を苛むようになるだけで、心に残るやるせなさからは決して逃れられないのだと思う。

それでも、たとえ人生の末路が結局は袋小路でしかなくても、誰かに「これから」を託すことでいつか自分の「これまで」 が報われるようになるかもしれない。そんな悲痛な願いが込められた手紙が届くようにして、物語は次作「エルマ」へ繋がっていく。

カラカル@Apteryx_Iwk

 

123. Ride『This Is Not A Safe Place』

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122. Answer to Remember『Answer to Remember』

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121. UVERworld『UNSER』

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《未だに俺も生きるべきか死ぬべきか考える》《拝む神なんて居ないや 星もないや》《生きてる意味なんてあるわけないじゃん》これは、今まさに苛められている中学生の呻きでもなければ匿名の裏垢に投げ捨てられたものでもなく、何者にもなれないことを嘆く私の言葉でもない。間もなく結成20周年、メジャーデビュー15周年。ドーム公演を複数回できるほどの動員を誇るバンドのフロントマンが、通算10枚目のフルアルバムで綴った歌詞なんだ。誰にも理解できない孤独や絶望を経てもなおTAKUYA∞は《少し報われた昨日に戻りたいなんて思わなくていい》《巻き戻せずともやり直しはできる》《迷わないことが 恐れないことが 間違わないことが 強さでは無い》と、みんなに伝わる言葉で聴き手を鼓舞し続ける。UVERworldはただ熱いだけのバンドなんかじゃないし、本作はスルーされていい作品じゃない。彼らは、心で泣きながら生きる私たちに「お前らと同じだ」と言い続けたバンドで、『UNSER』は今の私たちそのものの結晶みたいなアルバムなんだから。

まっつ(@HugAllMyF0128

 

120. ジェニーハイ『ジェニーハイストーリー』

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つくづく川谷絵音とはプロデュース力に長けた男だ。ボーカル中嶋イッキュウにポップなメロディを歌わせるのもtricotとの差異を感じられて面白いし、くっきー!(野性爆弾)をベーシストにとどまらせず、そのずっしりとした声質を見抜いてボーカルに活かすセンスもある。新垣隆は未知な部分も多いようだが、「まるで幸せ」の直球さは彼の奏でる気品漂う鍵盤ありきな楽曲だろう。小藪一豊の叩くやや硬めなドラムもまた従来の川谷ワークスにはない泥臭い魅力にも繋がっている。イロモノ、ケレン味、そんなパッと見の印象を跳ねのけるに相応しい、痛快なポップソングコンピレーション。

月の人(@ShapeMoon

 

119. Men I Trust『Oncle Jazz』

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優雅な時間に囚われるで賞、めでたく受賞!!!

ラニワにて、わど。(@wadledy

 

118. Spangle call Lilli Line『dreams never end』

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117. Nick Cave & The Bad Seeds『Ghosteen』

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オーストラリア出身のシンガーソングライター、Nick Caveのバンド、Nick Cave & The Bad Seedsが2016年に発表した『Skeleton Tree』に続く17枚目のアルバム。前作のレコーディング中、Nick Caveは長男を事故で失ったことにより、前作は息子の死についての作品だと受け止められたが、大半の歌は彼の死の前に書かれていたので、実質的に今作が彼の死以降に作られたことになる。加えて2018年にメンバーだったConway Savageが病死している。

このアルバムを聴いているとどうしても喪失について考えてしまう。遅かれ早かれ人は老いて死ぬし、老いなくても死ぬ。誰かと生きていようと人はいつかひとりになる。そのような時に彼にとって向き合わなければならない対象は神だったのだろう。シンセサイザーとピアノから生み出される旋律と、囁きかけてくるボーカリストは恐ろしいまでに静かで美しい。この荘厳な音楽の下で僕らは神と出会うのだ。

ぴっち(@pitti2210

 

116. ナードマグネット『透明になったあなたへ』

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「それまでの “情けない恋愛ソング” みたいな流れは『MISS YOU』までで、いっぱい作った」と須田亮太(Vo&Gt.)がインタビューで語る通り*2、それまでの歌詞にあった恋愛要素や私小説的な視点は後退し、スクールカーストに代表される生き地獄を多彩な登場人物の目から描写した作りに。Black KidsのカヴァーにNirvanaを差し込んだM6からもわかる通り、曲調も一口にパワーポップとは呼べないものになっています。

生きていれば誰しも経験する苦い思いが様々な視点から描かれる本作。その一つ一つはありふれている筈なのに、聴き終えた後にはどうしようもなく切ない余韻が残ります。それはきっと、小沢健二と『13の理由』を接続したラストトラックの終わりで主人公もまた死んでしまったように感じるから。突如途絶えるギターノイズの向こう、「大人になるくらいならいっそ……」と言わんばかりの投げやりさを聴き手に与える本作は「それでも生きていかなきゃいけないんだよ」と自らを奮い立たせていた前作のメッセージと綺麗に対を成しているなあと思いました。

まっつ(@HugAllMyF0128

 

115. chelmico『Fishing』

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chelmicoの良さって当然楽曲の良さもあるけど、それよりもRachelがtwitterでゲームのことを書いたり旅行の写真を上げたり、Mamikoがそれに返事したりさらにRachelが返したり、みたいな関係性が何よりもおもしろい。もちろんそれはどこからが虚像でどこまでが実像、みたいな問題もあるにはあるけど、でもこの2人についてはかなり素のままでは?少なくても見ている僕はそう信じている。

この関係性がESME MORI、三毛猫ホームレス、Ryo Takahashi、%C、小袋成彬といった友達/仲間に広がることで今作になったのだろう。楽曲はそれぞれ興味深いが、でもchelmicoの良さはそこじゃないというか、誤解を恐れずに言えばラップや歌のスキルが他と比べて突出して高いわけではなく、むしろ多少強引でもすべてをchelmicoにしてしまうそのスピード感と"やったる"感が他に替え難く、だから2人なら爽健美茶の曲もラップになるし、今年に入ってからの「映像研には手を出すな!」の曲も最高にキマってる。みんながchelmicoに含まれる最高の時間はもうすぐやってくると僕は信じてる。

ぴっち(@pitti2210

 

114. THA BLUE HERBTHA BLUE HERB

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「REQUIEM」(YouTube)

 

113. 思い出野郎Aチーム『Share The Light』

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期待通りに、輝かしい人生賛歌をガツンと響かせてくれる。ゴリ押しではなく、鮮やかな色味で、キザな言い回しも混ぜつつ、豪快に歌い上げる。パーティを続けよう。心のミラーボールを回転させる起動の合図は、いつだってこんな音楽。

ラニワにて、わど。(@wadledy

 

112. 100 gecs『1000 gecs』

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111. Shura『forever』

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UKの新世代SSW、シンセポップとして大注目のShura。透明感のある歌声と浮遊感のある音色。その時その瞬間に経験したことを音楽を通じてこんなにも綺麗なモノにできる才能に脱帽。一枚を通して心地よく聴けるので名盤認定させてください。

Y(@y_3588

 

110. SEKAI NO OWARI『Eye』

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109. Charli XCX『Charli』

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気持ち良いぐらいのガーリーポップ。力強くでもしなやかで主張を感じるような今回の作品は前回の作品よりも格段にクオリティが上がっている。そしてフューチャリングの顔ぶれ。単純に気分が上がる作用がある、Charli XCXには。

Y(@y_3588

 

108. ペトロールズ『GGKKNRSSSTW』

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107. Liam Gallagher『Why Me? Why Not.』

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106. 集団行動『SUPER MUSIC』

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105. never young beach『STORY』

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104. No Buses『Boys Loved Her』

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103. Oso Oso『Basking In The Glow』

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102. Battles『Juice B Crypts』

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101. Tycho『Weather』

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ネットの音楽オタクが選んだ2019年のベストアルバム 150→101

101. Tycho『Weather』
102. Battles『Juice B Crypts』
103. Oso Oso『Basking In The Glow』
104. No Buses『Boys Loved Her』
105. never young beach『STORY』
106. 集団行動『SUPER MUSIC』
107. Liam Gallagher『Why Me? Why Not.』
108. ペトロールズ『GGKKNRSSSTW』
109. Charli XCX『Charli』
110. SEKAI NO OWARI『Eye』
111. Shura『forever』
112. 100 gecs『1000 gecs』
113. 思い出野郎Aチーム『Share The Light』
114. THA BLUE HERBTHA BLUE HERB
115. chelmico『Fishing』
116. ナードマグネット『透明になったあなたへ』
117. Nick Cave & The Bad Seeds『Ghosteen』
118. Spangle call Lilli Line『dreams never end』
119. Men I Trust『Oncle Jazz』
120. ジェニーハイ『ジェニーハイストーリー』
121. UVERworld『UNSER』
122. Answer to Remember『Answer to Remember』
123. Ride『This Is Not A Safe Place』
124. ヨルシカ『だから僕は音楽を辞めた』
125. sumika『Chime』
126. スカート『トワイライト』
127. TENDRE『IN SIGHT』
128. Khruangbin『Hasta El Cielo』
129. The Who『Who』
130. Maison book girl『海と宇宙の子供たち』
131. FIVE NEW OLD『Emulsification』
132. Jamila Woods『Legacy! Legacy!』
133. Steve Lacy『Apollo XXI』
134. Temples『Hot Motion』
135. Angel Olsen『All Mirrors』
136. MOROHA『MOROHA Ⅳ』
137. Bibio『Ribbons』
138. DYGL『Songs of Innocence & Experience』
139. KREVA『AFTERMIXTAPE』
140. ドレスコーズ『ジャズ』
141. BiSH『CARROTS and STiCKS』
142. teto『超現実至上主義宣言』
143. 踊Foot Works『GOKOH』
144. the HIATUS『Our Secret Spot』
145. ORIGINAL LOVE『bless you!』
146. The Birthday『Vivian Killers』
147. BASI『切愛』
148. Beirut『Gallipoli』
149. sora tob sakana『World Fragment Tour』
150. 舐達麻『GODBREATH BUDDHACESS』

 

プレイリスト→Apple Music Spotify

*1:KREVA、 9ヶ月連続リリース・第 10 弾となるアルバム『AFTERMIXTAPE』 http://music.emtg.jp/special/201909141626410bb

*2:時代の変革が生んだ「愛」と「憂い」の音楽、ナードマグネット須田亮太が語る『透明になったあなたへ』 https://kyoto-antenna.com/post-30490/