ネットの音楽オタクが選んだ2017年のベストアルバム 100→51

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2日目です。ところでアーティストに直接結果を伝えるような行為はおやめください。そこまで大層なものではありません。ひっそりと楽しんでいただければ幸いです。次で終わります。よろしくお願いします。(ぴっち)

 

100. U2『Songs of Experience』

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「You’re The Best Thing About Me」

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99. Noel Gallagher's High Flying Birds『Who Built the Moon?』

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「Holy Mountain」

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98. Drake『More Life』

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97. Waxahatchee 『Out In The Storm』

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「Silver」

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96. Perfume Genius『No Shape』

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「Slip Away」

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95. Spoon『Hot Thoughts』

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「Hot Thoughts」

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94. 桑田佳祐『がらくた』

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「若い広場」

 

93. Ed Sheeran『÷』

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「Perfect」

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エド・シーランといえば1stアルバム『+』でフォーク・ソングとヒップ・ホップを「足し算的アプローチ」で組み合わせ、2ndアルバム『×』では前作で確立された「足し算的アプローチ」にリック・ルービンやファレル・ウイリアムスなど様々なプロデューサーを組み合わせて展開させる、いわゆる「掛け算的アプローチ」を行った。

そして三作目となった『÷』。本作を聴いて思うのは、とにかく手数が多いということだ。『÷』ではそれまでのフォークソングやヒップホップだけでなく、オルタナも、サーフ・ミュージックも、ソウルも、R&Bも、なんならアフリカ音楽やアイリッシュ・フォークまで、ありとあらゆる音楽がエド・シーランにより、咀嚼、昇華された形で詰め込まれている。これは、彼が世界各地を渡り歩き、その場所で出会った音楽を一度解体させる「割り算的アプローチ」を取り入れた成果であり、それは、足し算、掛け算、の積み重ねが生きた作品だともいえよう。そういえばエド・シーランは次の作品に関してブルース・スプリングスティーンのような「ローファイ」なサウンドになると言っていた。どうやら次は「引き算的アプローチ」が聴けそうだ。

ゴリさん(@toyoki123

 

92. ものんくる『世界はここにしかないって上手に言って』

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「ここにしかないって言って」

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91. King Gnu『Tokyo Rendez-Vous』

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「Vinyl」

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90. LOSTAGE『In Dreams』

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「ポケットの中で」 (Unofficial Video)

 

89. Tempalay『from JAPAN 2』 

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「かいじゅうたちの島」

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88. 向井太一『BLUE』

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「FREER」

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「男性ソロシンガー受難の時代」みたいなネットニュースをこないだ見かけまして、「おいおい正気か!?本当にそう思うのか!?」って愕然としたんですが、それはさておき。今、R&Bやダンスミュージックを軸にいろんな音楽のエッセンスを取り入れてその人独特の新しい音楽を鳴らしているシンガーが増えてると思います。

向井太一さんの場合にはそれがエレクトロニカとかポップスとかになってくるんだと思うし、本作はLUCKY TAPESの高橋海さんやmabanuaさんなどいろんな人が参加していてなおさらそう聴こえるのですが、おしゃれさとか軽快さに儚さまで感じるトラックにあえて熱量のあるボーカルを載せているところとか、歌詞の世界の生活感とかすごくリアルで生々しいし、ものすごく泥臭いんですよね。より繊細で抽象的なこともできたんだと思うんですけど、あえてこうしたのは天邪鬼とか戦略性とかそういうこと以上に、そうすることで向井太一という人間が色濃く表れてるんだってことだと思うんですね。

はっちゅ(@colorfulwhite

 

87. ねごと『SOAK』

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「DANCER IN THE HANABIRA」

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音楽やそれを作るアーティストに対して「進化した」という表現(過去の作品が基準になっている評価なのであるが)は僕にとっては使い所に苦しむことがある。ねごとは2017年、2枚のアルバムを発表した。それまでの3作品、ロックに軸足を置きながらも多様性を見せつけられる展開に胸を躍らされたが、2017年の2作はロックからも外れた、自由な音楽性を示した。僕にはこんなバンドに進化という言葉を当てはめられる表現力が無いのだ。

なかでも12月に発表された『SOAK』と称された今作は、前作『ETERNALBEAT』で確かなものとなった自信を煮詰めてまた違うところに行った感触がある。(賛否両論のボーナストラックも含めて)先行シングルのとっ散らかった感じにも引っ張られたのか、もはや重心がどこにあるのか分からない面白みが楽しい。出来に反して反応が鈍いような気がして残念ではあるが、迷いなく進んで欲しい。進化ではなく変化がおもしろい。彼女たちの魅力はそこにあると確信できる傑作。

アベゴウタ(@got_ab)  

前作『ETERNALBEAT』で本格的に開花したエレクトロニカ/ダンスミュージック方面へのアプローチとより深く向き合い、更に自在に操るようになった本作。静かに滾る熱を内に秘め、バンドサウンドとも滑らかに融け合いながら、驚異の浸透圧で心に奥底へと流れ込んでくる。

アルバム本編を締めくくる「水中都市」が白眉だ。ぐっと目を瞑り、揺蕩いたくなる神秘的な音像。歌詞は幻想的でありながら、体温までも伝わってくるような質感。蒼山幸子の歌声は儚げな色香を纏ってその世界を届けてくれる。突き詰めた美しさにずっと没入してしまいたい、そんな心地良さが全編に溢れる一枚。

月の人(@ShapeMoon

 

86. 吉田ヨウヘイgroup『ar』

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「トーラス」

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85. 唾奇 × Sweet William『Jasmine』

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「Made my day」

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84. 女王蜂『Q』

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「失楽園」

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83. HAIM『Something to Tell You』

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「Want You Back」

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82. JJJ『HIKARI』

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「BABE ft. 鋼田テフロン」

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81. warbear『warbear』

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「Lights」

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1歳になる息子が発していた意味のない言葉である「ウォーベアー」をプロジェクトの体を表す名として使った尾崎雄貴。語弊を恐れずに意見すると、彼の作るアルバムという作品は、はっきり言ってこの時代に向いていない。僕にとってはそこにこそ親しみを感じるのだが、作品ごとに十二分な重みがあり、画面に触れて手軽に音楽を聴くというのには少しばかりかハードルが高い気がするのだ。

ただ、そういうところもわかっていて(Galileo Galileiのラストアルバム『Sea and The Darkness』もそうであったが)音楽シーンという閉ざされた重たい空気を避け、自らのなかで跳ね返るアイディアを形にしていったのだろうと、北国の空気が録音されたような感触から伝わってくる。ひとりの力で戦いながら完成された作品。偶然かもしれないがタイトルの意味に帰するような気もする。決して明るくはない場所なのに、どこからか一点の光が眩しい。そういう作品だった。

アベゴウタ(@got_ab) 

 

80. BiSH『THE GUERRiLLA BiSH』

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「My landscape」

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79. the band apart『Memories to Go』

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「ZION TOWN」

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the band apartは滑らかさを追求しているバンドである。以前ライヴのMCでベース担当の原昌和が自分たちの音楽に対して「TVのゴルフ番組のBGMとして掛かっていそう。」と語っていた。つまり彼らはエモ、パンク、ソウル、ボサノバ、フュージョンをミックスさせながらも、常にリスナーが心地よさを感じられる、引っ掛かりがない滑らかなサウンド作り出すことを常に追い求めているのだ。そしてそれは歌詞に関しても同じ事が言える。『K.AND HIS BIKE』で英語とサウンドのマッチングを研究しはじめ、『街の14景』で日本語での滑らかさの追求を始めた彼らは、この『Memories to Go』で英語と日本語という響きの違う2つの言語をサウンドに組み込み、さらなる滑らかさを追求した。その結果、筒抜けの良く心地のいいサウンドが詰まった、最高のロック・アルバムになった。いまのバンアパの集大成、ここにあり。

ゴリさん(@toyoki123

 

78. Moses Sumney『Aromanticism』

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「Lonely World」

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77. ゆるふわギャング『Mars Ice House』

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「パイレーツ」

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76. Gorillaz『Humanz』

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「Garage Palace」

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75. ドレスコーズ『平凡』

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「エゴサーチ&デストロイ」

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74. Mount Kimbie『Love What Survives』

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「Delta」

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2013年の「Cold Spring Fault Less Youth」以来となる3rdアルバム。絹のようにスムーズかつアタック感のある電子音の気持ち良さはそのままに、直線的でアップテンポなビートを積極的に取り入れている。それはロックっぽいというよりもむしろ、縦ノリ向けと思われていたリズムに宿っている独特な揺らぎを抽出して絶妙なノリに転化させようとする試みに聴こえてきて、小沢健二「流動体について」で起こっていることに通じていたりするのかもしれない。

キング・クルーが彼自身のアルバムの強いフックとなっていた曲を彷彿とさせる速いテンポのトラックで客演していたり、ジェイムス・ブレイクが多重コーラスを使用せずに歌声のパワーと繊細さで一本勝負していたりとゲスト参加曲もめっちゃ面白い。

カラカル@Apteryx_Iwk

 

73. teto『dystopia』

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「暖かい都会から」

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72. Hi-STANDARD『THE GIFT』

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「All Generations」

 

71. 電気グルーヴ『TROPICAL LOVE』

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「人間大統領」

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70. ねごと『ETERNALBEAT』

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「アシンメトリ」

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夜が似合うアルバムだ。躍動するリズムに絡むしなやかなメロディが暗闇を切り裂くように煌々と鳴っている。蒼山幸子の凛としていながら適度にリラックスした歌声は、飾らない言葉で夜の孤独にぴったりと張り付いてくれる。

電子音を緻密に配置したクールなサウンドは、これまであらゆる色のアレンジをモノにしてきた彼女たちがキャリア10年で獲得した現時点での最適解。従来のバンド像から大きく刷新されたようにも聴こえるが、追い求める音楽の在るべき姿をくっきりと浮かび上がらせた理想的なリモデリングを果たしている。ねごとはこの確かなビートと共に美しく飛翔した。

 

月の人(@ShapeMoon

 

69. Fleet Foxes『Crack-Up』

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「Fool's Errand」

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68. パスピエ『&DNA』

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「スーパーカー

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今作のパスピエは生々しい。今まで音楽の一部として何となく聴き流していた音、具体的には、ドラムのビート、ギターやキーボードの1音1音が本作ではクリアに聴きとれる。それはまるでパスピエという存在が、あたかも目の前いるかのようにだ。そしてその理由を突き詰めるならば、パスピエがバンドとして機能し始めた事が一番の原因だと言ってもいいだろう。それまでのパスピエ成田ハネダのトラックメーカー的センスで駆動していた。例えば能動的に楽曲にEDMを取り入れたり、大胡田なつきの歌声がボーカロイドのような無機質な手触りに満ちているところは、バンドでやるという発想ではなく、成田ハネダ制作のトラックをバンドへ置き換える発想が機能しているがゆえ起こっていたことであり、今まで顔出ししなかったのもバンドというスタンスを否定していたからであった。

ところが2016年彼らは全員顔出しを行った。今から考えれば、それはトラックメーカー的駆動からバンドとして駆動をする、一つの宣言だったのではないだろうか。実際、本作のインタビューでメンバー各人が役割分担をして制作したと語られており、初期作のように回文を使ったタイトルであるのも、新しいパスピエをスタートさせようという気持ちの表れだったように感じる。

ゴリさん(@toyoki123

 

67. SHISHAMOSHISHAMO 4』

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「明日も」

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66. Cigarettes After Sex『Cigarettes After Sex』

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「Flash」

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65. Daniel Caesar『Freudian』

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「Get You ft. Kali Uchis」

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64. never young beach『A GOOD TIME』

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「SURELY」

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穏やかに晴れた夏の日、ハンドルを握って車を走らせる。スピーカーから流れてくるネバーヤングビーチ。まっちゃんと阿南のギターがとても心地いい。二人のギターが絡み合うたびに気持ち良くなりすぎて色んなことがどうでもよくなってしまうな。フジロック2017の苗場食堂で演奏していた彼らの雰囲気、抜群に明るかった。無駄な力はぜんぜん入ってなかった。ただただ楽しそうで、メンバーも客席もみんな笑顔だった。良い夏だった。

三角(@skmts

 

昭和90年にインディーズ・デビューをしたnever young beach。彼らのサウンドは懐かしさと、いい加減さの中に愛が感じられる。そしてそれは、デヴェンドラ・バンハートやマック・デマルコに影響を受けたとされているのだが、一番強い影響は細野晴臣であろう。細野がはっぴぃえんどやソロ作で行っていた、フォーキーでありながら異文化と昭和が混然一体として繰り広げられるサウンドは昭和90年代に颯爽と登場した、never young beachという若者たちに引き継がれていることがわかる。

ところがそんな彼らの初メジャーアルバムである『A GOOD TIME』は今まで持っていたフォーキーさを排して、筒抜けのいいサマーソングを奏でている事に気がつく。そしてそれまで感じられていた昭和感も以前よりは感じられない。むしろ現代に寄り添った平成感が強く出ている。それはメジャーに入り、自分達のルーツから前進するめの決断であり、そういう意味では細野晴臣、はっぴぃえんどの呪縛からは解き放たれた作品だと言ってもいいのかもしれない。彼らの平成は『A GOOD TIME』からスタートする。

ゴリさん(@toyoki123

 

63. Lana Del Rey『Lust for Life』

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「Lust For Life」

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62. Queens of the Stone Age『Villains』 

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「The Way You Used To Do」

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61. アイドルネッサンス『前髪がゆれる』

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「前髪」

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「名曲ルネッサンス」をテーマに掲げて、上質なカバーを披露してきたグループなのに、なぜオリジナル曲を作るのだろうか。大丈夫なのか、と思った。が、蓋を開けてみれば、小出祐介の作った4曲はアイドルネッサンスが今までカバーしてきた名曲たちに勝らずとも劣らない出来栄えだった。勝手に不安になって、彼女たちのことを応援しているつもりになっていたが、YouTubeでミュージックビデオを見て、タワレコで買ったCDを聴き、ライブで彼女たちのパフォーマンスを観たとき、わたしの手のひらは180度回転していた。暗めの思春期を超えた小出が書いた青春の詩、それを現在青春進行中のアイドルネッサンスが歌う。とても儚くて眩しかった。この子たちは今が青春なんだ、そう思うと、なんだかすごく羨ましかった。数年後、数十年後、どれくらい先かわからないけど、きっとそのとき、青春を迎えた子たちにこの曲たちがカバーされている。そんな未来が見える。

三角(@skmts

 

60. syrup16g『delaidback』

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59. 柴田聡子『愛の休日』

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「後悔」

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58. Liam Gallagher『As You Were』

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「Wall Of Glass」

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57. FKJ 『French Kiwi Juice』

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「Skyline」

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56. Alvvays 『Antisocialites』

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「In Undertow」

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55. OKAMOTO'S『NO MORE MUSIC』

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「90'S TOKYO BOYS」

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54. Bjork『Utopia』

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「utopia」

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53. Okada Takuroノスタルジア

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「硝子瓶のアイロニー」

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52. 欅坂46『真っ白なものは汚したくなる』

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「二人セゾン」

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これは彼女たちがメジャーデビューをしてからの1年間を収めたドキュメンタリー作品だ。ここに集められている楽曲たちは、すべてメジャーデビューをしてから1年の間に作られたものであり、彼女たちが成長した証でもある。またこの作品は一つの区切りとしても機能しており、『真っ白なものは汚したくなる』以降の楽曲を比べると欅坂46の在り方も変わった事がわかる。思い出してほしい、5thシングル「風に吹かれても」での彼女たちの姿を。

彼女たちの衣装はモッズコートをモチーフにしたという話は有名であるが、この『真っ白なものは汚したくなる』の後で出した、「風に吹かれても」ではスーツ姿で彼女たちは踊っている。モッズ少年たちの出で立ちと言えば、モッズコートの下はスーツ姿である。すなわち、彼女たちはコートを脱いだのだ。それは言いかえると、一皮むけた、脱皮したとも言ってもいいのかもしれない。常に親へと逆らい、私たちの想像を斜め行く彼女たちを観ながら、私には欅坂46にはポール・ウェラーがやっていたバンド、ザ・ジャムが憑依しているように思えて仕方がない。

ゴリさん(@toyoki123

 

51. Maison book girl『image』

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「faithlessness」

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「アイドルとは一体なんなのか……」Maison book girl(通称ブクガ)を聴くと特に思う。同時にこの問い自体が今の時代ナンセンスであり、意味のないものなのだろうなとも。「ジャンルなんてものは実はどうでもよくて、良いものは良い。」なんてことを自分はこのアルバムを通して改めて実感できた。感謝。

このMaison book girlというグループのひとつの集大成とも言えるような(それは後に出された2つのEPありきだけど)作品は、フィジカル的で無機質。彼女ら的には王道。でも、冷静に考えたら捻くれている。そういった矛盾は、リズムと相まって混乱を招きつつ、僕らを戻れないところまで引きずり込んで行く。その時、ここにある不安と安心の絶妙なバランスが気持ち良さだと僕らは知る。アイドルシーンだけでなく、バンドシーンでも名前は見たことがあるが聴いてこなかったという人は少なくないだろう。それぞれ好きにこのグループをイメージし、いい意味で裏切られて、裏切られて、裏切られてほしい。見逃さずに。サクライケンタ万歳。

さこれた(@bewith0301

 

ネットの音楽オタクが選んだ2017年のベストアルバム 100→51

51. Maison book girl『image』
52. 欅坂46『真っ白なものは汚したくなる』
53. Okada Takuroノスタルジア
54. Bjork『Utopia』
55. OKAMOTO'S『NO MORE MUSIC』
56. Alvvays 『Antisocialites』
57. FKJ 『French Kiwi Juice』
58. Liam Gallagher『As You Were』
59. 柴田聡子『愛の休日』
60. syrup16g『delaidback』
61. アイドルネッサンス『前髪がゆれる』
62. Queens of the Stone Age『Villains』
63. Lana Del Rey『Lust for Life』
64. never young beach『A GOOD TIME』
65. Daniel Caesar『Freudian』
66. Cigarettes After Sex『Cigarettes After Sex』
67. SHISHAMOSHISHAMO 4』
68. パスピエ『&DNA』
69. Fleet Foxes『Crack-Up』
70. ねごと『ETERNALBEAT』
71. 電気グルーヴ『TROPICAL LOVE』
72. Hi-STANDARD『THE GIFT』
73. teto『dystopia』
74. Mount Kimbie『Love What Survives』
75. ドレスコーズ『平凡』
76. Gorillaz『Humanz』
77. ゆるふわギャング『Mars Ice House』
78. Moses Sumney『Aromanticism』
79. the band apart『Memories to Go』
80. BiSH『THE GUERRiLLA BiSH』
81. warbear『warbear』
82. JJJ『HIKARI』
83. HAIM『Something to Tell You』
84. 女王蜂『Q』
85. 唾奇 × Sweet William『Jasmine』
86. 吉田ヨウヘイgroup『ar』
87. ねごと『SOAK』
88. 向井太一『BLUE』
89. Tempalay『from JAPAN 2』
90. LOSTAGE『In Dreams』
91. King Gnu『Tokyo Rendez-Vous』
92. ものんくる『世界はここにしかないって上手に言って』
93. Ed Sheeran『÷』
94. 桑田佳祐『がらくた』
95. Spoon『Hot Thoughts』
96. Perfume Genius『No Shape』
97. Waxahatchee 『Out In The Storm』
98. Drake『More Life』
99. Noel Gallagher's High Flying Birds『Who Built the Moon?』
100. U2『Songs of Experience』