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アニソン連載#5 甘城ブリリアントパーク

コラム

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OHISASHIBURI DEATH!!!!!!!草野です!

さて、2014年も残りわずかとなったわけだが、既に2014年に放映予定のアニメはだいたい出尽くしてしまっている。1月ー3月の冬クール、4月ー6月の春クール、7月ー9月の夏クールと数え、10月から放送される秋クールの放送も既に4回目/5回目の放送となっているところだ。期待値込みで試聴する第1回放送とは違い、約1ヶ月を過ぎた第4回放送の頃になれば、「切る/切らない」の精査もひと通りおえた視聴者が群を為し、「大きな注目を集める作品」を浮かび上がらせる。

その中でも、京都アニメーションの『甘城ブリリアントパーク』を今回フューチャー!

あれ?音楽大好きクラブってアニメ批評サイトだったっけ?ご心配なく。もちろん今作の内容と音楽を絡めつつ、話をしていきたいと思う。

まず作品概要をば。

人気ライトノベル作品「フルメタル・パニック」(通称:フルメタ)の作者、賀東招二さんの新シリーズが今作「甘城ブリリアントパーク」。賀東招二さんのフルメタ京都アニメーションの手でアニメ化されているのは、ご存じだろうと思う。深く突っ込むと、「涼宮ハルヒの憂鬱」や「らき☆すた」では脚本を務め、けいおん以降の2010年代の京アニの第一作目となった「氷菓」ではメインスタッフとして参加するなど、京アニとはかなり親交のある作家としての彼が見えてくる。

ChouCho「優しさの理由」(氷菓、OP)

「遊園地で着ぐるみを見て、あれで実は子供が大嫌いだったらおもしろいのではと考えたのが出発点。でもこういうコメディーを書くのは初めてでかなり試行錯誤している」というお話、発表から刊行までに2年の月日を費やしたことも含めれば、今作がかなりの労作だというのがうかがい知れるだろう。

京都アニメーションといえば、「けいおん!」以後、自前のライトノベルレーベル「KAエスマ文庫」を立ち上げ、そのレーベルから発表された作品を次々にアニメ作品化、「中二病でも恋がしたい!」「境界の彼方」「たまこまーけっと」「ハイ☆スピード(Free の原案作品)」などが挙げられる。

放課後ティータイムⅡ特典カセットを昔のテレコで再生してみた

けいおん!」ではカセットテープをモチーフにした音源も収録するなど、どこか偏狭じみた音楽愛を高ぶらせていた京都アニメーションだったが、近年の作品では低温に落ち着いてしまっていたのがすごく残念だった。

もちろん、「たまこまーけっと」OP「ドラマチックマーケットライド」の渋谷系なサウンド、ED「ねぐせ」の緩いシンセポップ、同作品では劇中歌もどことなくオールディな匂いを漂わせ、「らしさ」あるなとはおもっていたけども、何か足りない。

そうじゃねぇんだよ京アニさん……。あの「CLANNAD」OPの「メグメル」や「時を刻む唄」みたいな、"何のルールにも縛られていない"歌……むしろ"作品に深くつながっている"歌が聞きたかった。

そして甘ブリ、聴きました?見ました?あのOPを!

AKINO with bless4「エクストラ・マジック・アワー」(甘城ブリリアントパーク、OP)

「It's not a farly tale」という言葉、その上に描かれた甘城ブリリアントパークの会場図、そこに徐々にピントが合わせていき、突然の場面展開から《Look at the sky/It's Magic Hour!》の歌声、ハンドクラップとザクザクと刻まれるギターリフ、ドスドスと響くバスドラム、それらを導く管弦楽はスタッカートの効いたハネたリズム感を心がける、感情の向きを興奮へと仕立て上げるには十分すぎるほどの重装備で、聴く者の心を打ち抜いていく。その音楽に合わせるように、小気味良くコンテを切り替えて場面はコロコロと変わっていく、このオープニング映像のテンポ感。2つが相まって見せる世界観は"ドキドキの前触れ"みたいなところだろうか。

 

なぜ京都アニメーションが、「甘城ブリリアントパーク」でAKINO with bless4を起用したか。それはこの作品のもつテーゼと深く関わっている。

AKINO with bless4のライブを一度でも観たことのある人ならば、きっとわかるかもしれない。少しだけハスキーめいた歌声を高らかに張り上げるAKINOのボーカルスタイル、表現過多に盛り上げるダンサーも含めてみれば、彼らのスタイルは、徹頭徹尾にショーであり舞台芸術であること、しかもそれを隠さないことにある。だからこそアニメーションという仮想世界にもよくマッチする。

「甘城ブリリアントパーク」は遊園地というファンタジーを提供する施設をテーマにし、施設運営の裏側に潜む苦悩と解決をストーリーにした、アニメーション/小説作品だ。遊園地経営の裏側という"メタ"な側面を、創作物として描く、ファンタジー内ファンタジー、(作品内作品)メタフィクション作品という側面をもつ今作に、AKINO with bless4はうってつけの存在だ。しかも甘城ブリリアントパークの登場人物らが隠し持つ苦しみと同じく、「創聖のアクエリオン」で大きなブレイクを経験した後に足踏みをしてしまった彼らとくれば、恐ろしいほどのシンクロ率に気づくだろう。

 

しかしてこの作品、そこだけに留まらない音楽ネタがある。可児江西也、千斗いすず、ラティファ・フルーランザ。この登場人物が全員、アメリカのヒップホップスターの名前をもじっているというネタが最近発覚した。

とはいっても、賀東さん本人はノーコメントらしいから真偽ははっきりしてないけどもね。

カニエ・ウェストは言うまでもなく現代ヒッポホップのトップランナー、可児江西也の自意識過剰っぷりは、彼のスキャンダルネタの多さが所以なのかもしれない。

Kanye West「Stronger」 

 

Kanye West「Dark Fantasy ft. Teyana Taylor」

マイケル・ジャクソンについて聴かれた際に「次のキング・オブ・ポップは俺さ」と答える。最優秀女性アーティスト・ヴィデオ賞を受賞したテイラー・スウィフトのスピーチ中に泥酔して乱入し「君の受賞は本当に良かったけど、ビヨンセのほうが良かったぜ!」と言う。あ、あと、フジロックにヘッドライナーが決まってたのにキャンセルするとか!いや、これはゴシップでもなんでもないか……。

しかしながら、近年2作『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』『Yeezus』は批評家/評論家筋から絶賛され(俺も大好きよこの2作)、売上も他の追随を許さず、おまけに彼と組んだミュージシャンが続々と売れていくなど、その影響力たるや、本当に「ネクスト・キング・オブ・ポップ」にふさわしい。だがグラミー賞とは縁遠く、毎年毎年愚痴をこぼして会場を去っていくのが名物になりそうでもある。

お次は50CENT、00年代のギャングスター・ラップの第一人者、銃撃事件によって実際に撃たれたこともあると語る、筋金入りのお方。千斗いすずは銃で打ちまくって相手を脅すというコミュニケーション(?)術をしているので、ここらへんは完璧に彼のオマージュになってるのかな。

50 Cent「In Da Club (Int'l Version)」

50 Cent「We Up (Explicit) ft. Kendrick Lamar」

「マッドなシティのグッドボーイ」を名乗る俊英ケンドリックとのコラボ曲、すごくイカしてるな!

先にあげた銃撃事件のせいで、カナダでの活動を余儀なくされたが、エミネムの目に止まったことでデビュー。当初はそのエミネムのお墨付きというフラグで売れていたようにおもってたんだけど、あれよあれよという間に一流ラッパーとして成長。

ちなみにカニエ・ウェストと同日発売となったことがある。本人は「1週目のセールスでカニエに負けたら、もう自分のアルバムを出さない」と公言し、カニエの方は「俺に負けてもやめないでくれ。俺はお前のミュージックもスキなんだ」と公言している。ちなみに勝負はカニエの勝利したが、以後も50CENTは活動を続けている。そして今年2014年には、なんと5年ぶりとなるアルバムを2枚(!)発売している。

そんで、クイーン・ラティファなんだけども、聴いたことがないので今度聴いてみようかなと思います!。

ではでは、語るだけ語って、今日はおしまい。またこんどー。

 

 

草野(@grassrainbow