終着点という名の通過点 -a flood of circle 日比谷野音ワンマン-

昨年10月に千葉LOOKを皮切りにスタートした、a flood of circleの『I'M FREE』リリースに伴う全都道府県ツアー。特別編の沖縄を残してのファイナルはワンマンとしてはバンド史上最大規模の日比谷野音

あくまで『I'M FREE』の曲を軸としながらも、合間にカバー曲や過去曲を挟んだセトリ構成なのだが、半年に及ぶツアーを経てきたことにより、ツアー開始時はおろか、年明けの赤坂BLITZ時よりも見違えるほどに進化している。ボーカル佐々木亮介のカリスマ性はもちろん、曽根巧のサポートメンバーとは思えないほどのコーラスの比率、妖艶さを増したHISAYOのベース、さらに野性味溢れる渡邉一丘のドラムのリズム隊からは曲を完全に乗りこなせるようになったからこその余裕すら感じる。

ロックバンドは10本ほどのツアーですら初日とファイナルでは別人というほどの成長を見せる。となると全都道府県でのツアーを経てきたこの日のa flood of circleが過去最強の状態だったのは必然であり、ツアー1本1本ごとにバンドが課題をクリアしてきたことがよくわかる。

特に素晴らしかったのは、アンコールに演奏された、リリースされたばかりの最新シングル収録の「アカネ」。両A面の「KIDS」は狂騒的なライブ映えする曲だが、対象的なバラードであるこの曲は、この日この場所に来てくれた観客を手を広げて迎えるようにも、長い旅から帰ってきたバンド自身を迎えるようにも温かく響いた。

本編終盤とアンコールでは勝手にしやがれホーンズとの共演というスペシャルなコラボも披露し、佐々木亮介はステージを去る際、

「ここが終わりじゃない。まだまだヤバイ景色を見せてやるからついて来てくれ」

と言った。この先に見えるのは間違いなく日本武道館。まだ武道館に辿り着いていないバンドの中でこのバンドほど武道館のステージが似合うと思うバンドは他に思い浮かばない。これまでここぞというタイミングでバンドとしてリセットボタンを押さなければいけない状況に陥ってきたが、それでも一歩ずつ確実に階段を上がってきた。だからその時まで、そしてこれからも歌ってくれ、ロックンロールバンド。

1. I'M FREE
2. ロックンロールバンド
3. Diamond Rocks
4. God Speed You Baby
5. KINZOKU Bat
6. Iron Man (Black Sabbath cover)
7. Blues Never Die (ブルースは2度死ぬ)
8. 俺はお前の噛ませ犬じゃない
9. Blues Drive Monster (the pillows cover)
10. The Future Is Mine
11. オーロラソン
12. 僕を問う
13. KIDS
14. Human License
15. Dancing Zombiez
16. プシケ
17. 感光
18. 理由なき反抗 (The Rebel Age) (w/勝手にしやがれホーンズ)
19. Beer! Beer! Beer! (w/勝手にしやがれホーンズ)

encore
20. アカネ (w/斉藤淳一郎)
21. Sweet Home Battle Field (w/勝手にしやがれ
22. シーガル

 

 

ソノダマン(@yoppeleah

主にロックバンドのライブのセトリや全体の空気感をなるべく早くアップするブログ