大森靖子 & THEピンクトカレフ『トカレフ』
こっちであって欲しかった。つまり2枚目の『絶対少女』の後が『トカレフ』だったらとどうしても考えてしまう。このコメントの通りだと思う。
ああ、バンドの成長待てないなって思いました。若いなら共に生き急ごうとも言えましたが、なにせ最年少の私ですらアラサーなので…きゃはは
大森靖子は強制的に『洗脳』というアルバムにたどり着いてしまったのだ。メジャーデビューを決めて、多くの人の力を借りて、より大きな場所で歌うことを選んだのである。それが正しい選択だったのかはわからない。例えこの先結果が出たとしても、それを判断するのは彼女だ。僕たちではない。彼女は先に進むことを選び、ピンクトカレフは解散したのである。
でもこのバンドの成長が見たかった。その機会は失われてしまった。その事実を噛みしめるためのアルバムだと思う。正直に言うともっと下手なバンドだと思っていた。いつかの映像があまりにひどくて、「そりゃ解散するよなー」と思っていたのだが、アルバムを聴いたらその頃よりずっと成長したことがよくわかった。バンドも手応えがあったはずだし、だからこそ彼女も惜しかったと思う。
「ミッドナイト清純異性交遊」が本当にすばらしい。『絶対少女』のアレンジもいいけど、パンクバンドのようなサウンドに重ねられる大森靖子のボーカルがすごくいい。
もし彼女が彼らと一蓮托生する未来があれば。それはただの野暮だ。でも考えずには入られない。彼女は二刀流を選ばなかったのだ。それは尊重すべきことなのだ。
ぴっち(@pitti2210)