10/15 andymori ラストライブ

昨夜andymoriの解散ライブをSPACE SHOWER TVのアプリで観た。とてもいいライブだった。

そもそも僕はandymoriのことがあまり好きではなく、1stと2ndはそこそこ聴いて以降ついていけなかった人間なので、このバンドのことを語る資格はないと思っている。ライブを観る機会もなかったし、音源だって正直好きではなかった。そんな僕が解散ライブを観ることができたのはひとえに無料配信に踏み切ったandymoriとSPACE SHOWER TVの懐の深さによるもの。本当にありがとうございます。

はじめてライブを観て、とても演奏のうまいバンドだと思った。最低でもCDのクォリティを守る演奏をしていたし、時には3ピースバンドの限界に挑むような熱い演奏をしていた。そういうことができるバンドは実はとても少ない。「MONEY MONEY MONEY」や「FOLLOW ME」を生で観ることができていたら、自分はandymoriのことが好きになっていたと思う。

ただ、それも今回演奏された41曲中5曲くらいの話で、基本的には淡々と演奏していた。感傷的な気持ちにさせられることもなく、まるで明日も明後日もバンドが続いていくかのように演奏していた。それが印象的だった。

きっとこのバンドの異常さなのだと思う。武道館という大舞台に達成感を感じることもなく、また解散という事実に悲しみを抱くわけでもない。その冷静さ、客観性の高さこそがandymoriの凄さなのだと思う。もちろん演奏は凄かったし、おそらく本気で歌っていた。だけど変な感傷は一切なかった。

いつもandymoriが新作を出すたびに、僕は「シングル切らないの?」「どうしてサウンドを変えないの?」と思っていた。彼らがトリビュートアルバムに参加したくるりは作品ごとにサウンドをガラリと変える。andymoriがいつまでもブルーハーツをシンプルにしたような日本のロック、パンク、フォークに拘っている理由がわからなかった。

でもこのライブを観て、彼らは1stから5thまでサウンドをガラリと変えること無く自分たちの世界観を毎回着実にアップデートしていたことがよくわかった。そしてそれはこれからだってできたはず。今回披露された3曲の新曲も今まで同様のandymori印の楽曲に仕上がりながら、新しい次元の表現に踏み込んでいた。

だからこそ「どうして解散?」という話になるんだけど、僕は単純に「違うことがやりたくなったんだろうな」と思った。きっと同時並行で別のことができるほど起用な人間じゃないからこそ解散したのだと思う。ファンにとってはやってられない話だけど、僕のような中途半端なリスナーにとってはandymoriを知る絶好の機会になった。

「おいでよ」という新曲がすごくよかった。

白い砂浜の海岸で見つけた貝殻を
漆黒の海に投げた
あの日の風は確かに
君の頬を撫でていたのさ
おいでおいでよ今すぐに抜け出しておいで

https://andymori-oideyo.herokuapp.com) 

僕はandymoriの歌詞に文系特有の青臭さが苦手だった。でも「おいでよ」は曲も歌詞も本当にすばらしかった。解散したバンドに言うのもなんだけど、音源化待ってます。

 

 

ぴっち(@pitti2210