ネットの音楽オタクが選んだ2021年のベストアルバム 100→51

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2日目です。毎回そうなのですが、「順位に深い意味はありません」と書きつつもやはり上の順位に世間の関心が大きく集まります。一方で昨日と今日のランキング、レビューを楽しんでくださる方々も大勢います。僕はそういう愛すべき音楽オタクの方々が大好きで、そういう人たちにとってほんの少しでも役立っていればうれしいです。レビューを書く気力があまり残っていないのですが、仲間がたくさん書いてくれたのでなんとかなってます。楽しんでいただければ幸いです。明日までよろしくお願いします。(ぴっち)

 

このランキングについて
  • ネットの音楽オタクが選んだベストアルバムは音楽だいすきクラブ、及びそのメンバー等の特定の誰かが選んで作ったものではありません。
  • Twitterハッシュタグ、募集記事のコメント欄に寄せられたものを集計しています。
  • 722人分のデータを集計しました。
  • 募集期間は2021年12月1日から31日の間です。
  • 同点の場合、乱数を発生させて順位づけしています。
  • そのため順位に深い意味はありません。気にしすぎないでください。
  • 150位以内はすべて7人以上に挙げられたものです。
  • レビューは有志によるものです。500字以内ディス無しでやっています。
  • レビューは随時追加しています。興味がある方は@pitti2210にリプかDMください!

 

100. Rostam Batmanglij『Changephobia』

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99. Inhaler『It Won't Always Be Like This』

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98. 君島大空『袖の汀』

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97. Makaya McCraven『Deciphering The Message』

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96. ずっと真夜中でいいのに。『ぐされ』

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95. 冬にわかれて『タンデム』

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94. Arooj Aftab『Vulture Prince』

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93. DYGL『A Daze In A Haze』

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92. Lost Girls『Menneskekollektivet』

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91. lyrical school『Wonderland』

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90. 橋本絵莉子『日記を燃やして』

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2018年にその活動を完結したチャットモンチーのギターボーカル、えっちゃんによるソロ1stアルバム。自画像をそのままジャケットに採用している通り、自分自身をじっくりと精査しながらその心象や取り巻く環境、思い出の破片たちをモチーフとして扱った。紡ぐ言葉の輪郭は柔和に聴こえるが、鋭利な表現が突然しれっと忍ばせてあるのが彼女の本質だ。生活の行間にある歪みや記憶の片隅に残った違和感をキャッチし、切り貼りしながらイメージを膨らませてゆく。『日記を燃やして』という題から想起するのは、日々をただの記録するのみならず昇華し表現とするその姿勢だ。

多彩な楽器の配置や多重の歌声など新たなアプローチが風通しの良いものだが、バンド時代同様にどこか"陰"を感じさせる楽曲が揃う。ヘヴィなギターがのしかかる「ロゼメタリック時代」における《世界一 嫌な曲ね》という皮肉に満ちた追想と、「前日」の穏やかな曲調の中で《これほんまに美味しかった 明日もこれと同じやつ作ろう》と歌うささやかな喜びの実感。そんな思考を繰り返す人間の営みがそのまま音楽になると、こんな風に少し一息をつきながら聴ける、程よい"陰"を持つアルバムになるのだろう。

月の人(@ShapeMoon

 

89. YUKI『Terminal』

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88. U-zhaan×環ROY×鎮座DOPENESS『たのしみ』

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87. Weezer『OK Human』

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僕が中学校2年生の時、英語の授業では毎回授業の最初に英語の曲を皆で歌うというものがあった。曲は学期毎で変わり、Justin Bieberの『Pray』、Green Dayの『Wake Me up When September Ends』、Avril Lavigneの『Girlfriend』を歌った記憶がある。他の人達はダルそうにその時間を過ごしていたけれど、あの頃の僕は海外のロックやポップに触れたばかりだったことも相まって、結構その時間が好きだった。

その頃の僕はLINKIN PARKが大好きだった。だけど僕の周りにはLINKIN PARKのみならず海外のロックやポップを好きな人はおらず、それらの事についてはあまり人と話せなかった。そんな学校生活の中、唯一海外のロックやポップの話をできたのが英語を担当している先生だった。多分同級生の誰もが知らないと思うけど、その先生とLINKIN PARKの曲とかについてそこそこ話していた。生徒達から特別好かれるわけでも嫌われるわけでもない先生。あの時間はそんな先生の先生じゃない人としての一面を感じられた出来事として、中学校を卒業してから10年近く経った今も強く記憶に残っている。
あの先生が今もあの授業をしているのか、そもそも教職に就いてるのか、人生を変えてくれた恩師でもないから正直興味も無いし今の僕は知らない。でももし、今もあの授業を続けていたなら、このアルバムの曲を使いませんか?何てことを少しだけ伝えたい気持ちになった。

ハタショー(@hatasyo5

 

86. Nala Sinephro『Space 1.8』

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85. underscores『fishmonger』

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84. 吉澤嘉代子『赤星青星』

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2年半ぶりの5thアルバム。情感豊かなメロディを美しく結わいた神秘的なアレンジによって、いともたやすく各曲の世界へと誘われてしまう。曲中では吉澤が登場人物に憑依し、言葉を紡ぐ。あくまで物語が中心にあるのは過去作と共通しているが今回は感情そのものを丹念に掘り下げた描写が光る。誰かが誰か、何かが何か、誰かが何か、何かが誰かに寄せる大切な想いが様々な形のフレームに収まり、歌として命を宿している。

"想いを伝えること"が作品の中心になったのは会いたい人に会えなかったコロナ禍の日々が大きく反映されているのだろう。叶わぬ恋、世界が許さない恋、誰にも認められない恋、そんなラベリングは引き剥がそうじゃないか。こんな今だからこそ、次元を超えて声が届いたり、惑星を飛び超えて想いが伝わったりすることも信じようじゃないか。数えきれないほど沢山の"親愛なるあなた"への想いを乗せ、彼女の音楽は心を揺らしてくれる。

月の人(@ShapeMoon

 

83. Dos Monos『Larderello』

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82. Age Factory『Pure Blue』

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81. Julien Baker『Little Oblivions』

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80. Faye Webster『I Know I'm Funny haha』

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79. Jungle『Loving In Streo』

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変わらないなぁと思う。Daft Punkが『Rundom Access Memories』でディスコを再定義してから間もなくして表れたこのユニットは、1stから一貫してダンサブルでフロアライクな、しかし朝焼けより夕暮れが様になる憂いを帯びたディスコを作り続けてきた。本作でもそれは変わらず、むしろ時代の方が彼らのムードに追いついてしまったかのよう。Little Simzを手掛け、SAULTのメンバーでもあるInFloを迎えてもなお全体のトーンは前述の通り。強いて言うならリリックがエモーショナルになっただろうか。本作の最初の先行シングルはずばり「Keep Moving」だったし、《涙を拭いて》に始まり《思ったように踊りたいだけ》で締められる構成も、コロナ禍におけるメッセージと取って相違ないはず。こう見ると言いたいことが先行してるように見えるけど、相変わらずの優雅なメロウさが押し付けがましくさせない。冷静と情熱の間を地で行きながら、世界の終わりでもサバイブしようとする姿勢。めちゃくちゃ頼もしい。

まっつ(@HugAllMyF0128

 

78. MONO NO AWARE『行列のできる方舟』

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このバンドで作詞作曲を担当する玉置周啓(Vo/Gt)は、常々言葉に迷いながら言葉に振り回されている人間だと思う。Dos MonosのTaitanと共にパーソナリティを務めるポッドキャスト「奇奇怪怪明解辞典」でも、よく唸っているし、相槌と感嘆の間で発する言葉を探し続けている。本作における歌詞は言葉遊びで煙に巻く部分がある一方でコミュニケーションを取り巻く不安や、"きっと分かり合えない"という悟りが織り込んである。誠実な観察眼で人を見つめ、まとまらない気持ちがペンを走らせているようだ。

それでも重たくなりすぎないのはバンドが培ってきたユーモラスな側面とそれを体現する軽やかなグルーヴ、そして口ずさみたくなるコーラスの賜物だろう。誰かに縋りたくなる気持ちとどこまでいっても1人だという感覚は相反するものではない。そのどちらともが取り除くことのできない人間らしい雑味であると楽曲が生き生きと表明している。行列から目を背けたい僕らの、"連帯"や"共に"という言葉からは少しはみ出てしまうマインドに届く愛の音楽。

月の人(@ShapeMoon

 

77. Puma Blue『In Plaise of Shadows』

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76. girl in red『if i coudl make it go quiet』

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75. Mogwai『As the Love Continues』

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74. easy life『life's a beach』

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73. Måneskin『Teatro d'ira - Vol.1』

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72. JPEGMAFIA『LP!』

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71. Bruno Pernadas『Private Reasons』

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70. Sufjan Stevens & Angelo De Augustine『A Beginner's Mind』

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69. 家主『DOOM

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3人のソングライターを擁する4ピースバンドによる2ndアルバム。フォークロックを機軸としながらも三者三様の個性的なメロディメイクが光る楽曲たち。彼らの演奏で束ねられるとつるっと違和感なく受け取れてしまう。歌という素材を活かしきった過不足ない調理が一汁三菜のご飯のように心を温める。時折、ちゃぶ台をひっくり返すような激しいギターソロ(田中ヤコブによるものだ)が、非日常へと気分をぶっ飛ばしてくれる。このハレとケのバランス感が常に丁度良いのだ。

のどかさが漂う田中ヤコブオルタナティブロックのテイストが色濃い谷江俊岳、ネオアコ調な田中悠平。歌声もメロディもてんでバラバラだが、歌っている事象はどこか共通した、思い悩みやうだつの上がらなさがある。この点が本作をまるで群像劇のような質感に纏め上げている。ダメダメな自分を受け入れたり慰めたりせず、ダメだと思う意識の中でとどめ続けて吐き出した言葉が詩情とともに浮かび上がる。日常を肯定するでも否定するでもない、ただ見つめるという行為。本当の意味での生活の音楽がここにある。

月の人(@ShapeMoon

 

68. 박혜진 Park Hye Jin『Before I Die』

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音数も少なく隙間も多いトラックに、祈りのように反復される言葉。ノイズになることを避けるためもあろうが、タイトル以上のことは語らない曲もザラにある。1曲につきイシューは1つまでといった、ミニマリズムの塊とでも言えそうな歌詞。その一つ一つが平易で飲み込みやすいのも聴きやすさに寄与している。反対にビートはシンプルながらソリッドで、特にキックはどの曲も太く粘ついている。落ち着いたピアノのフレーズに4つ打ちの絡む「Let's Sing Let's Dance」や、同じく4つ打ちながらその音色や同じく不穏な上モノでガバの様相を呈している「Never Die」などはそれが顕著だ。

コロナ禍に入ってから製作されたという本作はダンスアルバムでありながら、クラブよりも自室で黙々と踊ることを志向しているように思える。たったひとり、自らに言い聞かせるように、祈りを染み込ませるように踊る。そのためのBGM。

まっつ(@HugAllMyF0128

 

67. 揺らぎ『For you, Adroit it but soft』

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彼らにとっては3枚目のアルバム。フルアルバムとしては最初の作品。初期の2枚は王道中の王道の轟音アルバムだったが、今回は轟音はやや抑えられた。アルバムタイトルにもあるように器用さと柔らかさを会得している。鍵盤を入れたり、Big Animal Theoryをフィーチャーした曲を入れたり、アコースティック等、今までになかったサウンドが多い。リミックス作をリリースしたり、Bearwearなどのバンドとの共演から得られたであろうものが存分に出ている。

エモゲイズ、というものがNothingやParannoulから注目されているが、これこそエモゲイズと解釈している。感傷的なフレーズ・コードが多く、アルペジオの響きが過去2作に比べて非常に良い。実際にリリースツアーではエモというジャンルを代表する最強バンドの一つであるMineralの大名曲『Parking lot』のカバーを演奏している。

完成度の高いアルバムであるが、まだまだ彼らは過渡期だと思う。もっとたくさんの音楽の影響を受けて、シューゲイザーらしい広がりのある音の世界を作ってくれると信じている。

June(@h8_wa

 

66. ミツメ『VI』

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65. Adele『30』

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64. indigo la end『夜行秘密』

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7枚目のフルアルバム。憂いを帯びたギターロックで、悲恋を歌にしてきたが今回はその舞台を夜に絞った。暗がりの中で不可思議な感情の行方を探り当てるような、スリリングで冷然とした1枚だ。思い返すと彼らの1stアルバムは『夜に魔法をかけられて』と名付けられていた。そこから8年が経ち、夜の魔法も解けきったかに思えたが、こうして静かに零れ落ちる感傷は底を尽きない。成熟したからこそ描ける奥深い情念がある。

誰しもがドラマを感じてしまい自らの物語と重ね合わせてしまうような普遍性と、一切手を緩めることのない実験性が見事に調和しているのが今作の秀でた部分だ。シリアスさとメロウネスをブレンドしたサウンドメイクは透徹された美しさを誇っており、特にギターワークは冴え渡っている。アルペジオアコースティックギターの心地よい調べに加え、ところどころで姿を現す歪んだギターフレーズは感情の横溢のよう。心が揺らめき、うねり続ける60分。じっくり夜に浸ることが出来るはず。

月の人(@ShapeMoon

 

63. 踊ってばかりの国『moana』

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62. Analogfish『SNS

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SNSとは、ソーシャル・ネットワーキング・サービスの略称だ。そんなことは百も承知した上で、SNSとは『生活の中にある素晴らしさ』の略称なんじゃないだろうかと言いたい。そう思いながら日々を過ごすだけで、僕らの日常は少しだけ幸せなものになる気がする。

あなたが最近感じた、ほんの小さな素晴らしいことはなんですか?

あなたなりの言葉で、SNSという海へ放流して下さい。

ハタショー(@hatasyo5

 

佐々木健太郎の言によれば『SNS』というタイトルは本作の収録曲「Saturday Night Sky」の略に過ぎないという。含みのある名前だと気付いたのはしばらく後だったようだ。実にAnalogfishらしいエピソードだと思う。日常の描写に幾通りもの解釈を持たせる、馴染みある言葉で社会に落ちた陰影を拾いあげる。彼らがずっとやってきたことだ。

ただ、これまではどちらかと言えば下岡晃がそうした作詞を担当していたのが、本作では佐々木のペンにも表れている。《君の何気ない態度で この夜は台無しに変わってしまう》(U.S.O)《世界が望むようにただ、踊れなくても 君ももっと笑っていい》(Saturday Night Sky)といったリリックはどう捉えたって2020年2月以降の風景をスケッチしたものだと感じるだろう。下岡作詞の「うつくしいほし」も、景色の見方をあえて揺さぶる言葉選びがそこここでなされている。

『荒野 / On the Wild Side』から既に10年経ったが、彼らが描き出すものは変わらない。私たちは形こそ違えど、未だに荒野に立っているのだと思い出させる1枚。

まっつ(@HugAllMyF0128

 

61. AAAMYYY『ANNIHILATION』

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60. Sault『NINE』

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あまりにも謎が多いUKのSault。99日間で消える最新アルバム『NINE』。ソウル、ヒップホップ、民族、ゴスペルなどを巧みに融合した繊細なトラック。しなやかで伸びの良いメロディアスなヴォーカルが最高に優美。再生回数を競うようなこの時代に、期限を制限する作品発表という新しい試み。今後も目が離せない。

Y(@y_3588

 

59. Weezer『Van Weezer

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58. 月ノ美兎『月の兎はヴァーチュアルの夢をみる』

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テレビ番組のような公式プログラムやARを用いたライヴなど、月ノ美兎が所属するVtuberグループ「にじさんじ」には、私たちの世界に近づくための取り組みが多い。しかし、その第1期メンバーでありVtuberムーブメントの立役者でもある彼女は、こちらとそちらとの間に明確な線を引いている、ように見える。そりゃあ彼女はこの世界の学級委員長なんかじゃないし、僕らの世界では放課後の委員会で「起立、気をつけ!」なんて号令をかけたりしない。当たり前だ。

今回も彼女はフィルター越しに語りかける。ASA-CHANG&巡礼が切り刻んだ声の向こうから、長谷川白紙がまぶした音の嵐の中から、ラジオという仮構されたフォーマットの裂け目から。しかし同時に、シティポップやヴェイパーウェイヴ、フューチャーファンクを取り込むことで、自分も今ここを生きているのだと宣言してもいる。遠いのに近い。違うけど同じ。そう錯覚させる本作は「Vtuberとは何か」「にじさんじが何をしたいのか」の答えとして1ミリも違わない。自分が立っている場所、自分が誰かの光になってしまったこと、それら全てを受け入れた人だけが作れるアルバム。

まっつ(@HugAllMyF0128

 

57. Deafheaven『Infinite Granite』

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Deafheavenの新境地、という評価と声が続出した作品。スクリームが大幅に減り、誰にでも聞きやすいサウンドになったことが話題に。個人的には、今までむしろ聞きにくいという印象を持っていたDeafheavenがここまでシンプルにメロディや展開で勝負してくれたことがうれしかった。

とにかく「美」というものを感じざるを得ない。ともすればドリームポップとも取れるような響きと甘さが始終続く。ドラムの力強さがバックでしっかりわかること、きっちりとしたギターソロがあることで、通常のドリームポップとは一線を画し、Deafheavenの持ち味を損なわない。それまでのDeafhaven の攻撃的な部分をあえて隠すようにすることによって、時折覗かせるDeafheaven 「らしい」、ポストブラックメタルの瞬間がより際立っている。

スクリーム、ブラストビート、そういったものが無くても、強力な音楽は作ることができると、シーンのトップからの回答と言っていいだろう。

June(@h8_wa

 

56. The Armed『Ultrapop』

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人力ハイパーポップ、とまずは乱暴に定義づけてしまいたい。ノイズに塗れて潰れたバスドラのキックにドリームポップめいたメロディ、そこに突如フィードバックノイズが割って入るタイトル曲。随所にハードコアの意匠はありつつ、ピーキーなシンセや展開の早さが、既存のそれとは全く異なるサウンドデザインに導いている。

ところで彼らの活動は見えにくい。何枚もアルバムを出していながら、メンバーが何人いてそれは誰なのかが部分的にしかわかっていないのだ。もっと言うと、ファンたちすら本作の音源に参加しているようで、バンドというよりもコレクティヴの趣が強い。過去作品を全てクリエイティヴ・コモンズ・ライセンス付きでフリーダウンロードにしたり、かと思えば『サイバーパンク2077』に楽曲提供したりといった点含め「誰が作ったか」に対する徹底した反発が感じられる。彼らがこの時代に取り戻そうとしているのは恐らく、音楽を音楽として聴くことの喜びだ。

ちなみに「AN ITERATION」のMV冒頭では『メタルギア』シリーズでスネークを演じた声優が登場してあるセリフを引用するのだが、それはまあ見てみてほしい。あの音も聞けます。

まっつ(@HugAllMyF0128

 

55. Hovvdy『True Love』

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54. Shame『Drunk Tank Pink』

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53. Turnstile『Glow On』

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いや、ハードコアではあるのだ。ティーンエイジャーが初めてエフェクターを買って鳴らしたようなディストーション、ゴリ押しのコード進行、クリーンながらも絶唱するヴォーカル。雛形は間違いなくハードコアのそれだ。だがどうだろう、この全体をうっすらと支配するドリーミーなシンセは。「BLACKOUT」のアウトロで突如立ち現れるトライバルなパーカッションや「Don't Play」で顔をチラつかせるラテンのリズムは。

折衷とも言えないまだらな他ジャンルの接着は、音楽が自由だったことを思い出させるとともに、ハードコアという自身のホームをそれ以外のフィールドに届ける役目も果たすだろう。かつてTest Iciclesというパンクバンドを組んでいたBlood OrangeことDev Hynesが2曲で関わっているのも頷ける。自らの音楽をサラダボウルのサラダよろしくぐちゃぐちゃにかき混ぜるのではなく、むしろ俺たちはボウルなんだと示す一枚。

まっつ(@HugAllMyF0128

 

52. Men I Trust『Untourable Album』

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カナダの人気インディーポップ・トリオ Men I Trust。ドリーミーでしっとりと心地よく。少しだけダンサブルにも感じる。曇ってる日や雨の朝にコーヒー入れて、ゆっくりとレコードで聴きたい。シンプルにMen I Trustに出会えてよかった。

Y(@y_3588

 

51. パソコン音楽クラブ『See-Voice』

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ネットの音楽オタクが選んだ2021年のベストアルバム 100→51

51. パソコン音楽クラブ『See-Voice』
52. Men I Trust『Untourable Album』
53. Turnstile『Glow On』
54. Shame『Drunk Tank Pink』
55. Hovvdy『True Love』
56. The Armed『Ultrapop』
57. Deafheaven『Infinite Granite』
58. 月ノ美兎『月の兎はヴァーチュアルの夢をみる』
59. Weezer『Van Weezer
60. Sault『NINE』
61. AAAMYYY『ANNIHILATION』
62. Analogfish『SNS
63. 踊ってばかりの国『moana』
64. indigo la end『夜行秘密』
65. Adele『30』
66. ミツメ『VI』
67. 揺らぎ『For you, Adroit it but soft』
68. 박혜진 Park Hye Jin『Before I Die』
69. 家主『DOOM
70. Sufjan Stevens & Angelo De Augustine『A Beginner's Mind』
71. Bruno Pernadas『Private Reasons』
72. JPEGMAFIA『LP!』
73. Måneskin『Teatro d'ira - Vol.1』
74. easy life『life's a beach』
75. Mogwai『As the Love Continues』
76. girl in red『if i coudl make it go quiet』
77. Puma Blue『In Plaise of Shadows』
78. MONO NO AWARE『行列のできる方舟』
79. Jungle『Loving In Streo』
80. Faye Webster『I Know I'm Funny haha』
81. Julien Baker『Little Oblivions』
82. Age Factory『Pure Blue』
83. Dos Monos『Larderello』
84. 吉澤嘉代子『赤星青星』
85. underscores『fishmonger』
86. Nala Sinephro『Space 1.8』
87. Weezer『OK Human』
88. U-zhaan×環ROY×鎮座DOPENESS『たのしみ』
89. YUKI『Terminal』
90. 橋本絵莉子『日記を燃やして』
91. lyrical school『Wonderland』
92. Lost Girls『Menneskekollektivet』
93. DYGL『A Daze In A Haze』
94. Arooj Aftab『Vulture Prince』
95. 冬にわかれて『タンデム』
96. ずっと真夜中でいいのに。『ぐされ』
97. Makaya McCraven『Deciphering The Message』
98. 君島大空『袖の汀』
99. Inhaler『It Won't Always Be Like This』
100. Rostam Batmanglij『Changephobia』

 

プレイリスト