ネットの音楽オタクが選んだベスト平成アルバム 150→101

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相変わらず集計ばかりやっているような気もしますが、平成最後の10日間に行われたベスト平成アルバムの結果です。もう元号が変わってから2ヶ月ほど経ちすっかり平成は遠い過去となりましたが、音楽馬鹿は一生音楽馬鹿なのだと思いながら令和をそこそこに過ごす気がします。どこかのコメント欄が荒れてブログサービスの強権を発動して閉鎖させるという小さな出来事もありましたが、別にあの人達のためにやっているわけではなく、参加していただいた462人(と無効票となった100人近くの方々)及び音楽馬鹿の人のためにやっていることなので、今回もいつも同様にゆるやかにやれたらと思います。以下、詳細です。

このランキングについて
  • Twitterハッシュタグ、募集記事のコメント欄に寄せられたものを集計しました。
  • 募集期間は平成最後の4/20-30の間。
  • 462人のデータを集計しました。
  • 同点の場合、乱数を発生させて順位づけしています。
  • そのため順位に深い意味はありません。気にしすぎないでください。
  • 150位以内はすべて6人以上に挙げられたものです。
  • レビューは有志によるものです。500字以内ディス無しでやっています。
  • なおレビューは随時追加されます。

そんな感じです。それでは3日間よろしくお願いします!(ぴっち)

 

150. 椎名林檎加爾基 精液 栗ノ花』(2003)

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149. 中村佳穂『AINOU』(2018)

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最初に中村佳穂を観たのはもう5年くらい前だ。小さな京都のライヴハウスでピアノに向き合い歌う眼鏡をかけて少女。演奏が始まると即興的に紡がれる言葉と力強いピアノ。そして繊細でありながらソウルフルな歌声。それに衝撃を受け、それから彼女のライヴを追い続けた。あれから5年。ミニアルバムの『口うつしロマンス』では彼女とスティーブ・エトウがアンサンブルを繰り広げる。1stフルアルバム『リピー塔がたつ』は友達のミュージシャンが多数参加し、迫力のあるゴージャスなアルバムになった。そして中村佳穂が広く世間に知れ渡るきっかけになった『AINOU』は一部の楽曲でレミ街の荒木正比呂を編曲者に入れ、才能同士がぶつかり合い、見事な化学反応を生み出した。

ただ個人的には『AINOU』よりも次の作品に期待したい。『AINOU』の中で一番魅力的だったのが彼女の手癖と荒木正比呂のビートセンスが光る「きっとね」であり、それには荒木は編曲者として入っていないからだ。彼女は色んなアーティストと組むことで、才能を吸収し、ステップアップする可能性がある。中村佳穂はまだスタートしたばかり。『AINOU』で終わる人間ではない。

ゴリさん(@toyoki123

 

148. syrup16g『coup d'Etat』(2002)

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147. Official髭男dism『エスカパレード』(2018)

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146. syrup16g『COPY』(2001)

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145. tofubeats『FANTASY CLUB』(2017)

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Twitterというツールがある。3.11の震災以降に普及し、140文字でありながら情報を発信でき、いろんな人と繋がれる夢のようなアプリであった。しかし夢を与えると同時にTwitterは承認欲求とストレスのはけ口を満たす術を与えてしまう。バカッター、不用意なコメント、時にはウソの情報を流し「イイね」を稼ぐ。嘘の情報を信じ、無実の対象者を全力で叩く。ポストトゥルースという言葉が生まれ、バズ至上主義と情報に踊らされる人々。その現状を憂いで出来たのがtofubeats『FANTASY CLUB』である。

『FANTASY CLUB』はフィーチャリングの明記をせず、モノローグで全編語られる。自分語り的作品といえる作品だが、tofubeats自身は「分からない」を形にしたと語る。つまりリスナーは本作でtofubeatsの無意識と向き合い「メッセージを受け取る」ではなく「何を読み取る」という体験を強いられる。この作品に対して「いい」「良くない」という二項対立で語るのはナンセンスだ。作品を反芻し、考えて、語らないと意味がない。それこそがポストトゥルースに立ち向かえると、この作品は教えてくれる。

ゴリさん(@toyoki123

 

144. hide with Spread Beaver『Ja,Zoo』(1998)

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143. Dir en greyWithering to death.』(2005)

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142. Janne Da Arc『D・N・A』(2000)

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141. 星野源『エピソード』(2011)

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わたしにとっての星野源らしさは、高いところから低い音にそっと納まる瞬間にあった。着地のときがとてもやさしい。ごちゃごちゃ考えて、ふいに泣きたくなるときがあって、それでも明日を見据える。そういう感覚をわたしも知っている。半径数メートルの景色を見ながら。

だから、星野源のアルバムの中で、これがいちばん悔しくなっちゃうやつなんだ。知っているから、それをまざまざとかたちにしているところが、羨ましい。「星野源すきそうだよね」ってすごい言われるんだけど、そうじゃない、これは、嫉妬。すきなんかじゃないやい。タイトルが並んでいるだけでエッセイみたいなんだ。ああずるい、わたしだって書きたい。

はやしこ(@rinco_hys

 

140. Base Ball Bear『(WHAT IS THE)LOVE & POP?』(2009)

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139. ELLEGARDEN『Pepperoni Quattro』(2004)

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大学生になってから、久しぶりに会った親友と呼べる子が、カラオケで「スターフィッシュ 」を歌っていた。高校のときは一緒にゆずを弾いて遊んでいた。別々の大学に進んで、わたしアカペラサークル員になって、あの子はバンドサークルに入って、わたしの知らない歌をうたっていた。わたしの暮らしには擦りもしなかった音だった。ああそうか、違う人生なんだ、って、思った。「Supernova」も歌ってくれた。そのあと一度だけ、渋谷AXのライブに連れて行ってくれた。初めて見たモッシュ(正確には前の方がごちゃごちゃしてたのしか知らない)、終わってから外にいる人たちの頭からは湯気が出ていた。ライブ中、後方にいたわたしの周りはガラガラだったな。

それからこういう系のライブハウスにハマる人生を送っ……てはいないんだけど、あの時ちゃんと聴いてないし、復活したし、改めて聴いてみようかな。あの子の声じゃなくて、細美さんの声で。音楽に、遅い、なんて、きっとないから。

はやしこ(@rinco_hys

 

138. 中村一義『太陽』(1998)

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137. 筋肉少女帯レティクル座妄想』(1994)

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136. Base Ball Bear『C2』(2015)

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135. eastern youth『感受性応答セヨ』(2001)

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134. ユニコーン『服部』(1989)

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133. Base Ball Bear『C』(2006)

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なぜこんなにも幸せな今がここにあるのに、どうして終わりの瞬間へと目が向いてしまうのか。黒い髪を揺らして笑う君はこれ程までに眩しいのに、無性に切なさがこみあげてくる。思えばいつだってそうだった。スカートを揺らして春風と共に僕の前に現れた君は信じられない程に可憐で、この世のものとは思えなかった。一緒に駆けずり回った夏も、不意に見せる物憂げな表情が不安で仕方がなかった。確かにここにいるはずなのに、もうここにはいないような。そんな気分は一枚羽織った季節になっても残り、白雪舞う空へと今にも消えていきそうな予感で胸がざわつく。

心を刺すような、世界を変えるような、劇的な出会いとは生も死も同等にイメージさせてしまうような圧倒的なエネルギーを放つもので。なぜ君を好きになってしまったのか、という後悔を超えて、記憶に忘れられない傷痕をつけてしまう。それはとても残酷なようでいて、このうえなく美しい契りなのではないだろうか。鮮やかな青さに満ちたアルバムだが、此処に刻まれたボーイミーツガールの熱はどれほど歳を重ねても高い温度で僕らの胸を焦がしてくる。

月の人(@ShapeMoon

 

132. UNISON SQUARE GARDENCIDER ROAD』(2013)

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ポップというのは、大衆的であるとか受け入れられやすいというのが一つの定義だろうし、ユニゾンが「完璧なポップス」を目指して作った本作は例に漏れず、そういうポップさに満ちている。のだけど、それを突き詰めた結果、狂気的な聴き心地を生んでいるから面白い。キラキラしながらも各楽器が鍔迫り合うサウンド、ストリングスもホーンもピアノも丸呑みした全部盛りのアレンジ、どこをどう切り取ってもやり過ぎのエクストリームJ-POPである。

「君は一人である」ということと「君には僕がいる」ということを反復させながら、生き辛い日々と対峙する力をくれる詞世界。もしかしたら今が最高の出来事の前夜かも。最も大切な人と出会う寸前かも。音楽とは言ってしまえばただの娯楽だけれど、”希望がある”と思わせてくれるから僕らは求めて心打たれる。胸を突き上げるような熱さと、それでいてそっと寄り添ってくれる優しさ。うまく踊れなくたっていい、ユニゾンは僕らの不格好でがむしゃらな小さな心の躍動を掴み取り、肯定してくれるのだ。

月の人(@ShapeMoon
 

 

131. tofubeats『lost decade』(2013)

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音楽を聴くとき、「〜しながら」聴くことが多い。本を読みながら、コーヒーを飲みながら、そして、移動しながら。色々なお店が平面的に散らばっていて、それでいて山と海に挟まれていて広すぎない神戸の街は歩いて散策するのが楽しく、このアルバムはその最高のサウンドトラック。オシャレな海岸通やトアウエスト、アングラなモトコー、いかがわしい新開地……とか色々。住むことは叶わず、上っ面だけでかもしれないけど、遊ばせてもらってる街。東京に憧れはなかったけど、神戸には今でも憧れてる。ミディアムテンポな曲も、アップテンポな曲も、神戸での風景や気分どこかに当てはまるような気がしていた。この作品がキッカケで都市や場所と結びつく音楽が好きになった。そういう音楽の楽しみ方を教わった。

トラックメーカーというよくわからないけど凄そうで、でも調べてみると普通の人っぽくて、そんな人が近くの街にいて、オシャレな音で曲を作っている。神戸だったり学校のことだったり、身近なことを歌っている。それらひっくるめて今まで聴いたことのないポップさ。好きにならないわけがなかった。そういえば、かつて神戸にあったディスクデシネにはいつも少し背伸びをして足を運んでいて、いろんな音楽を教えてもらった。「水星」でオノマトペ大臣が歌った《to be youth/adult》というのがそこだったというのは嬉しかった。このアルバムは、神戸の街やそのお店のように、少し背伸びさせてくれる。

けんじ(@knj09

 

130. 宇多田ヒカルULTRA BLUE』(2006)

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129. ムック『朽木の灯』(2004)

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128. OGRE YOU ASSHOLE『100年後』(2012)

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きっと綺麗さっぱりに忘れてしまっても、また一から楽しめるね。100年後の、そのまた100年後もスキップで跨ぐ音楽の手紙です。

わど。つまり、ウラニワ(@wadledy

 

127. aiko『桜の木の下』(2000)

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126. the pillows『LITTLE BUSTERS』(1998)

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前作『Please Mr.Lostman』が“ギリギリで踏み止まった男“の話だとするならば、今作は幾分希望を感じる。少年時代の自らに語りかけながら今の自分も鼓舞する「Blues Drive Monster」のエネルギッシュさはその最たるもの。なけなしの希望を信じて、彼らのロックをぶん回すイメージが湧いてくる。そんな頼もしいロックバンド像も浮かび上がってくる1枚。

バスターとは「破壊者」「闘う者」を意味する言葉だ。《安らぎに似た退屈な生活》に満足せず、《自由な闇》を暴き続けているわけだが、この時代や世界に牙を向いているようでいて、実際は何よりも自分を焚きつけている。山中さわおとは、そもそもそういうソングライターだ。自分に対して問い続け、何を理解してほしくて何を伝えたいかを研ぎ澄ませ続ける。そうして届けられた《色褪せないキッドナップミュージック》たちは、僕らの心に確実にタッチしながらこの破壊活動に巻き込んでいる。ピロウズファンは「バスターズ」と呼称されている理由も、このアルバムの持つ求心力が反映されているとしか思えない。

月の人(@ShapeMoon

 

125. Cocco『クムイウタ』 (1998)

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124. □□□『everyday is a symphony』(2009)

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『everyday is a symphony』は「4分33秒」的な作品だ。「4分33秒」と言えばジョン・ケージの書いた4分33秒の無音の曲である。しかし実際は無音を体験することは出来ない。観客が体験するのは「ノイズ」という音である。それは日常で生活するときは、聴き飛ばす些細な音だ。ジョン・ケージはそのノイズを音楽と認め、観客に音楽として向き合わせる。これにより日常に流れている音は音楽であるという価値観の転換を図った。そしてその思想をポップソングの枠組みでやったのが□□□『everyday is a symphony』である。

□□□の本作で重要な点は楽曲にフィールドレコーディングをサンプリングしてある点だ。街の騒音、117の時報、電車の走行音、形態電話のプッシュ音、ありとあらゆる環境音がサンプリングされ、それが音楽の一部として溶け込んでいる。そして聴き終えた後で、私たちは日常の音も音楽であると気づかされる。「4分33秒」が無音を通して伝えようとしたメッセージを、『everyday is a symphony』はリズムも、メロディーも、ハーモニーもあるポップソングのなかでリスナーに伝える。言い換えれば、今このレビューを読んでるあなたが何気なく聞いている環境音も、音楽であるし、その音は私たちが死ぬまで続く。死んでからも永遠に続く。音楽の将来を恐れる必要はない。

ゴリさん(@toyoki123

 

123. スピッツ『名前をつけてやる』(1991)

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122. 小袋成彬『分離派の夏』(2018)

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121. フジファブリックフジファブリック』(2004) 

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120. NUMBER GIRL『SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT』(1999)

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119. 川本真琴川本真琴』 (1997)

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118. 電気グルーヴ『VOXXX』(2000)

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117. 神聖かまってちゃん『友だちを殺してまで。』(2010)

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116. ELLEGARDEN『DON'T TRUST ANYONE BUT US』(2002)

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115. くるり『図鑑』(2000)

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114. MALICE MIZER『merveilles』(1998)

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113. Perfume『JPN』(2011)

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112. ストレイテナー『TITLE』(2005)

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この頃の彼らが音楽を通して伝えたかったことは音楽そのものの美しさに他ならない。故に、余計なケレン味を排除して洗練されきったメロディとサウンドによってソリッドに構築されている。今となってはバンド界隈きっての仲良しお喋りバンドだが、当時のライブ映像を見れば3人は黙々と音を合わせ続けていて少し怖い印象すら受ける。クールに激しく、無愛想だが確かな覚悟を持って自分たちの体現するアートと向き合っていた。

空間を引き裂くようなベースが轟く「泳ぐ鳥」や、エモーショナルに疾走する「PLAY THE STAR GUITAR」など、ゼロ年代ギターロックを象徴するようなダイナミックな楽曲も多いが、「TENDER」や「LOVE RECORDS」といったファンタジーに心情描写を託した切ない楽曲も輝く。「EVERGREEN」ではホリエアツシの出身地・長崎での原風景が描かれるなど自伝的な要素もある。愛しき感情と思い出たちは忘れられ、色褪せていく。だからこそ、ここに刻むということを誓う「REMINDER」は今作の重要な1曲だろう。音楽は残る、それを信じるという、それだけのことがこんなにも綺麗に。

月の人(@ShapeMoon

 

111. 相対性理論シンクロニシティーン』(2010)

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思いつく限りの楽しいバンドミュージックをセカイ系の皮を被せて暴れさせた、とてもピュアで、とても、あざといアルバムの集大成。ハリボテのような狂気が武器の、フォーピースの革命家たちのしたり顔や澄まし顔のフルコース。エグいくらいの遊び心が散布する罠だらけの無法地帯。以前までの異物感が薄らいだ気もするが、唯一無二の席は誰にも譲ることはできない。三千万年後にも聴かれてるといいな。宇宙で聴きたいアルバムです。

わど。つまり、ウラニワ(@wadledy

 

110. サニーデイ・サービスサニーデイ・サービス』(1997)

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曽我部恵一と言う人は私小説の達人だと思う。彼の作る歌は基本的には主役は何時も彼。作品は自分の手を離れ聴いた人のものになる、というのはよく聞く話だが曽我部恵一は違う。必ず彼の作品には彼が真ん中に居座っている。決してリスナーである自分は主役になれないのだ。しかし、だからこそ彼の描く景色は色や形や温度がある。その暖かさがこの作品を名作にしているのだろう。「BABY BLUE」で彼の世界の幕が開き、僕の話を聞いてくれる君を待っていたよとリスナーを迎え入れてくれる。そして色んな話を聞かせてくれて最後に「bye bye blackbird」で話の幕は降りる。まさに聴く小説。

もさもさ(@megane_ry_rsr

 

109. 宇多田ヒカル『初恋』(2018)

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108. LUNA SEA『STYLE』(1996)

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107. BUCK-TICK『狂った太陽』(1991)

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106. 宇多田ヒカルHEART STATION』(2008)

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この頃の宇多田ヒカルはちょっといい人になりかけていたのではないのだろうか?いや別に彼女が善良な人間であることに異を唱えるつもりはないが、この頃の彼女はファンのために少し無理していたのではないか?その根拠は『HEART STATION』というタイトルにある。つまり彼女は駅であり、電車を走らせる運転手であり、人々の想いを届けるラジオのDJなのだ。それまでに英語の作品を含めると5枚発表してきた彼女が、自らの歌詞の主人公を務めることを躊躇し、それでも人のためにそこにいようとしたのではないだろうか?もちろんアルバム冒頭の「Fight The Blues」ではそれまでの憂いを払拭する強い意志があるし「テイク5」の達観は彼女そのものだ。だけど音楽と人格の一致に拒否反応が出始めたのがこの頃で、それが後の活動停止に繋がったのではないか、とほんの少し思う。

半径3mの人のために歌ってきた彼女が遠くの人のことを思い、なおかつアレンジャーとして過渡期であったこと、そして『ULTRA BLUE』への反動が、彼女にこの00年代の大傑作を作らせたのだと思う。僕はこの時の彼女に10年間助けてもらった。だから僕は彼女が大好きなのだ。

ぴっち(@pitti2210

 

105. くるり『THE WORLD IS MINE』(2002)

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104. cero『My Lost City』(2012)

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103. THE BACK HORN『人間プログラム』(2001)

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THE BACK HORNのメジャー1stアルバム。タイトルの捻くれ具合と、ジャケットのイラストのおどろおどろしさでどのような音楽か予想がつく。CDをプレイヤーにセットし再生ボタンを押すと、その印象は確信に変わる。絶叫、狂気、獰猛、崩壊、暗闇、絶望、憂鬱、泥濘、粗暴、混沌、純粋、行き場のない怒り、よどみのない美しさ。世界は決して美しいだけではない、決してきれいごとや信じることだけで成立なんてしていない。汚さを認めずによく生きてるって言えるなこの嘘つき、そんなふうに世の中を見ていた。そんな時期に一緒に怒ってくれて、しっくりと寄り添ってくれたのがこの頃の彼らだった。

本作のハイライトは「8月の秘密」「ひょうひょうと」「アカイヤミ」「雨」を経ての「空、星、海の夜」だ。すべての膿を浄化する、澄み切った美しいロックバラードの配置に唸る。最近ではリスナーを鼓舞する楽曲も増えてこそいるが、いまもなおこれらの曲を忘れないでいてくれることが嬉しい。またその方向性の変化も、世を人を憂えるばかりでなく、周囲に目を向けともに成長できていると思えることが素直に嬉しい。

やや(@mewmewl7

 

102. フジファブリック『CHRONICLE』(2009)

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発売時高1だった僕は初めて聴いた時、ほんとに驚いた。曲の幅が広すぎてわけわからんバンドというイメージがごっそりと塗り替わるようなシンプルな歌たち。もちろん変化球もあるのだけど、それらを超えて印象に残るのは、生々しい心情吐露ばかりのナイーブな歌詞たちだった。当時の僕は、どうした志村正彦、夢の中で妖かしパッションとか、タッタタタラッタラッタッタとかはどこに置いてきた、と思っていたものだ。

歳を重ねるうちにこのアルバムの滋味が沁みてくるようになった。あの時あんなことを言わなければもしかしたら今も、、とか、なぜあの時傷つけるようなことをしてしまったんだろう、とか。反芻してもどうしようもない、寂しさや恋しさが混ざった思い出が増えれば増える程に。今なら分かる。きっとあの時の志村は、そんな感情を歌わずにはいられなかったんだろう。奇抜なミュージシャンとして側面とともに、一人の苦悩する若者としての顔つきも刻んだこの作品は、今も僕らの失念だらけの日々に寄り添ってくれている。

月の人(@ShapeMoon

 

101. サニーデイ・サービス『東京』(1996)

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ネットの音楽オタクが選んだベスト平成アルバム 150→101

101. サニーデイ・サービス『東京』
102. フジファブリック『CHRONICLE』
103. THE BACK HORN『人間プログラム』
104. cero『My Lost City』
105. くるり『THE WORLD IS MINE』
106. 宇多田ヒカルHEART STATION
107. BUCK-TICK『狂った太陽』
108. LUNA SEA『STYLE』
109. 宇多田ヒカル『初恋』
110. サニーデイ・サービスサニーデイ・サービス
111. 相対性理論シンクロニシティーン』
112. ストレイテナー『TITLE』
113. Perfume『JPN』
114. MALICE MIZER『merveilles』
115. くるり『図鑑』
116. ELLEGARDEN『DON'T TRUST ANYONE BUT US』
117. 神聖かまってちゃん『友だちを殺してまで。』
118. 電気グルーヴ『VOXXX』
119. 川本真琴川本真琴
120. NUMBER GIRL『SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT』
121. フジファブリックフジファブリック
122. 小袋成彬『分離派の夏』
123. スピッツ『名前をつけてやる』
124. □□□『everyday is a symphony』
125. Cocco『クムイウタ』
126. the pillows『LITTLE BUSTERS』
127. aiko『桜の木の下』
128. OGRE YOU ASSHOLE『100年後』
129. ムック『朽木の灯』
130. 宇多田ヒカルULTRA BLUE
131. tofubeats『lost decade』
132. UNISON SQUARE GARDENCIDER ROAD
133. Base Ball Bear『C』
134. ユニコーン『服部』
135. eastern youth『感受性応答セヨ』
136. Base Ball Bear『C2』
137. 筋肉少女帯レティクル座妄想』
138. 中村一義『太陽』
139. ELLEGARDEN『Pepperoni Quattro』
140. Base Ball Bear『(WHAT IS THE)LOVE & POP?』
141. 星野源『エピソード』
142. Janne Da Arc『D・N・A』
143. Dir en greyWithering to death.
144. hide with Spread Beaver『Ja,Zoo』
145. tofubeats『FANTASY CLUB』
146. syrup16g『COPY』
147. Official髭男dism『エスカパレード』
148. syrup16g『coup d'Etat』
149. 中村佳穂『AINOU』
150. 椎名林檎加爾基 精液 栗ノ花