わりと素直に選んだ、くるりの大好きな10曲

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本当はアルバムリリース前にみんなで遊んで、アルバムリリース後に合評という形にもっていけたら良かったけど、ぶっちゃけ頓挫しました。少しでも書いたことがある人ならわかると思うけど、くるりへのストレートな想いを綴ることがどれだけ難しいことか。好きなアルバムを3枚選ぶのがどれだけキツいことか。

そんなわけで今は懐かしき「#第一次くるり大戦」のハッシュタグを思いつつ、僕が好きなくるりの10曲を投下します。新作とはあまり関係ない個人的な記事です。「こいつ、これが好きなんだ」「趣味悪いな」と笑っていただければ幸いです。カウントダウン形式にしました。

 

10. 赤い電車

くるり・LOVES・京浜急行電鉄くるりがはじめて書いたタイアップソングだけど、当時は「ここまでさっぱりしてていいのか」と驚いたのね。『NIKKI』の頃だからくるりが素直モードに入っていたことも影響しているあるけど、それ以上に「タイアップだからといって派手な曲は書かない!」というひねくりっぷりが貫かれてて痛快。結果的に長く愛せる素敵な歌になったと思う。ベスト盤ツアーの時にクリフ・アーモンドがバスドラを突き破ったお詫びに演奏してくれたのが嬉しかった。

 

9. 旅の途中

こちらもタイアップ。チオビタドリンクのCM曲でベスト盤2に収録。さらっと聴くとアコースティックで清涼感溢れる仕上がりなのに、サビのコーラスワークは「しみじみ良い」を通り越してもはやサイケ。狂気。美しい。でも2回目ののサビは来ない。きちんと現実に帰してくれる。くるりの最も素晴らしい仕事の一つだと思う。

 

8. Liberty&Gravity

以前も書いたけど、基本的には土着民謡型ポップミュージックで、くるりなら「ナイトライダー」や「東京レレレのレ」、古くは岡林信康がやった「エンヤトット」の進化系。でも随所に打ち込みやポップミュージック的な要素が組み込まれてて 、するっと飲み込める。きゃりーぱみゅぱみゅのMVを手がける田向潤の起用も良かった。10年代くるりの金字塔。

 

7. ブレーメン

岸田繁が頭のなかに譜面を書き始めて「どうせだからウィーンまで行っちゃえ!」って感じで行き着いてしまった『ワルツを踊れ』のリードトラック。くるりはロックバンドだし、いくらクラシックに傾倒したところでロックバンドとしてのアイデンティティは完全に消去することは出来ないけど、それでもこの頃のクラシックにかぶれた感じは傍から見ても楽しそうだった。アウトロがすごく気持ちいいけど、フェスで聴くと微妙な気持ちになる。『Philharmonic or die』のバージョンが最高。

 

6. dog

2012年の『坩堝の電圧』からくるり岸田繁以外のメンバーの曲も演るようになった。その中で一番の出来が吉田省念作曲のこれ。歌、ソングライティング申し分なし。というか良すぎ。もはやサポートギタリストにとどまらない才能。そりゃあソロに戻るのは必然だよね!でも最低3枚は一緒に作って欲しかった。またふらっと来ないかな。

 

5. さよならストレンジャー

個人的にくるりを知ったのは『アンテナ』の頃だったので、それ以前のくるりを掘り下げることは正直少ない。でも1st『さよならストレンジャー』だけは何度も聴いてる。デビューらしくないコンセプトアルバム。そして玄人が唸るようなアレンジ。そして心にマグマを溜め込んでいるような青さ。歌詞は考えすぎてわけがわからないことになってるのに、メロディーだけで圧倒する力強さ。後に青春を謳歌したようにしか見えない曽我部恵一がカバーしたけど、青春の後に人生の辛酸を舐めさせられた人間として、こちらもものすごい説得力だった。

 

 4. Baby I love you

そもそも『NIKKI』というアルバムは、一生に一度あるかないかのレベルの素直な岸田繁が出ている作品だった。それは『THE WORLD IS MINE』や『アンテナ』で濃いものを作り上げた反動かもしれないし、「ロックンロール」の余波でタイアップが集まったからなのかもしれないし、snoozerで言われたようにセルアウトの時期だったのかもしれないけど、どちらにせよこのアルバムはなんどでも聴けるし、この曲は聴くたびに温かい気持ちになる。

 

3. すけべな女の子


もっくん、クリストファー以降、くるりは正式ドラマーを入れること無く、様々なドラマーと浮気するようになったのだけど、おもしろいのは毎回くるりの方がそのドラマーに染まってしまうこと。その長い歴史の中で、ほぼ唯一とっていいくらい何度も共演しているのがmi-guことあらきゆうこ。彼女はCorneliusオノ・ヨーコのようなアート/エレクトロ系の人たちと演奏しているのに、なぜかくるりではメタル的。凶暴。基本的にはなんでもこなす人だけど、くるりではやたら筋肉質。でも超絶にかっこいい。岸田が女々しい臭い歌を歌ってるからなお引き立つ。和製オルタナ・オブ・くるりの最高傑作。

 

2. ワールズエンド・スーパーノヴァ


これはもうあまり語ることがないなー。サウンドの洗練。言葉の洗練。アレンジの未熟さとちょうど良さ。そしてライブでは再現しきれない奥深さ。めちゃくちゃ踊れるわけではないけど、身体が揺れる。すごく嬉しいのに切なくなる。全てが曖昧なのに、すべての真理を言い当ててるような。くるりの最高傑作だと思う。

 

1. 魔法のじゅうたん

岸田繁の最も凄いところは、こういう美メロをさらっと書けてしまうところで、この曲に限らず「ばらの花」や「Remember me」「奇跡」といったバラードを密かに量産している。にもかかわらずそう思わせない、音楽的に変態だという印象をもたせるところがくるりのうまさというか、ただ単純に本人が飽きないための創意工夫なのだと思う。この曲の頃はくるり、佐藤、フジファブリック山内、ボボの4人編成。くるりの歴史の中で最もシンプルかつ奥深い時代に生まれたキラーチューンだと思う。

 

広く選びつつ、 わりとメジャーに偏ったかなーと思ったけど、大体こんな感じです。もちろんこれ以外にも大好きな曲は山ほどあるし、まだまだ書き足りないけど、とりあえず次は『THE PIER』の合評をやるのでそちらで。くるり大好き!

 

 

ぴっち(@pitti2210