ネットの音楽オタクが選んだベスト平成ソング 50→1

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平成最後の10日間に362人が選んだベスト平成ソング、最後の50曲です。この記事を読んでいるあなたが「平成ソング」という言葉から想像するような曲はあまり入っていないと思います。まあわからないですけど。でもやっぱり入ってないと気が。なぜならこれは音楽オタク362人が選んだものだからです。呼びかけておいてなんですが、こんな結果になるとは思いませんでした。

この50曲をぜひ通しで聴いてみてください。いや最後の20曲、10曲でも良いので。コンセプトアルバムを通しで聴いた時のようななかなかの疲労感が得られると思います。濃いです。でもこれが平成という時代だったのでは?とも思います。一番下には不完全だけどプレイリストも用意してあります。それをコピーして手持ちの音源を追加して聴いてみてください。僕は毎日聴いてたけど楽しかったです。

来月は平成ベストアルバムもやるのでそちらでもよろしくお願いします。では最後の50曲です。(ぴっち)

 

50. 欅坂46「二人セゾン」(2016)

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自分は2016、17年の初めにかけての欅坂46がとても好きだった。他のどのアイドルよりも儚そうで、どのアイドルよりも危うくて、どのアイドルよりも輝いていたその姿に撃ち抜かれた。アイドルは寿命が短い、そんな事は誰もが理解している現実。だからこそ、アイドルは"今"だけを見る。欅坂46が歌っていたのも"今"に変わり無いけど、欅坂46だけは近い未来に感じる終わりとその儚さを「二人セゾン」で前面に出してきた。それが物凄く美しかった。「サイレントマジョリティー」の抑圧からの解放、「世界には愛しかない」の少女だから言える無責任な絶対、そして「二人セゾン」の儚い永遠。自分の中の欅坂46は、未だにこの3つで出来ている。

《一瞬の光が重なって 折々の色が四季を作る / そのどれが欠けたって 永遠は生まれない》と歌った21人の一瞬の永遠と、今はもう見ることのできないあの柔らかな笑みを思い出しては寂しいような、切ないような、幸福なような、そんな初恋みたいな気持ちになる。これからも、この永遠の輝きは増えることも減ることもせず、自分はお守りのように持ち歩いていくのだろうと思う。

ハタショー(@hatasyo5

 

49. 椎名林檎ありあまる富」(2009)

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もう僕は大人だからこの歌の矛盾を指摘することができる。歌詞の中の盗まれた何かが命を含むものだとしたら?と。価値が生命に従うものだとすれば、盗まれたものが命を含む場合「くだらないもの」とは言えないはず、と。

しかしそんな指摘に意味はない。なぜならここで彼女が言いたいことは「あなたを愛している」だからだ。彼女はいつだって大事な人への愛を言葉にしてきた。《行かないでね何処にだってあたしと一緒じゃなきゃ厭よ》《此処に居てずっとずっとずっと》と。そしてここは《もしも彼らが君の何かを盗んだとしてそれはくだらないものだよ》と歌う。あなた以外に大事なものは何一つない。恋人から母親に立場が変わっても束縛が強すぎないか?と思わないこともないけれど、やっぱりそう思ってくれる人が世界にたった一人でもいれば人は生きていける。そう思ってくれる人がいたことを胸に僕らは人生を歩むのだ。

ぴっち(@pitti2210

 

48. サカナクション新宝島」(2015)

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事前にリストを貰い、この曲のレビューを書くと宣言したところまでは良かったが、いざ書こうとするとまったく何も書けなかった。でも、書くと言ってしまった手前、途中で降りるのはダサいというプライドがあったので、取り敢えず曲を聴き直すことにした。書くために何十回も聴いた。一日中「新宝島」だけをリピートして聴いていた日もあった。こうしている内に、ひとつの感覚が湧いてきた。「この曲全然飽きないな」言い過ぎでも何でもなく、全然飽きなかった。フレーズやリズムの繰り返しにあるテクノの様な中毒性、他の日本アーティストの曲ではあまり聴けない"e"の母音の連打、作り込まれたカッコよさの中にある仄かなダサさ。これを1曲の中で、どんな層にも受け入れられる形に仕上げたサカナクションの凄さにあらためてやられた。

Childish Gambino「This is America」のMVに別の曲を合わせるとしっくりくる、と一時期海外で流行っていた遊び。これが日本では、様々な映像に「新宝島」を合わせたらしっくりくる、だった。音楽オタクにもネット民にも一般層にも好まれた、数少ない平成のヒットソング。その1つが「新宝島」だと自分は思っている。

ハタショー(@hatasyo5
 

47. 奥田民生「イージュー☆ライダー」(1996)

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「名曲をテープに吹き込んで」のところ、平成23年に番組の主題歌として制作されたバージョンでは「ディスクに取り込んで」になってました。名曲が単に残るのではなく移り変わりながら残るのが面白いですよね。多分そのうち「メモリ」になると思います。あとは「スマホで読み込んで」とか。ともあれ、どんなに歴史が進んでも、科学技術が発展してもこの曲がこうやって聴かれ続ける、そんな世の中であることをいちファンとして願ってやみません。

はっちゅ(@Hat_chyu

 

46. andymori1984」(2010)

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45. Homecomings「Hurts」(2016)

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幾度となく訪れる喪失感と、どうにもならないブルーなモヤモヤにうなだれたり発狂しそうになったりする日がある。そんな鬱憤を浄化するようなHomecomingsのインディーロックは、ショートフィルムに仕立てられたようなサウンドでリスナーの明度や彩度を上げ、ドラッグでは補えないような成分を含む治癒効果を生む。

この「Hurts」という曲には、不安定でナーバスな思春期の落ち込みとか、それが大人になってもつきまとって離れない現実とかを、些細なことで一喜一憂する尊さへと昇華させる働きがある。後ろ向きを肯定して、後ろ前に反転させる角度のポジティブ。綺麗さっぱり断捨離できるほど強い人間じゃないけど、"そんなこともあるさ"マインドを胸に置いておけば怖くない。大きな悲しみも、些細なことになる。傷を増やしては塞ぎながらなんとか生きていかなければならないのだしね。幾千数多あるシーンに寄り添うこの歌の助力でほんの少しばかりでも救われたのは、間違いなくひとりじゃない。

わど。つまり、ウラニワ(@wadledy

 

平成を思い出した時に、傷ついた記憶なんて数えるくらいしかあげられない。涙を流した日の半分も思い出すことができればいい方だろう。なんて言うと、あの時に傷ついた自分はどう思うだろうか。なかった事にするなって怒られるかもしれない。

でも、そんな痛みを抱えた僕がいたから今の僕がいるのかもしれない。あの頃よりは優しくなれただろうか。あの頃のように痛みの中にある大切なものに今も気づくことができているだろうか。相変わらず痛みばかりに目が向くけど、前よりは眠れるようになったよ。みんなはどうですか?

さこれた(@quit_love_

 

44. Cornelius「あなたがいるなら」(2017)

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43. 岡村靖幸「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」(1990)

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《青春って1 2 3 ジャンプ》というフレーズ、実際の青春を振り返るとジャンプどころか躓いて転びまくる日々だったと思う。その転びまくって、がむしゃらの中の日々の中に少しだけ空中に浮かんでいるかのような喜びの瞬間がある。

ここからは僕の青春でジャンプすることができたお話。あれは確か中学3年生の頃、そう、思春期真っ盛りのボーイだった頃。タルい授業をサボって近くの駄菓子屋に向かう途中、空き地にポツンとダンボールが1ケース置かれていた。覗き込むと溢れんばかりのアダルトヴィデオの山。マブのダチを速攻呼び込む。「この宝の山をどげんかせんといかん」俺の中の東国原が絶叫する。マブのダチは全てを理解して一言「まかせろ」。即座に兄貴を呼び出し、宝を救出するべくワゴン車を要請する。到着するなりダチの兄貴が一言、「さぁ、さっさとそのお宝を詰めるんだ」カッケー。しかしダンボールはそれなりの重さである。そして我々は重大なことを忘れていた。その日は雨が降っていたのね。つまり水たまりができてたのね。水を吸ったダンボールの底は完全にふやけていて、ダチの兄貴が持ち上げた瞬間、底からアダルトヴィデオが全て「ドカドカドカ」と崩れ落ちた。その瞬間、すべての流れが完全にスローモーションだった。ダチの兄貴の顔が忘れられない。俺たちはなんだかひたすらに笑い転げた。青春がジャンプした瞬間だった。一生忘れないな。もちろんアダルトヴィデオはその後ちゃんと救出しました。

うめもと(@takkaaaan

 

青春て、自意識過剰すぎた。いろいろ思い出すと、電車の中だろうが、真夜中だろうが、恥ずかしさやら、憤りやら何やら、複雑な思いがスパークしちゃって、わーって、叫び出したくならない?それでも、青春て可愛い。一生懸命で、いじらしくて、健気で、ほっとけなくない?きゅんとする。やっぱり美しいんだ。あなたの青春も私の青春も。

高校の体育館の匂い。練習中、突き指しちゃった時とかに、応急処置的にシュッてする、スプレーの匂い。女の子たちの、汗とシャンプーの匂い。この曲のイントロを聴くだけで、いや、聴かなくても、思い浮かべるだけで、あの頃の空気や匂いの中に、一瞬で魂がワープする。雪国の女子校だった。男女交際なんて、全く縁の無い、パッとしないオクテな子。卒業したら、東京さ行って、美人になって、ディスコで偶然、靖幸ちゃんに見初められて、とか、妄想してた。結局、ディスコで靖幸ちゃんに偶然出会うことは無かったけど。平成、楽しかった。令和も、きっと楽しいよ。私たちの中には、この曲が鳴り続けているから。あの頃も、今も、ずっと。

Julia(@Julia0721

 

42. ユニコーン「すばらしい日々」(1993)

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たおやかなアルペジオのループが心地よく、そして物悲しい。強く想いながらも、様々な理由でどんどん距離が離れていく無常さを歌った活動休止前ラストシングル。大人になっていけば納得できること、それでもやっぱりな、って思うこと。こんがらがってるけれど普遍的な別離の歌だ。《君は僕を忘れるから そうすればもうすぐ君に会いに行ける》と締めくくれば、いつかまっさらな気持ちでまた会いたい、という気持ちが滲みでてくるもので。だからこそ彼らはこの曲の存在に導かれ、それぞれが16年のすばらしい日々を歩んだ末に出会い直せたんじゃないか。そう思うと、やっぱり音楽って震えながら聴くものだよなぁ。

月の人(@ShapeMoon

 

41. スピッツ「チェリー」(1996)

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40. 星野源「くだらないの中に」(2011)

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女友達と行ったカラオケでこの曲を歌った時に歌い出しの歌詞で爆笑されたことがあったのだけど、ものすごく近い関係の"あなた"と貪り合う愛情って傍から見ればこれくらい恥ずかしくてわけわからないものではないのかい!と思い出して今でも憤慨しそうになる。そんな明け透けで笑っちゃうような戯れの光景から、日々の生活場面、そして群衆を眺める視点へ。ミクロからマクロへふんわり広がりながらも、その全てにおいて《くだらないの中に愛が》あることを、朴訥と歌う。お布団みたいなほわほわした曲調の中で、彼の描く真理が平易な言葉遣いで鋭く紡がれてある。

《僕は時代のものじゃなくてあなたのものになりたい》というフレーズは、今となっては予言的で畏怖すら感じるのだが、この曲と同じように向き合う対象をどんどん拡大させながら、"あなた"への目線をブレさせなかったからこそ、彼は普段着のままシーンのトップランカーになったのだろう。笑いながら生きる、ではなく、笑うために生きる、でもなく、《笑うように生きる》という締めくくりの言葉がとても好きだ。憤慨しそうな時こそ、かくありたいな、といつも思う。

月の人(@ShapeMoon

 

39. 乃木坂46君の名は希望」(2013)

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38. Perfume「エレクトロ・ワールド」(2006)

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がむしゃらに走り続けて、理想と違うところに辿り着いて、あれっ?道間違えたんだっけ?とうしろを振り返るとなにも残せていない、誰も待っていないことに気付いたときの絶望感。すべてバーチャルならばリセットボタンを押せばスタートに戻れるのに、これは現実だったのか。

いまでは信じられないが、解散が視野に入っていたPerfumeの背水の陣とも言える楽曲。この曲を筆頭に感じられる、消え入りそうな「儚さ」こそが、彼女たちから感じるエモさの根幹なのだと思う。少女から大人へと変化をしても、彼女たちは「逞しさ」を選ばず「儚さ」を抱えたまま進み続ける。女性としてそれで居続けることの難しさは、身に染みてよく知っている。だからアイドルグループは卒業を選んだり解散をする。

だがPerfumeは違う。永遠であると信じさせてくれる圧倒的な信頼と迫力があり、このまま最高を求めて行けるところまで駆け抜けて欲しいと、もはやこちらのエゴとはわかっていてもついつい軽率に願ってしまう。仮想ではない現実をもう少し続けて欲しい。うしろの道は私たちが知っているから。

やや(@mewmewl7

 

37. BUMP OF CHICKENロストマン」(2003)

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人生の帰路に立って思い悩んでいた時、友人に「どっちもきっとすこし後悔するしどっちも楽しいと思うから、決めたことは間違ってないって信じるべきと思います」と言われたことがある。平成という時代が歩んできた旅路が、正解だったのかは誰にもわからない。選択の連続の中で、悲しいことも大変だったこともたくさんあったし、嬉しいことも楽しいこともたくさんあった。きっと間違ったことだってあったと思う。今あらためて「ロストマン」を聴いて思うのは、30年の旅路の果てに辿り着いたこの令和という時代が、ただただ、いい時代いい時間であれということ。もしかしたら、あの時こうしていたら、今とは違う形になっていたかもしれない。ただ選ばなかったことそれ自体も、今こうしている瞬間とは切り離せない地続きの話で、そうであったからこそのひとつ。平成の終わり、シルシをつける現在地。この先どうなるかはわからないけど、僕らはきっと、今までの積み重ねが作り上げたこの時代の、その正しさを祈りながら、生きねばらないのだと思う。

かんぞう(@canzou

 

36. 小沢健二今夜はブギー・バック」(1994)

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僕はどちらかというと(smooth rap)の方が馴染みがあって、小沢健二さんの作品を聴く機会が最近ようやく増えてきたもので(nice vocal)もやっぱ良いなあと感じるようになりました。

僕は本家も好きなんですけど、「今夜はブギーバック」のカバー版が大好きな人間でネットに上がってる音源を改めてすべて聴いてきたんですけど、TOKYO NO.1 SOUL SET×HALCALIのバージョンがぶっちぎってかっこいいですね。あとKREVAのカバーと、Base Ball Bearチャットモンチー・シュノーケルの3組合同ライブで披露したバージョンも本当にすばらしいです。さらに言えばどうにかスチャダラパー本人がプロデュースした竹中直人×ワタナベイビーも聴いていただきたいです。

はっちゅ(@Hat_chyu

 

35. 宇多田ヒカル「光」(2002)

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女の幸せって一体なんだというのだろう。男の幸せだってそうだ。恋をして、終わりを告げ、一体またなにを誓うというのだろう。運命の人と運命の結婚をして、幸せな家族生活を送る?それが私の運命?いつの間にそんなものが決まっていたというのか。上手にレールに乗れない私に、運命が微笑むわけがないじゃないか。それでも時に運命はいたずらを仕掛けてくる。閃光のように自分の世界を照らす存在が現れる。

「光」とは彼女の本名に使用される漢字である。さらに歌詞にははっきりと「君という光」が出現する。これまで《どんな時だってたった一人で/運命忘れて生きてきた》「私」が「君という光」に見つかり、「私」はふたりが「光」のなかで溶け合うことを夢見る。ただし歌詞には「暗闇」「真夜中」という「私のいる世界」が現れる。ましてラストの《テレビ消して 私のことだけを見ていてよ》からは、「君という光」だけではなく、「私のいる暗闇」をも受け入れて欲しいという自己愛から抜け出せない様子も垣間見える。お互いのまるごとを貪りあうことこそが愛。運命と離れたところでは、君と私の同一化、それが彼女の願うことだったのかもしれない。それを叶えるには《完成させないで もっと良くして/ワンシーンずつ撮っていけばいい》はずだった。関係性に完成などないし、君と私の同一化も物理的には不可能だ。だがひとつずつの積み重ねですこしずつ近付くことはできる。それは光のように眩く、光のように脆い。愚直にそんな関係性を願うからこそ、今日はおいしい物を食べよう。

やや(@mewmewl7

 

34. 山崎まさよしOne more time, One more chance」(1997)

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12歳頃だったか、突然手元にウォークマンがやってきました。親戚のお下がりという年代物。 元々はカセットを聴くものだったようですが壊れていて、使える機能はラジオのみ。そんなことから聴き始めたAMラジオの中高生向けの音楽番組。 ちょうどランクインしていたのが、この曲でした。父の好きなフォークソングを聴いて育った私には耳馴染みの良いギターの音。柔らかい歌声。でも歌詞の意味も本当には理解できない子どもでした。

そのちょっと後、15歳頃に好きだった年上の人に貸してもらった弾き語りライブアルバム『ONE KNIGHT STANDS』で久々にこの曲と再会。いいよねって二人で暗号のように話していた日々。しかし別れは突然にやってくる。胸の痛みと共に歌詞の意味が理解できたとき、一つ大人になった気がしました。

かえで(@kaede_lily

 

一度でいいから、こんなふうに人を愛してみたかった。

やや(@mewmewl7

 

33. 電気グルーヴ「N.O.」(1994)

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私の部屋には2つのカーテンがある。1つは紺の遮光カーテンで、道路沿いのこの部屋の車の音を少なくしようとして買ったカーテンで、気に入っている。もう一つはオレンジ色のカーテン。引越しの時に実家から持ってきたもので、少しだけサイズが合わなくて、床に引きずってしまっている。

ところで、私には良くクラブに行っている友人がいて、フロアでもTwitterをしているようなのだが、時たま「俺には家庭があるぞー!」というつぶやきが流れてくる。曲に合わせてつぶやいているのだろう。

さて、つぶやきを見ている部屋の私。眺めるとちぐはぐのカーテン、かっこつかないなぁと思う。ついでに部屋に花瓶なんかなくて、あとは分かるね?私のほうは歳をとってもまだにこの歌のまんまでいるみたいです。うーむ。

チャイルドロック@yama51aqua

 

132. THE YELLOW MONKEY「JAM」(1996)

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31. syrup16g「Reborn」(2002)

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《昨日より今日が 素晴らしいなんて わかっている そんなこと 当たり前のことさ》なんて言えるその五十嵐の感性が素晴らしい。Syrup16gの独特な言葉選びと旋律への乗せ方がダウナーな美しさと変わり、その習慣に翻弄される。きっとこの先も同じモノは現れない唯一無二な存在だ。

生に対して前向きでなくても良いと肯定してくれるような彼らは決して万人ウケするようなロックではない。だから「引かれる」か「惹かれるか」の両極端ではないのだろうか。圧倒的に後者の私は平成という時代にいかに彼らの作品に救われただろうか。あまりにも美しすぎる名曲だと思う。

𝕐 (@y_3588)

 

30. モーニング娘。LOVEマシーン」(1999)

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今改めて聴いたらどう考えても中、高校生が歌って踊るにはけっこう扇情的というか、AKBとか乃木坂の曲でも時々物議を醸しているならこれも限りなくアウトに近いかなあ、という印象です。当時は何にも気にしなかったことですけど、後々後藤真希さんが恥ずかしかったとコメントしてましたね。

当時小学生だった自分の身の回りでモー娘。は「女の子がハマるもの」でした。むしろ僕みたいな男の子がモー娘。好きって言うと「え?」みたいな反応が返って来ました。そう言う同性への憧れや、身近な大人のお姉さんという空気感を持ったグループだと感じます。

はっちゅ(@Hat_chyu

 

29. cero「Orphans」(2014)

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時空を超えた強靭な"結びつき"についての物語。ボーイとガールの間に流れる運命的で絶対的なエネルギーを"パラレルワールドでは姉弟だったかもしれない2人"というすこしふしぎなシチュエーションを与えて描きあげている。一人称を切り替えながら語られる恋の数歩手前のような思慕が、《神様の気まぐれのその御手に掬いあげられて》というフレーズによって途端に世界線を揺らしながら跳躍してしまう。シンプルながらも驚異に満ちたこの筆致、何度聴いても感嘆する。

フルートが彩る小躍りしたくなるサウンドやメロウでしなやかな歌など、そっと口ずさめるような”何気なさ”がまた、楽曲に内包されている巨大な宇宙を際立たせていて圧倒される。聴き終わった頃に覚える掌編小説の読後のような淡い余韻もたまらない。日々を生きる中で、別世界へと思いを馳せて救われることだってきっとある。そんな視点を押し付けることなく、こんなお話があるんだよ、としっとり語りかけてくれてるようで胸に染みこむのだ。

月の人(@ShapeMoon

 

28. Mr.Children「innocent world」(1994)

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27. SMAP夜空ノムコウ」(1998)

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いわゆる王道のジャニーズアイドルではなかったSMAPが、世の中にミリオンセラーを叩き出した最初の曲が「夜空ノムコウ」である。アイドル衣装ではなくストリートにいる若者と同じような服を着て、しっとりと、未来やいまに対するぼんやりとした不安を歌った。その姿は、普段ジャニーズに興味のない同世代の若者たちに届き、多くの共感を生み、瞬く間にお茶の間に広まった。

「ベスト平成ソング」ランキングの唯一のジャニーズ作品のランクインがSMAPであり、この曲が選ばれたことは非常に感慨深い。彼ら最大のヒット曲であり、いまやJ-POPのスタンダードナンバー「世界に一つだけの花」で歌われた《ナンバーワンよりオンリーワン》というフレーズには、流行語のような働きがあった。この言葉には競争による価値を重んじるものではなく、互いの個性を認め合い、それぞれの立場にある多様性こそが価値であるという意味が託されている。平成という時代はゆとり教育などがおこなわれ、個性を重視する空気を作ろうとしたけれど、この曲が語るように、実際には人がなにかを信じることに立ち止まってしまった時代だったのかもしれない。夜空はいつまで続くのかなぁ。夜空のむこうにはもう明日が待っているというのに。

やや(@mewmewl7

 

高校生のときから、大学ではアカペラサークルに入るって決めていた。憧れていたサークルの門を叩いて、うきうきしたきもちで新歓練習っていうのに参加した。突然楽譜を渡されてパートごとに少し練習したあと、即席のアカペラバンドを組まされて、大勢の先輩の前で歌って、けちょんけちょんに講評された。何を言われたかは覚えてない。それが「夜空ノムコウ」だった。声なんか高くないのにトップコーラスだった。その後のサークル生活は肩身が狭いままで、歌の練習をせずに裏方のスタッフばかりしていた。でも舞台袖から5人ないし6人の並んだ横顔を見るのがだいすきだった。

アカペラサークルにいたって言うと「歌上手いんだね」って言われるけど、それは大きな間違い。でも「夜空ノムコウ」のコーラスのラインは覚えてる。《君が何か伝えようと》のところで上ハモしちゃう。ウウーウィーウー、って、ララダン、って言っちゃう。そんなことを思い出して久しぶりに口ずさんでみた。やっぱりわたしの歌はうまくなかった。

はやしこ(@rinco_hys

 

26. Perfumeポリリズム」(2008)

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この曲が日本のポップス界にもたらした革命的なこと、それは「人の歌声は楽器である」という認識をもたらしたことです。つまりこれまで存在したあらゆる歌にとって、歌詞は人間が発する意味のある言葉だったところ、この曲、特に「ポリリズム」というワードは単純にピアノやギターと同じ「音」でしかない、それ以外の要素は存在しないという境地。言葉になっている以上聴いてしまうと意味を当然考えてしまうけど、日本語の歌における言葉の意味とかメッセージ性とか、そういった呪縛から解き放ってくれるほとんど前例のない曲でした。

まあ落ち着いて考えれば「ポリ」がポリマー素材のことだしさらに「複数の」の意味で音の反復や複数の異なったリズムが鳴りまくる間奏部分のことだってわかるんですけど、そんなこと初見時から見破ったプロはそこまで多くなかったはずですし。

はっちゅ(@Hat_chyu

 

25. フラワーカンパニーズ「深夜高速」(2004)

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初めて聴いたのは、はせがわかおりというシンガーソングライターのライブで。その後たくさんのバンドや歌い手がカバーしていることを知って、この曲だけでコンピレーションアルバムがあることを知って、そのうちわたしがすきな高橋優までカバーして、本家にたどり着くまでずいぶん時間がかかってしまった。曲の前半で多かった自問自答が、夜を探していた日々が、最後の言葉の歯切れに繋がっている気がした。目には見えないけど「生きててよかった。」と句読点がついているのだ。

たくさんのひとが、この曲を歌いたい、と言っていた。ミュージシャンだけじゃなくて、カラオケで、部屋で、外で、歌いたいと言っていた。受験が終わったら。仕事を辞めたら。夢が叶ったら。もう少し生きてみたら。カバーよりもオリジナルをうたっているほうがすきだな、と思うけど、この曲を"聴きたい"よりも"歌いたい"が多い世界ならいいな。そうだな、大切なひとたちには「生きててよかった」と言ってほしいな。

はやしこ(@rinco_hys

 

24. スーパーカー「YUMEGIWA LAST BOY」(2002)

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この曲を聴くと、音楽って不思議なものだなと思わされる。音からはエレクトリカルな浮遊感と同時にスペイシーな疾走感を感じる。意思や意図はそこで鳴っているはずなのに、耳ざわりのよさに邪魔されてまったくそこに辿り着けない。歌詞について眺めてみても、ほぼ8フレーズの繰り返しで、ソリッドなことばに意味はないように感じる。繰り返される音は記号に過ぎないのではないか。《崇い未来への礼に》ってどういう意味なんだろう?と意味を求めることが無意味に思えてくるくらい心地よい。だからこそ解明したくて歌詞カードとにらめっこしてしまうし、だけど音にやられてただただ気持ちよくエンドレスリピートしてしまう。

歌詞のストーリー性やメッセージ性に重きを置いて音楽を聴いている人にはとくに、歌詞の概念を崩壊させるであろう楽曲。にくいぜ石渡淳治

やや(@mewmewl7

 

この企画に参加する際に一番最初に浮かんだのがこの曲だ。この曲を好きになってから色々な音楽に出逢ってきた。昔より難しいことを考えて音楽を聴くようになってしまったかもしれない。そうやって歳を重ねても、いつだってこの曲の中に吸い込まれて、いつだって眩しさに覆われる。難しいことは抜きに、流れている音の世界に没頭できる。それは実はとても難しくて、貴重な瞬間なのだ。

さこれた(@quit_love_

 

23. くるり「ロックンロール」(2004)

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平成における、くるりは時代とともに音楽性とメンバーを絶妙に変え音楽会をリードし続けました。Maroon5のように流行りに合わせて変えるやり方ではなく、くるりがやったことに時代がついてきてしまう部分が最高にロックなんだと思います。でも、どの曲を聞いても、くるりらしさがしっかりある。スピッツと同じかもしれません。

前置きはここまでにして、この「ロックンロール」は、始まったと思ったら、いつの間に終わってしまうんです。耳に馴染んでくというか、身体に浸透するというか、幽体離脱した魂が自然に体に戻ってくるような。懐かしさと安心感があります。

曲は言わずもがな平成を代表する名ギターリフです。一生このリフを聞いていたいし、リフだけ着信音にしたいぐらいです。あと、2回目のAメロの「それでも君は笑い続ける〜」でのクラッシュシンバル1発が素晴らしいと思っています。歌が始まってここまで実はクラッシュはなくて曲が進んでいくんですが、耐えて耐えて1発で曲の雰囲気を変えるというが個人的には大好きです。この1発にぜひ注目して聞き逃さずに聞いてみてください。

ヴィキ(@yukky478

 

22. スーパーカー「Lucky」(1998)

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退屈な音楽。それが「Lucky」を聴いた時の最初の印象でした。いや、あのね、彼らの音楽を形容するときに「退屈」という言葉は使われ過ぎているし、失礼な言葉だし、ナカコーたちもあまり良く思わないだろうから、あんまり使いたくないんだよ?でも、あのなんだかもやもやしていて、それなのになんだかいらいらしていて、そのくせどきどきして、その割にしらけているあの時間のことは、どうしたって「退屈」という言葉以外では形容しようがなかったんだよ。スーパーカーの音楽は、励ましたり気持ちを高めたりかなしくさせたりせずに、私の気持ちとまったく同じ温度のまま、無限に流れ続けてくれていた。

今、あの時間を振り返ってみると、不思議なことにキラキラしていたようにも思えて、変な気持ちになる。そういえば、この曲だって信じられないくらいキラキラしているんだよ。よく考えてみたら、退屈とかその前に私の知っている中でいちばん美しい音楽のように思う。もうあのイントロを聴くだけで倒れてしまうの。いつだって私の音楽でいてくれるね。

チャイルドロック@yama51aqua

 

21. 電気グルーヴ「虹」(1995)

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20. 斉藤和義歌うたいのバラッド」(1997)

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19. Hi-STANDARD「STAY GOLD」(1999)

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当時高校生だった。それはほんのり汗ばむ季節に突然、友人が貸してくれたCDが『MAKEING THE ROAD』。黙って「STAY GOLD」聴けよとゴリ押しされ、聴いた瞬間に好きになった。メロコアというジャンルを知った瞬間だった。バンドの音は軽くてもいい、ただ熱さが無ければがいけない。という価値観を植え付けられたことを覚えてる。その衝撃を忘れられない。余計なものをそぎ落とし、シンプルに心を奮い立たせる、そんな名曲。

𝕐 (@y_3588)

 

18. くるり「東京」(1997)

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自分はどうしても東京に住みたくて引っ越したくて、あらゆる手段を講じたんですが結局それが叶わず、おそらく「東京に住む」という夢がもう二度と叶わないのだろうなあという状況なのですが。どこか遠いところに大切な人を置いてきてしまったという距離感と切なさ、東京という街の力に潰されそうになりながら力強く歌われるこの曲の味わいを、120%感情移入して聞けないというのはとても劣等感を覚えます。それだけ岸田さんの追い込まれ方が芸術として最高の形に結実したのだと思います。まあ数年後、くるりの曲が京急の列車接近メロディになるくらいには、東京に馴染んでいくのですけど。

ちなみにこの曲の印象的なイントロですが、実は指二本あれば弾くことができます。その後のコードも結構簡単なので、東京の喧騒に押しつぶされそうな君もギター片手に挑戦してみよう!

はっちゅ(@Hat_chyu

 

17. 東京事変群青日和」(2004)

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「新宿は豪雨」という歌い出しが既に強いですよねこれ。東京事変後期になるとこの曲はキーボード担当の伊澤一葉さんまでギターを持ってトリプルギターで演奏されてましたけど、よくよく考えたらこの曲ってH是都Mさんが作曲してるわけだから今思えば思い切ってるというか不思議な流れですよね。個人的には元々の音源にある晝海幹音さんのハードなギターの音が大好きなんですけど、普段シャープな音を演奏する浮雲さんが間奏でわけわからない爆音かき鳴らしてるのもすごく好きです。

はっちゅ(@Hat_chyu

 

16. スガシカオ「黄金の月」(1997)

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あらためて聴き直したが、ここまでこの曲が『暴動』の頃のスライ・ストーンとテイストが近い楽曲であったのか、と心底驚いている。暗く、小さい部屋でリズムボックスとオーバーダビングで作られた『暴動』は仲間で演奏する華やかさはないが、宅録ならではの閉塞性と、いかなる暴動も起きてほしくないテーマ性、自由に創作をするスライ・ストーンという人物が濃縮された1枚である。

そのスライに感化されたのが、スガシカオだ。インタビューで自らのルーツを挙げるときにはスライのアルバムを挙げて、自分のバンド名を「SIKAO & THE FAMILY SUGAR」と名づけるくらいに徹底した敬愛を持つスガシカオ。そんな彼の代表曲「黄金の月」もリズムマシンや、ワウの効いたギターなど、スライ&ファミリー・ストーンの「Family Affair」などを思い出すが、スガの歌声からは、ファンクが持つニヒルさも、圧倒的な声量も感じない。ひたすらメロウで、優しく寄り添う歌声は、日本特有の歌謡曲的なものだと言える。だから耳なじみもよく、日本で愛された作品になったのだろう。「日本でファンクをやるならば」という行き着いた答え、それが「黄金の月」なのだ。

ゴリさん(@toyoki123

 

15. 宇多田ヒカル「Automatic」(1998)

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14. 小沢健二「ある光」(1997)

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この曲がエントリーされた中で彼の一番人気になった(しかも結構な上位にいる上にリリースされていた期間はそれほどでもないのに)ことはファンとしてすごく誇らしい、と喜びを噛み締めている。自分はあまりに好き過ぎて「時代に縛る」ということをしてはいけない、と票を投じることはしなかったのだけども、それでも周りがきちんとこの曲を一番の名曲だと評したことは唯々幸せだと思っている。

闇の中から見出す光。それは希望かもしれない、はたまた終点なのかもしれない、いやそうじゃなくて届かない輝きなのかもしれない。今乗っている(流されていると言える)人生のレールを降りて踏み出す先に見えるのは赤に青に黄の行く道に灯る信号機の光。そっちじゃない、踏み出す先はどこまでも広いどこにでも向かえる海。「君は思ったよりも自由なんだよ」とこの頃は子供のふりをしていた実は大人の小沢健二はそう語りたかったんだろうな、と聴く度にさぁ行けよ、行けばその答えがわかるよ、と背中を押され感じるのだ。

もさもさ(@megane_ry_rsr

 

13. 椎名林檎丸ノ内サディスティック」(1999)

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シンプルでアナログチックなドラムと、マイルドなベースが印象的な音色と難解極まりない歌詞こそが「丸の内サディスティック」。感性と隠語とカルチャーを全面に打ち出した難解な歌詞を作り上げては、当の本人椎名林檎は「深読みしないでね」というそのスタンスが最高。《マーシャルの匂いで飛んじゃって大変さ》《青 噛んで 熟って 頂戴》《グレッチで殴って》などの危険性を感じるこの歌詞に、一体どれだけの人がドキドキしたことか。

そして何よりシングルカットされていないこの曲がノミネートされていることでいかに平成を彩る名曲なのかが伝わることかと。解釈しきれない歌詞と、ソロ〜東京事変期とこの曲にはいろんなverがあり、今でも全てを味わい尽くすことができないような味わえる名曲。伝わりきらない美しさ、それこそが椎名林檎だから出せる世界観。色褪せない1曲だ。

𝕐 (@y_3588)

 

12. NUMBER GIRL「透明少女」(1999)

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疾走感溢れるギターのリフに、力強さのあるベース、一音一音に力強さを感じるドラムス、なんとも言えないThis Is 向井秀徳と言わんばかりの温度と儚さを感じる歌詞。そう、それこそが「透明少女」。凛とした少女、都会の騒がしさ、日常に忍び寄る狂気…これを落とし込むのがナンバーガールである。ティーンエイジ特有の勢いや感性をそのまま世界観に落とし込むかのような曲だ。

ナンバーガールは4人すべてメンバーの音色を掛け算で力強さと疾走感を産みそれが熱となり、魅了された。無条件にアドレナリン放出される。気づいたら99年を彩ったのは間違いなく彼等だった。

𝕐 (@y_3588)

 

11. 星野源「恋」(2016)

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10. キリンジ「エイリアンズ」(2000)

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9. THEE MICHELLE GUN ELEPHANT「世界の終わり」(1996)

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THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの始まりにして終わりの曲。 『Chicken Zombies』はとてもよく聴いたけれど、後期はあまり聴いていなかった。ライブにも行けず終わってしまった。住んでいた街によく来ていたはずなのに。大人になったらライブ行こうと思っていたのに。 後にラストライブの映像見て、この曲で泣いてしまった。まるでバンドの終わりの姿がチバユウスケには見えていたのではないだろうかと思うぐらい最後にふさわしい曲だった。

かえで(@kaede_lily

 

チバユウスケは日本で指折り数えれるロックスターだと思う。男というより漢。エフェクターもほとんど使わず単純なコード進行で分かりやすいロックを届けてくれるところが最高にクール。ミッシェルってあのチバのしゃがれ声に惚れがちだけど、聴いていると歌詞や他のメンバーの音色の虜になってたんですよね。ひとつのシーンを切りとって作られた歌詞は共感はできないけどとてもドラマチック。「世界の終わり」は紅茶飲みながらパンまで焼いて、まったりのんびり待っているなんて誰が共感できるのか。しかしあの時大切にしていたのは共感よりも格好良さで。ミッシェルには格好良さしか詰まってなかった。格好良さとは何ぞや?と教えていただいた1曲。

𝕐 (@y_3588)

 

8. くるり「ワールズエンド・スーパーノヴァ」(2002)

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他に誰もいない自分だけの部屋でヘッドホンを付けて再生ボタンを押そう。そして目を閉じよう。ここには音楽しかない。踊るのも歌うのも自由だ。何をしたって良い。君を苦しめるものは何一つ存在しない。ここは世間の雑踏とはかけ離れた場所だ。ボリュームを上げて、でも上げすぎは耳に良くないから気をつけて、そして音楽に身を任そう。

音楽に意味なんてない。音楽に理由なんて存在しない。だから本当は音楽を説明する必要なんてない。良い音楽と悪い音楽、そんなものは聴けばわかる。君が決めればいい。誰かの判断に左右される必要なんてない。君が気持ち良いと思うものを思うがままに楽しめばいいんだ。お金、地位、愛、憎しみ、怒り、ここではそんなものはくだらない。技術だって必要最低限でいい。音楽さえあればいい。音楽があれば僕たちは無敵だ。なぜなら僕たちは音楽がなければ生きていけない人種だからだ。さあもう一度再生ボタンを押そう。僕たちは無敵だ。

ぴっち(@pitti2210

 

7. 神聖かまってちゃん「ロックンロールは鳴り止まないっ」(2010)

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TSUTAYAが閉店した?ロックは死んだ?動画サイトから火がついたネット世代のバンドも、あれからもう10年が経つ?それでも鳴り止まないんだろうよ、いつの時代でも。そういや、ビートルズピストルズもまだ碌に聴いてないな。古いもんも、未来のもんも、ずっとずっと楽しみだよ。

わど。つまり、ウラニワ(@wadledy

 

6. Mr.Children「終わりなき旅」(1998)

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5. スピッツ「ロビンソン」(1995)

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4. tofubeats「水星」(2013)

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平成に入り、景気は低迷し、経済はほぼ横ばい状態。ステージが上がらず、フラットで生きづらい毎日。90年代、その空気を岡崎京子ウィリアム・ギブソンの詩を使い「平坦な戦場」と言った。ゼロ年代宇野常寛は『ゼロ年代の想像力』の『木更津キャッツアイ』評で、宮藤官九郎は郊外で住むことを肯定し「平坦な戦場」を過去のものとした、と語った。しかしリアルに生活する私たちは現実を肯定できたのか。少なくとも、私は2010年代も「平坦な戦場」は引き継がれており、その証明がtofubeatsの「水星」であると確信する。

2012年にiTunesで総合アルバム・チャートで1位を獲得した「水星」は郊外で変わらぬ毎日を送る私たちへ、iPhoneiPodがあれば、いつでも理想郷へ行ける、と歌にした。一緒にはしゃぐ仲間もいない。いつ破綻するかわからない現状。でも辛いことがあれば、インターネットに逃げれば良い。生きづらさと現実逃避をリスナーと同じ目線で歌い、平成の私たちを代弁したのがtofubeatsではないか。しかし5年後にインターネットに失望し、彼は『FANTASY CLUB』という大傑作を作るが、それはまた別の話。

ゴリさん(@toyoki123

 

3. BUMP OF CHICKEN「天体観測」(2002)

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《そうして知った痛みが未だに僕を支えている》という臆面も無き自己肯定がクライマックスで歌われるの聞くと、自分の業を自分で肯定できている時点で実は「君」なしでも「僕」は大丈夫なんじゃないかとふと思います。だけど、自分自身だけは必ず自分の味方になれるということは大事な事実だけどそれはそれとして、それでもなお、誰かに会いたい、誰かと何かを追いかけたい、そういう情念を力強く鳴らした眩しい歌です。

ところで3年くらい前に気づいたんですけど、この歌のメロディはフレーズの終わりでほぼ必ず音階が下がるようになっています。《雨は降らないらしい》も《握ろうとしたあの日は》もそうで、歌い終わりで音が下がります。でもキーが上がりっぱなしで歌い切る、希少な部位がちゃんとあります。それは《イマという ほうき星》のところです。まるで、堰を切った想いが一瞬だけ力強く解放されるかのように、メロディ構成によってこの一言が破格のドラマチックさを引き受けて歌い上げられるのです。作為的かは定かでないですがそんな仕掛けが潜んでいます。

カラカル@Apteryx_Iwk

 

これもまた極私的な話ですが、中学2年生の時「天体観測〜ほうき星を探して〜」という共同ブログをやっていました。藤原基央さんの書いた詞を印刷してファイルにいれて持ち歩いて友達と見せ合っていました。ほんとに恥ずかしいね!今書いててもまだ恥ずかしい。恥ずかしいんだけど、でも、あの時間がすべての始まりな気がしている。あの時、BUMPを聴き始めたのがきっかけで、色々な音楽を聴くようになった。あのヤフーブログはとっくになくなったけど、今ははてなブログになって、みんなでレビューを見せ合っている!ばかみたい!もちろん、少しは変わったけれど、今もずっとあの時のままなのかもしれない。

かつて今だった過去が積み重なって今を作っている。この歌は、そんな当たり前のことを思い出させてくれる。こんなふうに時代の節目なんかに後ろを振り返った時に、私はかつての自分の気持ちを思い出すようにこの歌を選びました。きっとみんなもおんなじようにそうなんだってこと、ずらっと星の数みたいに並んだレビューを見てると思う。みんなのいつかの今がここにあるんだと思うとなんだか泣けてきてしまいます。

チャイルドロック@yama51aqua

 

2. フジファブリック若者のすべて」(2007)

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僕は何度か、志村正彦時代のフジファブリックのライヴに行った事はあるが、生前にこの曲をライヴで聴けなかったことだけが悔しくてしかたがない。彼らの言葉の使い回し、異質な歌い方、そのどれもが魅力的であったが、「若者のすべて」にはそんな"フジファブリックらしさ"とは違った部分がフューチャーされた楽曲だったと思う。「若者のすべて」のよさ、それは"素直さ"である。この曲の歌い方はそれまでの志村と違い、めっぺりと、時にしゃくりあげて高低差をつけるような歌唱ではなく、非常にまっすぐエモーショナルに歌われている。それに歌詞に関しても、古風さ、トリッキーさを排して、「花火大会で好きだったあの子にまた会えるかな」とイノセントすら感じるテーマ性をキャッチーに描いている。フジファブリックらしくない1曲であった、と言ってしまえばそれまでなのだが、でもこの曲がこれだけの順位であるという事は、これもフジファブリックらしさなのかもしれない。

ゴリさん(@toyoki123

 

人と継続的に関わるということが本当にできない私は、同じ時期を過ごしていない人との連絡をすぐにやめてしまう。小中高や専門学校の同級生にはほとんど会っていない。いまこの瞬間を生きている人に「過去の人」が会うこともなかろうと思ってしまう。そんな考え方で今まで生きてきたから長い付き合いができないのはある種当たり前だし、戻らない過去を嘆いて泣くなんて昔は想像もしていなかった。

《最後の花火に 今年もなったな》ときいて思い出すのはつい数年前のこと。Twitter経由で知り合った友人2人と駒沢オリンピック公園で花火をした。風は強いわ花火は時化てるわで散々だったのだけど、べらぼうに楽しかった。

その後2人はそれぞれに、良き人と結婚をした。双方のお相手ともちょくちょく遊ぶし、可愛がってもらってもいる。それでもこの曲を聴くたびに、その日のことを思い出しては途方に暮れてしまう。私だけが変われずにいることや、可能性が閉ざされていくことを痛感してしまうからかもしれない。みんな幸せそうで何よりだ。しかし私はどうだろうか。そんな身勝手なことを思いながら、また夏を待っている。

まっつ(@HugAllMyF0128

 

1. くるり「ばらの花」(2001)

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清廉なピアノの音色の反復が、悩ましげな想いと重なって聴こえてくる。淡々とメランコリアを積み重ねるような編曲で、心に雨を降らせてしまう1曲だ。印象的な《安心な僕らは旅に出ようぜ》というサビの歌詞、きっとちっとも安心なんてできていないけれどこう言うことでしか前に進めなかったんだろうな、って思ってしんみりしてしまう。弱虫にしか分からない歌があるのだ。この曲が演奏された日のライブハウスではジンジャーエールの売り上げが割とあがるのはきっと、みんなどんな味だったか確かめずにはいられないから。まるで自分の弱さを確かめるように、ぐびりと飲むのだ。

月の人(@ShapeMoon

 

ネットの音楽オタクが選んだベスト平成ソング 50→1

1. くるり「ばらの花」
2. フジファブリック若者のすべて
3. BUMP OF CHICKEN「天体観測」
4. tofubeats「水星」
5. スピッツ「ロビンソン」
6. Mr.Children「終わりなき旅」
7. 神聖かまってちゃん「ロックンロールは鳴り止まないっ」
8. くるり「ワールズエンド・スーパーノヴァ
9. THEE MICHELLE GUN ELEPHANT「世界の終わり」
10. キリンジ「エイリアンズ」
11. 星野源「恋」
12. NUMBER GIRL「透明少女」
13. 椎名林檎丸ノ内サディスティック」
14. 小沢健二「ある光」
15. 宇多田ヒカル「Automatic」
16. スガシカオ「黄金の月」
17. 東京事変群青日和
18. くるり「東京」
19. Hi-STANDARD「STAY GOLD」
20. 斉藤和義歌うたいのバラッド
21. 電気グルーヴ「虹」
22. スーパーカー「Lucky」
23. くるり「ロックンロール」
24. スーパーカー「YUMEGIWA LAST BOY」
25. フラワーカンパニーズ「深夜高速」
26. Perfumeポリリズム
27. SMAP夜空ノムコウ
28. Mr.Children「innocent world」
29. cero「Orphans」
30. モーニング娘。LOVEマシーン
31. syrup16g「Reborn」
32. THE YELLOW MONKEY「JAM」
33. 電気グルーヴ「N.O.」
34. 山崎まさよしOne more time, One more chance
35. 宇多田ヒカル「光」
36. 小沢健二今夜はブギー・バック
37. BUMP OF CHICKENロストマン
38. Perfume「エレクトロ・ワールド」
39. 乃木坂46君の名は希望
40. 星野源「くだらないの中に」
41. スピッツ「チェリー」
42. ユニコーン「すばらしい日々」
43. 岡村靖幸「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」
44. Cornelius「あなたがいるなら」
45. Homecomings「Hurts
46. andymori1984
47. 奥田民生「イージュー☆ライダー」
48. サカナクション新宝島
49. 椎名林檎ありあまる富
50. 欅坂46「二人セゾン」

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