Ginger Wildheart『Albion』

はじめまして。GAOHEWGIIと申します。音楽ブログ、

CDレビュー GAOHEWGIIは深い井戸に向かって叫びました

をやっています。お誘いをいただき、音楽だいすきクラブに参加させていただくことになりました。当面は洋楽新譜を毎週投稿予定です。参加者の皆様、読者の皆様、よろしくお願いたします。

音楽嗜好は一言では言えないので自分のブログを覗いていただければ参考になるかと思います。(まぁ宣伝なのですが)以下、記事本文です。

Ginger Wildheart『Albion』(2014、UK)

f:id:ongakudaisukiclub:20140427003354j:plain

メロディー、轟音ギター、転調、ビート。くっきり原点回帰した充実作

大学時代、ワイルドハーツというグループに夢中になりました。

疾走するビート、轟音ギター、それらを包み込むキャッチーなメロディーとめまぐるしい転調。主に60年代から70年代に掛けての英米音楽をルーツとしており、それをパンク、グランジなどの要素と掛け合わせた音楽性は、とてもカラフルで魅力的でした。90年代後半、最もポップなハード・ロックを鳴らすバンドだったと思います。日本での人気も高かったです。

その後、解散騒動(辞める辞める詐欺)〜低迷期を経ても生き延びたワイルドハーツ。時は流れて2013年。彼らの黄金時代に残した名作『Earth vs the Wildhearts』がリリース20周年を迎える節目の年。それを記念して、昨年アルバム再現ライヴ・ツアーが計画され、来日ライヴも実施されました。そして2014年。ワイルドハーツは、作曲面をほぼ一人で受け持ってきたリーダーのプロジェクト、ジンジャー・ワイルドハートへと名義を変えながらも存続。プロジェクトとしての2ndアルバムを発表。それが本作『Albion』となります。

前作『100%』同様、キャッチーなメロディーは健在。それに加えて、疾走するビート、轟音ギター、めまぐるしい転調というかつてのワイルドハーツの要素が勢ぞろい。再現ライヴを経たことで、原点回帰というテーマが反映されています。

本作は鍵盤奏者、ツインギターによる5人編成に、曲によって女性コーラスが入る、という体制で録音されています。録音メンバーは7名。メタリカに傾倒していた『Earth vs the Wildhearts』期に比べて、轟音ギターはボリュームを抑えられており、キャッチーなメロディーを前面に出した音作りが特徴です。原点回帰とは言え、サウンドでは最近のポップ路線との折り合いを付けている印象。

ひたすらポップなリーダー・トラック「Body Parts」、キッスの「I Was Made For Loving You」と、高速ロカビリーを合体させたようなダンス・ロック・ナンバー「Grow A Pair」、ピンク・フロイドの「Summer '68」を彷彿とさせるパパパ・コーラスが美味しい、幻想的なミドル・ナンバー「After All You Said About Cowboys」など盛りだくさんの内容です。

全盛期の名作群には及ばないものの、ファンなら納得できる充実作です。

Ginger Wildheart「The Beat Goes On」

とろとろにポップであり、かつグネグネと転調する彼ららしい曲。本作を聴くにあたって『Earth vs the Wildhearts』も聴き直したのですが、歌声がまろやかになって安定していることに気づきました。

ヒャダイン星野源など、J-POPを代表する転調作曲家を愛する方々にも聴いて欲しいです。

 

 

GAOHEWGII

CDレビュー GAOHEWGIIは深い井戸に向かって叫びました