少し前になるけど、COLONYでShiggy Jr.を観てきた。
以前、USTREAMでの中継で『LISTEN TO THE MUSIC』主体の演奏を観て以来、正直ライブにはあまり期待していなかった。やはり打ち込み主体のアルバムの曲はライブ映えしないのかも、と。しかしそれから数ヶ月経ったせいかすっかり仕上がっていた。キャパ200のハコとはいえ、デビュー2年目で北の大地でこれほど盛り上がりを見せたのは快挙だと思う。実際とても楽しかった。
ただ細かいことを言おうとすれば、いろいろある。個人的には池田さんのボーカルは2010年代のJ-POPの宝で、木村カエラに次ぐJ-ROCKドンピシャの声質だと思っているのだが、それほど無敵でもなかった。また演奏は2年目で、しかも森さんと諸石さんは途中加入なのでさすがに荒い。そして原田さんのギターがバカテクなわけでもない。
しかしそれでも彼らは、その力不足を理解した上で、現状の出来る範囲でベストを尽くそうと努力していた。アルバムリリース当時は「LISTEN TO THE MUSIC」を頭に持ってきたセットリストを組んでいたが、今は後半に持ってきていた。ある程度暖まったあとに投下されるキラーチューンに、打ち込み特有の物足りなさは感じなかった。
アップテンポなナンバーの間に挟まれる「Baby I Love You」や「サンキュー」といった緩急の付け方、それからキラーチューンの数々。メジャーデビュー前のバンドとしては破格の快進撃を見せている。でもそれらの背景には明確に目の前のお客さんを楽しませようとする意思があり、そして音楽に対する誠実さがある。
「LISTEN TO THE MUSIC」で歌われるこの歌詞がやっぱり彼らの原点だと思う。
悲しいことだってあるけれど いつだって笑っていたいよ
ボリュームを上げて踊ろう
悲しいことが山ほどある今は、Shiggy Jr.の明るさがありがたい。
ぴっち(@pitti2210)