Rei『BLU』
とんでもない人を見つけてしまったかもしれない。
先日の東京旅行中、個人的に目的の一つだったタワレコ渋谷店に行った時のことである。タワレコ渋谷店では毎日フリーライブをしているらしく「うおお!さすが東京!」と感動しながら近くに寄って聴いていたらその30分前にこのReiというシンガーがライブを終えていた。フリーライブのスペースの横には紹介のPOPがあり、その時間帯に演奏していたアーティストと一緒にReiの『BLU』が置かれていた。しかもその前のライブを観ていたであろう人達は全員この『BLU』を手に持っている。「これはもしや!」と思い視聴機も無いのに購入を決意。こうして僕はReiの1stミニアルバムを手に入れた。この決断は間違いでは無かった。どうやら今の所このアルバムは彼女のライブ会場でしか販売されていないらしいのだ。一刻も早く全国流通になることを願う。
僕の文章でどれだけ彼女の音楽の素晴らしさを伝えられるかは分からないけれど頑張って書いてみる。
Reiはまだ二十歳を過ぎたばかりの若手の女性シンガーだ。幼少期はニューヨークで過ごしていたとのこと。まぁこの辺はプロフィールにも載っているのであまり書く必要は無いのだけど。このニューヨークで過ごした日常が彼女のメンタリティに現れているのかどうかはわからない。しかし彼女の書く曲にはブルースを感じる。そもそもブルースを愛好して聴いているらしい。フェイバリットのバンドに「Johnny Winter、Blind Blake、JB Lenoir、Jeff Lang」を上げている。僕はお恥ずかしながらまったく詳しく無いのでRaiの曲達がその系譜としての音楽かどうかは語る言葉を持ち合わせていないのだけど、この『BLU』はポップでありながら哀愁を感じる。
僕がこのアルバムを凄いと感じたのは1stミニアルバムにして彼女の音楽に映像を感じる事ができたからだ。音楽を聴いて映像が頭に浮かび上がってくる経験。きっと僕だけでは無いと思う。Reiの『BLU』を聴いていると乾いた荒野のざらついた質感や満天の星空を見上げているような、そんな映像が浮かびあがってくる。またその映像の中で彼女が歌っているのが僕には見える。それはただの妄想なのだが、僕のその妄想を刺激するような音楽が鳴っているのだ。
LOVE PSYCHEDELICOあたりが好きな方にはマストに気に入ると思う。天然的にロックやブルースを奏でながら感触は人懐っこくて気付けばふとメロディーを口ずさんでしまうほどとてもポップだ。この先あっという間にメインストリームに上り詰めてしまいそうなそんな予感さえする。名前だけでも覚えていてほしい。絶対損はしないはず。なぜこの素晴らしいアルバムがライブ会場限定なのか疑問なくらいなので。
Rei「Illustrated Woman」(Johnny Winter)
Rei「BOOM BOOM」(John Lee Hooker)
これらの動画ではアコースティックな佇まいだけど、音源ではもっと自由なサウンドプロダクションになっている。ちなみにペトロールズの長岡さんもプロデュースに関わってるとのこと。しかしやたらギター上手いよこの人。末恐ろしい。
うめもと(@takkaaaan)