アニソン好きと元アイドルオタがアニソンについて話したようです part3 <小室哲哉から音ゲーへ、そしてfripSide>

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音楽だいすきクラブで行われる対談モノの多くは、skypeを繋いでメッセージ欄に文字を打ち込んで行なわれている、非常にローカルなやり口だが、これが手っ取り早いのだ。それ故であろうか、仲良いもの同士、skypeを繋いで話したり会話することもある。

アニソンが好きすぎてアニソンシンガーにインタビューまでしてしまった草野、バンドとアイドルを長年追いかけ続けてきたかめは、好きなものが被ることもあってかいくつか会話をしたことのある間柄だ。

とある事情でアニソン関係の記事を書いていた草野が、休憩がてらにかめ君へ後先考えずに絡みに、もとい、何気ない会話から発展した内容が基になっている。そしてかめくんは「どうしてアニソンはこういう感じの音になったのか?」と草野に聞く。そして草野はゆっくりとアニソンの変容について話し始めた。

小室哲哉音ゲー/アキバカルチャーにまで影響を与え、アニソンに携わる多くのクリエイターに影響を与えたんだ!」

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前回まではこちら。

 

Dance Dance Revolution音ゲー、そしてアニソンへ

草野 そして、ユーロビートといえば、このゲームを忘れちゃだめ。

かめ  これ家にあったわ!

草野  オレは2nd mixをやってた(笑)フランスワールドカップの曲とか。

Dance Dance Revolution:1998年にアーケードゲームとして登場したコナミのダンスゲーム。1999年にPSで家庭用ゲーム化。画面上のカーソルに合わせてステップを踏むことでポイントを競うゲームだけど、実際にきれいに踊って点数を取るのは難しい。

Dance Dance Revolution 2nd

Dance Dance Revolution 2nd

 

 

かめ  これだと、1997-1998年くらいか。今調べたら、こういう記事があったよ。

 

草野  たにみやんさん!

かめ  ボリュームすごいし、おもしろいよね。ポップンミュージックではアニメっぽい感じが出てるから、敷居が低くなったんだよね。

草野  それはあるかも。たにみやんさんが記事の中であげてる沖井礼二さんのツイート、返信先はカオスラウンジの元主宰の藤城嘘のこの記事なんだよね

 

草野 で、この記事の序盤で見慣れた記事が出てくると思う(笑)

かめ (笑)

草野 以前話したように、小室哲哉を入口にしてユーロビートやハッピーハードコア系の楽曲が日本に広まっていき、それがアニメや音ゲーにも広まり、アキバ系男子の耳を刺激し、虜にしたというのは本当に見過ごせない事実なんだよね。そして今のアニソンにも脈々と繋がれている。

かめ うん。

草野 記事の中でたにみやんさんも指摘してるけど、

「ディスコ→クラブ」の流れをbeatmaniaが、パラパラ・スーパーユーロビートなどを当時ヒットしてたアゲアゲ系楽曲を「Dancemania」等からDDRが引っ張り、そしてそういった物から縁遠い普通のポップス好きのためにポップンは用意された。

草野 このDancemaniaの曲を一部作っていたのが、I've(アイブ)っていうところなんだよ。

ダンスマニア(Dancemania):ユニバーサルのUSMジャパンレーベルより発売されているダンスコンピレーションアルバム。DDRの楽曲収録元としても知られる。E-Rotic、PAPAYASMILE.dkなどが参加。

かめ I've?

草野 さっきまで聴いてたよ。

 

I've:札幌に本拠地を置く音楽制作プロダクション。PCゲーム、テレビアニメ、映画などの主題歌やBGMを制作。『Dancemania』シリーズの楽曲も制作。2005年には武道館で初のライブを開催。

川田まみ:I'veのボーカリストの一人。ユニバーサル所属。歌声は「まみぶらーと」と呼ばれる独特のビブラートが特徴。愛称はまみまみ。2016年に活動停止を発表。

草野 この曲とさっき聞いていた『あの夏で待ってる』の曲を作ってるクリエイターチームだよ、作曲者は違うけどね。 

かめ  まじか。『あの夏で待ってる』の方が雰囲気的には好きだ。さっきのはかっこよすぎてなんか違う。

草野  これなんかもね。

KOTOKO:女性シンガーソングライター。元I'veのボーカリスト。現在は合同会社Orpheecoへ移籍。好きな食べ物はさくらんぼ。

かめ  なんか2000年頃っぽさがあるかも。

草野  この曲はKOTOKOが歌ったものが2001年に先に発表され、川田まみが2002年にリミックスを発表、ともにI've soundの曲なんだよね。I'veの場合、シンセサイザー/シンセベースの扱い方を非常にうまくて、こういうディープな楽曲から、さっきのRayみたいなポップな曲、はたまたBPMをあげてハーコーめいた曲もやってる。そして超かっこいい。代表を務める高瀬一矢さんと同じく所属する中沢伴行さんによるHARD STUFFっていうユニットがあるんだけど、どういった音楽を志向していたかとか雰囲気がわかるかも。

 

小室サウンドから影響を受けたアニソンクリエイター、fripSide

かめ 時代の影響ってアニソンにもろにでるの?

草野 良い質問ですね!(池上彰先生風)

かめ ありがとうございます!

草野 どう思いますか?かめ君的には。

かめ いや、これは確実に影響出てるよね。

草野 確かにコントラストや主流となるサウンドそのものは違うけども、大枠として電子音楽的なサウンドが90年代末から00年代中頃まで流行っているし、ヒット作も多いんだよね。当時は音ゲーが生まれてどんどんと流行って、そこからの影響は非常に強かったと思う。 何度も言うけど、小室哲哉の向こう側、avexユーロビートを流行させて、ハッピーハードコア的なサウンドを大きくフューチャーしたのはすごく影響が大きい。アキバカルチャーに影響を与えてると言っても過言じゃない。

かめ Dance Dance RevolutionやらBeat Maniaの曲ってほんとかっこいいな!安室ちゃん路線から浜崎あゆみにいった感じは影響出た?

草野 女性ボーカルで高い声キンキン出すという手法が、その後のアニソンに大きく影響していくんだよね。00年代前半に、小室とI'veを遠景にした後継者が現れるんだ。それがfripSide

fripSide八木沼悟志(sat)プロデュースによる日本の音楽ユニット。当初はオーディションで選ばれたnaoとの2人のユニットだったが、naoの脱退に伴い2009年に南條愛乃をボーカルとして迎えた。

草野 これはエロゲの曲だけど。 

かめ おお!音も声もいい感じ!!

草野 この辺、かめくんの想像通りのアニソンっぽさじゃないかなーと。

かめ かなり。間奏後が伸びる声入りな感じも!

草野 このサウンド感を、BPM的にもシンセイサイザー的にも強調すると、電波ソングっぽいキッチュさが出てくる。こんな感じ。

電波ソング:音楽ジャンルの一つ。「萌え要素」や「電波な歌詞」により驚異的な中毒性を有し、オタク文化から生まれた楽曲を指す。

 

かめ おおーほほー声もねっとりさせるとなる!すげえ!これとか地下アイドルとか歌いそう。

かめ 16秒くらいのパパンって入れ方とかすごい歌ってそう!

草野 こういう感じの電波ソング感の強めな曲は、彼らもちょっとだけ変名して「fripiSide NAO Project」として曲を出してるんだ。彼らの中で一番好きな曲はこれかな。

flower of bravery

flower of bravery

かめ 一気に2000年後半感が出てきた

草野 それでボーカルが変わって、声優の南條愛乃さんが加入して、一発目の曲がこれ。 

only my railgun

only my railgun

かめ 聴いたことある!

草野 すごくトランシーでシンセーベースもブイブイ言ってる。けどもシンセポップといったナヨっとしたものとは違う、ポップソングとして芯がある。

かめ 電波ソングユーロビートなの? 

草野 グルーヴとかドラムとか考えるとまったくそういうことはないよね。

かめ でも、エロゲソングが好きなのかなこれは。というかエロゲをやってる人が曲が好きなのは視覚的に得た情報が、音を聴く時に脳内で補完されてる気がする。

続きます

 

 

草野(@kkkkssssnnnn)×かめ(@kame16g