POLLYANNA「Wandering on the satellite」
2015年10月21日、僕はTSUTAYA O-WESTに来ていた。沖井礼二と清浦夏実によるバンド、TWEEDEESと北川勝利(ROUND TABLE)のツーマンライブを見るためだ。この2組のサウンド面を担う沖井礼二と北川勝利がデビューしたのは1990年代後半、彼らの奏でる音楽は一般的には”ポスト渋谷系”と呼ばれている。そのためか詰めかけたお客さんはやや年齢層が高いように感じた(もちろん、彼らを近年の楽曲提供などで知った若いリスナーもいたであろうが)。
後攻であるTWEEDEESが本編の最後から2番目に演奏したのは沖井礼二がかつて率いていたバンド、Cymbalsの「怒れる小さな茶色い犬」だった。
イントロ後、一瞬の間の後に盛り上がるオーディエンスと曲が鳴り止んだ際の歓声。ボーカルの清浦さんは嫉妬もしたのではないだろうか、過去のものでありながらもこのような熱狂を未だに生み出すCymbalsという存在に。だからこそその直後の、彼女による
という未来への宣言は僕らの心に響いた。しかし、逆説的に言えるのは2004年に解散したCymbalsというバンドがこれほどまでに僕らを魅了し続けてやまないという素晴らしさでもある。今年の2月に素敵なアルバムをリリースしてくれたOK?NO!!をはじめ、様々なミュージシャンに現在も影響を与えているのは確かだ。
前置きが長くなった。今回紹介したいのはこのツーマンライブを見に来ていたバンド、POLLYANNA(ポリアンナ)である。
POLLYANNAというバンド、Cymbalsやrisetteが好きな人がハマりそうな女性ボーカルの“(自称)次世代渋谷系”で、アニソン的な速度感もあれば、今のポップバンドシーンにも対応できるサウンドっぽく聴こえるので今年イチの掘り出し物っぽい
— takumi nakamura (@tacker_domingo) 2015, 10月 23
このツイートの「Cymbalsやrisetteが好きな人がハマりそうな女性ボーカルの次世代渋谷系」という言葉によってPOLLYANNAに引き寄せられた僕もまたCymbalsの影を追っているのだろう。2014年6月に結成された彼らは自分自身を「最新型渋谷系ポップバンド」と名乗り、上記のツーマンライブ後にはTWEEDEES、北川勝利の音楽を目標ともツイートしている。
TWEEDEESのROUND TABLE北川さんのツーマン本当に最高でした!自分達の目標とする音楽が間近で聴けて、それだけでも成長できた気になるほどに素敵な演奏でした。早く皆様に知ってもらえるようPOLLYANNA精進していきます。 pic.twitter.com/tEf4vFbX9b
— POLLYANNA (@POLLYANNA_info) 2015, 10月 22
何はともあれちょうど1年前に公開された彼らの「Wandering on the satellite」を聴いて欲しい。
弾けるギターポップ!イントロに鳴らされるピアノとドラムからはCymbalsを愛好してやまないリスナーなら聴き始めて3秒で「Highway Star, Speed Star」が思い起こされるのではないだろうか。メロディを奏でるピアノとギターに並行して歌われる熱くなりすぎないボーカルもとってもキュート。何とも上手く説明できないのだけれど、一言でいうと僕がバンドを組んでいたらこんな音楽をやりたいと思わせるキャッチ―で爽やかなサウンドだ。絶対的に支持。今のところ流通している音源はないのだけれど、制作も一段落したというアルバムの発売にも期待です。なお、現在はボーカルが代わっているとのこと。
RO69JACK2015にも参加していたようで、下記のサイトでは「Long spell of rainy weather」という曲が聴けます。
こちらの曲も最高なので是非。12月のギターポップレストランでは上で挙げたTWEEDEESと共演するという。憧れの彼らと共演することで刺激を受け、最高のバンドへと成長していくことを期待する僕だ。
blue.y(@9blue_y)