2023年のベストアルバムを集計します!

ご無沙汰しています。管理人のぴっちです。今年もベストアルバムの集計をします。2013年から始まったこの企画も11年目です。いつまで続けられるかわからないと毎年思っていましたが、イーロン・マスクがX(元Twitter)のハッシュタグを廃止するとか言い出したので割とマジでいつまでできるかわかりません。なのでできるうちにやります!ぜひご協力ください。

投稿方法はこの記事のコメント欄、もしくはX(元Twitter)のハッシュタグ #2023年ベストアルバム です。国内外、リリース形態問わずEP、シングルも可能です。各自10作まで。作品名の記入を必須とします。よろしくお願いします!

以下は投稿方法と細かなルールです。

 

X(Twitter)で投稿する場合

必ずアーティスト名と作品名を記入してください。画像はなくてもかまいませんが、画像のみの投稿は集計をお約束できません。

ジャケットを並べて投稿する場合、必ず作品名を記入してください。画像のメモでも良いですが、文字で投稿していただけるとすごく助かります 。メモだと文字化けするので。ジャケットを並べる場合は必ず作品名、アーティスト名の追記をお願いします。

 

コメント欄で投稿する場合

1. 羊文学『12 hugs (like butterflies)』
2. Parannoul『After the Magic』
3. SADFRANK『gel』
4. 春ねむり『INSAINT』
5. Mitski『The Land Is Inhospitabe and So Are We』
6. ずっと真夜中でいいのに。『沈香学』
7. ANOHNI『My Back Was a Bridge For You To Cross』
8. 君島大空『映帶する煙』
9. Night Tempo『Neo Standard』
10. yeule『softcars』

 

こんな感じで投稿していただけると助かります。

 

ルール

  • 国内/海外混合です
  • 2023年12月31日までにリリースされた作品に限ります
  • 作品のリリース形態は問いません
  • 1位10P、2位9P……10位1P方式で集計します
  • 各自の持ち点は最大55Pです
  • 順不同の場合、すべて5Pで集計します(なので順位付けしたほうが影響力は大きくなります)
  • 5作品以上挙げた投票のみを集計します(5作品未満は除外します)
  • X(Twitter)のハッシュタグ#2023年ベストアルバム」に投稿されたもののうちアーティスト名と作品名が書かれたもの、並びにこの記事のコメントへの投稿は確実に集計します
  • 「ベストトラック」の集計はやりません
  • レビューはやります。500字以内ディス無しでやってます。興味ある方は@pitti2210 までご連絡ください。
  • 締切は2023年12月31日です
  • 2024年1月22日からの発表を予定しています
  • 組織票は見つけ次第排除します

 

大事なこと

あくまでこのランキングは記録用です。ネットの一部のものです。作品の優劣とは無関係です。本気になりすぎないでください。それがわかる人だけお付き合いください。

 

昨年までの記事

ongakudaisukiclub.hateblo.jp

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その他

質問は随時@pitti2210で受け付けています。レビューに参加したい方も気軽にご連絡ください。レビューは500字以内で批評、感想、雑感、妄想などなんでもありです。ディスは受け付けていません。他でやってください。

それじゃよろしくお願いします!

ネットの音楽オタクが選んだベストアルバムの2010-2022年のまとめ

「ネットの音楽オタクが選んだベストアルバム」の過去13年分*1と番外編の記録をまとめました。各年の記事のリンク、及びベストアルバムのジャケットとベスト50の記録をまとめてあります。また番外編の企画の記録もまとめました。長いので目次もつけました。企画の変化について若干の説明も書いてあります。また記事の終わりには各年のデータも用意しました。ぜひお使いください。

 

*1:2023/11/7 更新しました

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結束バンド『結束バンド』

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結束バンドのアルバム『結束バンド』をずっと聴いている。2020年代のコンセプトアルバムとして金字塔と言える作品だと思う。

作曲にはLiSAの「紅蓮華」を手がけた草野華余子、音羽ZAQといったクリエイターから、日本のロックの当事者であるKANA-BOON谷口鮪、tricotの中嶋イッキュウthe peggies北澤ゆうほが参加した。それらの楽曲をLOST IN TIMEやla la larksの三井律郎、ONE OK ROCKサウンドプロデュースでも知られるakkinがアレンジし、彼らを核とした固定のメンバー4人が演奏した。アニメからアイドル、YouTuberからロックなど幅広い音楽性を下北沢ギターロックの職人たちが仕上げているのが今作の特徴だ。

だから聴いていると2000年代の、いわゆる邦ロックと呼ばれる音楽の歴史を追体験している気持ちになる。メンバーの名字の由来となったアジカンをはじめ、バンプやテナー、バンアパUNCHAIN、それからtricot、赤い公園KANA-BOONといった国内のロックを聴いていた頃の記憶が刺激される。それらの音楽が現代の声優の歌と交わるのはたまらなく刺激的だ。

ちなみにアルバムで屈指の人気を誇る「星座になれたら」についてthe band apartの影響を指摘する意見が多々見かけたが、アレンジャーの三井は座談会でデモにはエレピが入っていてアレンジに悩んだことを吐露している。

「星座になれたら」のデモもエレピが入っていて、「どうしたらいいんだ……」と思いました。*1

バンアパが直接の参照元になったわけではない証拠と言える発言だが、むしろエレピが入るテイストの楽曲(ジャズ?)をギターロックにするとバンアパらしさが出ることを再発見したことに価値があると思う。まさに僕らはこのアルバムであの頃のロックの進歩を追体験しているのだ。

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またこのアルバムは、アニメの先の結束バンドのひとつの可能性を描いた内容になっている。このアルバムには全14曲が収録されているが、実際にアニメの中で彼女たちが演奏した楽曲は4曲しかなく、名義こそ結束バンドではあるものの主題歌やイメージソングで構成されている。だが、今作はその4曲を出発点として、結束バンドがこれらの楽曲を作りうる可能性を提示し機能させている。その中核を担ったのがシンガーソングライターの樋口愛(ヒグチアイ)とZAQだ。ここでは樋口愛が手掛けた3曲を比較する。

あのバンドの歌がわたしには
甲高く響く笑い声に聞こえる
あのバンドの歌がわたしには
つんざく踏切の音みたい
(あのバンド)

「あのバンド」は第8話で実際に演奏された。この曲は主人公である高校2年生の陰キャラの後藤ひとりが書いた歌詞として違和感のない仕上がりだ。それが「ひとりぼっち東京」ではこう変化する。

さみしがり東京
みんなひとりきりなんだ
だからまた誰かと繋がり合いたいの
なんだっていいよ 好きなものや事ならハッピー
絶対共通言語があるよ
(ひとりぼっち東京)

陰キャ自体は変わりないが、後藤はこの曲においてメンバーの存在を素直に肯定している。そこに成長を感じるし、時系列的に数年は経過したと想像してしまう。そして「青春コンプレックス」ではさらなる成長を感じさせる。

かき鳴らせ 光のファズで 雷鳴を 轟かせたいんだ
打ち鳴らせ 痛みの先へ さあいこう 大暴走獰猛な鼓動を
衝撃的感情 吠えてみろ!
(青春コンプレックス)

ここまで来ると結束バンドはかなり売れっ子になっている印象なのだが、はたしてそのような未来が来るのだろうか?でも想像させられるのが楽しい。同様に山田や伊地知がボーカルの「カラカラ」や「なにが悪い」はどういう経緯で作られたのか、作詞は後藤以外の誰かなのか、実際には谷口鮪が手掛けた「Distortion!」を後藤が書く未来が来るのか、そんな妄想が止まらない。そうさせるように言葉と音が紡がれているのが本当にすばらしい。

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結束バンドの『結束バンド』はアニメ、アイドルからロックを下敷きにした楽曲を本職の下北沢ギターロックの職人がアレンジし、そこに作品の声優が歌を入れた大クロスオーバーと言える作品だ。2000年から2010年代にかけてのいわゆる邦ロックを入り口に、架空の存在である結束バンドの現在と可能性としての未来が提示される。これは2020年代の『Sgt. Peppars』でもあり『Random Access Memories』だと思う。

このアルバムを聴いているとアーティストが作曲やボーカルでアイデンティティを見出す時代は終わりつつあるように思える。「結束バンド以前/以降」と呼ばれる可能性もある大傑作だと思う。何年でも待つので『結束バンド Ⅱ』をどうか何卒🙏


ぴっち(@pitti2210)はこのブログの管理人。ベストアルバムの集計中はこのアルバムに大変お世話になったけど、記事では書き手が集中したのでこのタイミングで書いたらまとめるのが本当に大変でした。