宅イチローの活字DJごった煮mix 第2回

ダンスフロアーに薄暗い光、どうも宅イチローです。前回気持ち良かったんですぐ戻ってきちゃいました。

S.l.a.c.k.『I'm serious~好きにやってみた~』(日本 2008年)

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今夜はブギー・バック」の何が凄かったって、「リア充たちの慰み物で終わらなかった」ことだと思うんです。クラブなんぞに行く勇気もない、現場感覚の無いインドアなリスナーにも支持され歓迎されたことが本当に重要。ライブやクラブで音楽を「体験」し他者と「共有」する必要のないクラブアンセムでもあったわけです。諦めずに音楽を聴き続けているとたまに出会う、「ひとりきりの部屋で音楽を介して世界と繋がる」それこそ魔法のような楽曲。彼の音楽にもまさにそんな魔法がふんだんにかけられており、現場もネットも一緒くたになって新しい流れの誕生を祝福したわけです。部屋で鳴ろうがフロアで鳴ろうが、僕らは音楽の馬車に乗り遠い国へと行ける。悠々自適、自然体のラップスタs.l.a.c.k.aka 5lackのデビューアルバム。

FAITH/VOID『SPLIT』(US)

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スプリット盤ってさ、喧嘩ですよね。殴り合いですよ。バンド同士がお互いを喰い漁る、真剣勝負って解釈。このアルバム、両者が完全に殺しあってます。FAITHはあれだ、ナイフとか使うタイプ。確実に殺しにきてます。ボーカルのアレン・マッケイはイアン・マッケイの実弟ハードコアパンクの看板背負ってるわけで、絶対負けられないの。対するVOIDは素手。なぜか全裸。殺意だけは半端じゃないけど、身長だって低いしヒョロい。

でもね、この勝負VOIDが勝っちゃう。圧勝しちゃう。だって、音楽だから。ハードコアパンクだから。音楽の世界では、裸一貫の奴が武器で武装した輩に余裕で勝てちゃう。技術もセンスもコネもいらないよ、溢れ出す衝動と心意気、VOIDにはそれしかないよ。でも、それらが限界を振りきれてる。完全に狂ってる。

パンクスなら避けて通れない、ハードコアの教典的スプリット盤。

白(KURO)『who the helpless』(日本 1984年)

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やっべ、向かいのベンチにいる女子高生パンツ見えそう。マジで見えそう。てかもう見えてる?もはや太ももの上にスカート状の布が乗ってるだけだし、あれパンツでベンチに座ってる感じじゃん。完全にケツ冷たいっしょ。一瞬だけでいいからベンチになりたい。一瞬だけベンチになってお尻の温もりを感じたあと直ぐに自分に戻りたい。いや、自分に戻らずに東出昌大君になって、売れてないグラビアアイドルとかとヤりたい。本命は二階堂ふみで、グラビアアイドルとは遊びだけ。そんな青春をおくりたい。俺が売り出し中の若手イケメン俳優だったら、母ちゃん喜ぶかなあ。

僕は向かいの女子高生を見ながら一瞬で東出昌大君とコネクトする。やっべ、昼休みもう終わりだ。(※白(KURO)『who the helpless』のレビューです)

Michel legrand『Les Demoiselles De Rochefort』(フランス 1967年)

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フランスの作曲家兼映画監督、ミシェル・ルグランの1967年作同名映画のサウンドトラックになります。所謂 渋谷系 の時代に掘り起こされ再評価された作品ですね。僕、ロックのクリシェが嫌なんです。ロックなんか死んでてくれて構わないし、世界を変えるのはロックじゃなくてポップスだろう と本気で思ってるんです。だから、本作が一部のレコードオタクの部屋の中で一生を終えるのは我慢できない。ここで鳴らされるポップスは映像に華を添えるためのものでは勿論なく、ひたすらリスナーを幸福に誘うメロディで満たされてる。つまらないことはつまらないと言おう。レッドツェッペリンよりすげ~ぞ!

Sea lions『everything you always wanted to know about the sea lions but  were afraid to ask』(US 2011年)

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僕はこのアルバムを心から愛している。パステルズ・バッヂにさよならできない現行ギターポップ愛好者にとって、本作は心の頼りです。歌なんか下手な方がいいに決まってるんですよ。音域も狭くていいし、裏声も出なくていい。素晴らしいメロディを歌いたいという心意気さえあれば、むしろ上手な歌なんて邪魔です。歌や楽器の上手さと曲の良さは全く比例しないからね!あのアノラック、最高のポップアルバム。ヴァセリンズ、再結成する必要なかったよね?

次回の更新は無いかも。普通のレビューに飽きてきた。音楽を文化と絡んで書けないならば、対抗しうる武器はユーモアと音楽への愛だけである。

 

 

イチロー@takucity4

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