ネットの音楽オタクが選んだ2018年のベストアルバム 100→51

f:id:pitti2210:20190119105459j:plain

2日目です。大事なことなのでもう一度書いておきます。

  • このランキングは510名の音楽ファンのデータを集計したもの
  • アーティスト本人に伝えるのはやめて

です。万が一覗いてしまったアーティストの方は「こいつら馬鹿だなあ」くらいに思っていただければ幸いです。YouTubeApple Music、Spotifyのリンクも貼っています。プレイリストも作りました。ぜひ使い倒してください。明日で終わります。よろしくお願いします。(ぴっち)

 

 


100. Klan Aileen『Milk』

f:id:pitti2210:20190116213117j:plain

「流氷」

Apple Music  Spotify

 

99. Yves Tumor『Safe In The Hands Of Love』

f:id:pitti2210:20190116213132j:plain

「Licking An Orchid (ft. James K)」

Apple Music  Spotify

 

98. Rejjie Snow『Dear Annie』

f:id:pitti2210:20190116213144j:plain

「Egyptian Luvr (feat. Aminé & Dana Williams) 」

Apple Music  Spotify

 

97. 上坂すみれ『ノーフューチャーバカンス』

f:id:pitti2210:20190116213205j:plain

「POP TEAM EPIC」

Apple Music  Spotify

 

96. SOPHIE『Oil of Every Pearl's Un-Insides』

f:id:pitti2210:20190116213233j:plain

「It's Okay To Cry」

Apple Music  Spotify

アーティスト名からしてミスティック。商品ロゴのように大文字で綴られた"SOPHIE"。その音韻だけ耳にすれば、"philo"なき"sophy"、すなわち"愛の与り知らない知"とも解釈できそうで、意味の深長さは増していく。あたかもポップなのに無機質という特徴を裏打ちしているように……。

しかし、その読みだけでは溢れる情動という、彼女の稀有な魅力を掬いきれずに違和感を抱いてしまう。けたたましいトーンと並走する煌びやかなメロディ。重厚なサウンドはモーターのように力強く駆動し、ウェルメイドなピッチャーで注がれた水にも似たキレで後を濁さない。元々バブルガム・ベースと呼ばれる楽曲群の中でも異才を放っていたが、遂に放たれた1stアルバムではより広いスタイルをカバーしており、開かれつつも謎めいた、アンビヴァレントなポップミュージックが並べられている。無機質な、でもなぜか血潮の通う、果てしない熱情を感じられるような……その不可思議に戸惑う。これは一体……?

答えは多分、自身の音楽性を指して言った"advertising"というタームにあるのだろう。その鏡を通せば、最初の謎解きの筆跡は光へと反転するはずだ。

KV(@kvtheamulet

 

ポップ・ミュージックとは。ポップってなんだっけ。こんなインダストリアルな要素もふんだんに取り入れられたものまで含まれるものなのか。このアルバムに限らず、異形のポップスが恐ろしく定着してきている気がする。最早それが一般的なポップスと成り代わって、これはポップであるという認識が更に拡がりどんどん変容していく。そうなると、かつてポップと呼ばれていたものがよりポップに際立つし、ポップではないと敬遠されてきたものからポップを感じ取れるようになるかもしれない。そしてまたこのアルバムの曲を聴いてみる。あ、こりゃすっっげえポップなアルバムですね。

わど。つまり、ウラニワ(@wadledy

 

95. 揺らぎ『Still Dreaming, Still Deafening』

f:id:pitti2210:20180615192442j:plain

「Unreachable」

Apple Music  Spotify

「ネットの音楽オタク」という言葉が妙に似合うジャンルのうち、恐らく多くの人の脳裏に浮かぶのがシューゲイザーだろう。非現実的。だけど、聴いているとたしかに自分は存在していると思わせてくれる。そんな感覚を、音楽に求めてしまう人のために。うつむきがちな日々を過ごしている人のために。

揺らぎが鳴らす眩すぎて耳を塞ぎたくなるような、夢のような景色が、ネットの音楽オタクにも、そうでない人にも届けばいいな。

さこれた(@bewith0301

 

94. ネクライトーキー『ONE!』

f:id:pitti2210:20190116213309j:plain

「オシャレ大作戦」

Apple Music  Spotify

「オシャレ大作戦」を初めて聴いた時、曲からダダ漏れの不安感や諦念に打ち震えた。《「想像上ではできた」それの半分もできないまま》とぼやき、いい年なのにまだどこかで自分の無限な可能性を信じている。そんな僕らの痛みが疼いている音楽だ。仕事場では「がっかりされたくないな」と思いビクビクし続け、家に帰って好きな音楽や映画を嗜むことで自我を何とか保っている。あぁこれ以上は踏み込まないでくれよ、と思うほどの圧倒的な解像度で僕らの日々が詰め込まれている。

首謀者・朝日廉の鬱屈とした思いの数々を、健やかでキュートな女子声で歌に変換する在り方がとても美しい。ボカロP・石風呂でもある朝日が、初音ミクを投影できる歌声として見つけたほぼ素人なボーカリスト・もっさ、そして共にバンドを組んできたメンバーという編成でネクライトーキーは結成された。シンデレラストーリーとバンドヒストリーを交差させ、彼らは生き難い現実と対峙する。飛び道具だらけのピカピカなアレンジは、そのために必要な武器だ。底抜けのポップさに忍ばせる虎視眈々の目つき。《やるしかない ここまで来た》のだ。

月の人(@ShapeMoon

 

93. 雨のパレード『Reason of Black Color』

f:id:pitti2210:20190116213323j:plain

「MARCH」

Apple Music  Spotify

 

92. V.A.『アダムとイヴの林檎』

f:id:pitti2210:20190116213405j:plain

theウラシマ’S「正しい街」

Apple Music  Spotify

 

91. 吉澤嘉代子『女優姉妹』

f:id:pitti2210:20190116213652j:plain

「女優」

Apple Music  Spotify

ユーモアと情念を曲ごとに切り替え、歌/物語に魂を宿す吉澤嘉代子の歌唱は常に憑依と紙一重の鮮烈な表現力を持つ。そんな彼女があらゆる角度から"女"を演じた独壇場のような十の名演。広く名を知らしめた名曲「残ってる」までも前フリのように用いて、ラストの「最終回」で舞台装置ごとひっくり返す構成も含め、演劇的に作り込まれている。群像劇を活写すべく多種多様なメロディが自在に繰り出されおり、その硬軟を見極めて最適な編曲家と演奏陣を起用したのも名仕事である。

シンガーソングライターは、歌の内容=その人そのもの、と捉えられがちなアーティストだ。しかし彼女はそのイメージから自身を遠ざけるように、多面的なフィクションを様々なタッチで描いていく。この1枚で、彼女が職業作家と歌手を1人で同時に担おうとしているのは明白であり、アートワークの細部に至るまでその美学は行き届いている。ファンシーでたおやかな佇まいとは裏腹の、強く逞しい表現者としての姿勢は先鋭的で唯一無二であり続けるだろう。

月の人(@ShapeMoon

 

90. yahyel『Human』

f:id:pitti2210:20180116131726j:plain

「Pale」

Apple Music  Spotify

2018年12月31日、恵比寿LIQUIDROOMのNEW YEAR PARTY。yahyelのライヴ数分前に私の隣にいた客が「俺、こいつらいなくなったら死ぬわー!」と友人に話していたのを聞いた。お酒の力もあったと思うけど、ファンにそこまで言わせるバンドになったのだなぁと感じた。そんな熱気を最初に作ったのは、もしかすると本作かもしれない。

本作は《I'm a stranger》で始まり《Be a lover》で終わる。語尾の〈er〉が示す通り、本作においてyahyelという存在はれっきとした「人間」だ。より正確に言えば、本作は人間になるために何が必要かを巡り彷徨う、その道程を描いていると言えるだろう。人間らしさの証左として、声にエモーショナルさが宿った点が挙げられる。オルタナティヴR&B色を纏ったループの中、段々とヴォーカルが熱を帯びていくM9が象徴的だ。「どうしたらこの輪廻から抜け出せる?」そうした自問自答、ないしはアイデンティティクライシスの先で彼は「選んだものを愛する」という境地に辿り着く。置かれた場所で咲く難しさを噛み締めて、かつての宇宙人は人間になったのだ。

まっつ(@HugAllMyF0128

 

89. 04 Limited Sazabys『SOIL』

f:id:pitti2210:20190116213501j:plain

「Milestone」

Apple Music  Spotify

「Squall」「My HERO」というシングル攻勢で、世代のセンターをしっかり引き受けた上で、アルバムでは奔放に熱を放射しまくっている。「Milestone」や「Message」では、過去のフォーリミ自身と対比させる形でバンドストーリーを活写する一方で、素っ頓狂でつんのめった歌唱と過激な歌詞で迫る「Galapagos」や、キャッチーの限りを尽くし、あざとさ満点の「Kitchen」など、やり過ぎなキラーチューンが次々飛び出してくる。

後半に収められた穏やかなパワーポップナンバー「memory lane」や、軽やかに跳ねる「Shine」など、らしくない楽曲も着飾らずに鳴らしている。剥き身のままシーンを駆け上がった彼らの自然体な魅力。メロディックパンクを主体としてどれだけ広がれるか、ということを挑戦や壁に感じていないのだろう。ただ音楽と真剣に戯れ、真面目に遊ぶ。そんな土壌で育まれたナンバーの数々はライブハウスから野外フェスまでを一網打尽できる。いつまでもキッズたちのブースターで在り続けるだろう。

月の人(@ShapeMoon

 

88. A$AP Rocky『Testing』

f:id:pitti2210:20190116213516j:plain

「Tony Tone」

Apple Music  Spotify

 

87. Nulbarich『H.O.T』

f:id:pitti2210:20180122114525j:plain

「ain't on the map yet」

Apple Music  Spotify

Jamiroquaiの日本公演オープニングアクトの実績などからしてそうしたら流れを思わせる、ソウルやアシッドジャズをしっかり血肉としていてそれでもなおスタイリッシュでオシャレなバンド、というところはみなさんすでに承知かと思うので別の側面から。近い流れを感じさせるSuchmosと比較して、Nulbarichの特徴は"歌詞がものすごくナヨナヨしていて非常に邦ロックらしい"ということ。自分たちの全能感をはっきり信じて威風堂々さを感じさせるSuchmosと、「your heroにはなれない、けど…」と歌うNulbarich。良い悪いではなく、同じ時代に、こういった形で立て続けに素晴らしい音楽を鳴らすバンドが現れたのは偶然じゃない、ですよね。

はっちゅ(@Hat_chyu

 

86. Shiggy Jr.『DANCE TO THE MUSIC』

f:id:pitti2210:20181022122032j:plain

「ピュアなソルジャー」

Apple Music  Spotify

 

85. CRCK/LCKS『Double Rift』

f:id:pitti2210:20190116213554j:plain

「No Goodbye」

Apple Music  Spotify

 

84. Courtney Barnett『Tell Me How You Really Feel』

f:id:pitti2210:20190117130307j:plain

「Need A Little Time」

Apple Music  Spotify

 

83. Father John Misty『God's Favorite Customer』

f:id:pitti2210:20190117130401j:plain

「Mr. Tillman」

Apple Music  Spotify

 

82. Anderson .Paak『Oxnard』

f:id:pitti2210:20190117130417j:plain

「TINTS ft. Kendrick Lamar」

Apple Music  Spotify

シンガーソングライター、ラッパー、ドラマー、ピアニスト……。あいつは何者だ?と問われたときに自信を持って「全てだ」と言えたのは前作『Malibu』まで。今回は「ラッパー、かな?」 と首を傾げながら答えなければならないだろう。本作は歌よりもラップの比率が高く、トラックも『Malibu』でのピアノがもたらすサイケデリックさは整理され、ファンク方面に舵が切られている。また、そのゲストの多さも「 ヒップホップのアルバム」っぽさが強まった理由だろう。

なぜここまで振り切った?答えはきっとそう難しくない。 Anderson. Paakは正しくアメリカン・ドリームの体現者だ。 ホームレスからスターダムへ。そのきっかけこそ、Dr.Dre『Compton』でのフックアップだった。 本作で彼が活き活きとラップするのは自らを押し上げたカルチャーへの恩返しを果たすため、故郷=『Oxnard』に錦を飾るためではなかろうか。そう思わせるほど、本作はあらゆる面でゴージャスだ。

まっつ(@HugAllMyF0128

 

81. Mid-Air Thief(空中泥棒)『Crumbling』

f:id:pitti2210:20190117130429j:plain

Apple Music  Spotify

 

80. FLOWER FLOWER『スポットライト』

f:id:pitti2210:20190117130441j:plain

「パワフル」

Apple Music  Spotify

 

79. Kids See Ghosts『Kids See Ghosts』

f:id:pitti2210:20190117130501j:plain

Apple Music  Spotify

 

78. Age Factory『GOLD』

f:id:pitti2210:20190117130524j:plain

「GOLD」

Apple Music  Spotify

閉じたまま爆発し続けるような、何も言わずに心を開かせるような、そんな非対称性を感じさせるアルバムだ。要因は様々ある。優しい言葉ほどシャウトし、強い言葉ほど穏やかに語りかける歌。 1つ1つの音を粒立たせる録音と、そのそれぞれが程良く溶け合うように残響を残したミックス、マスタリングなど。しかし何より印象的なのは、スリーピースでアンサンブルを完結させることにこだわりつつコーラスの具体性を強めた点だろう。表題曲のM1やM7、M10などがその際たるもので、明確に大人数の合唱を見越したアンセムを作りに来ていることがわ かる。そう、本作は「変わらないまま変わる」ことを選んだバンドが、その最初の一枚にして目標をほぼ全て達成した作品。あとは頂に登り、輝くメダルを掴むだけ。

まっつ(@HugAllMyF0128

 

77. 踊ってばかりの国 『君のために生きていくね』

f:id:pitti2210:20190117130549j:plain

「Boy」

Apple Music  Spotify

ここ最近日本で勢いづいてきてる音楽で、はっぴいえんどRCサクセション辺りから脈々と受け継がれ、Fishmansゆら帝を経て辿り着いた和製サイケロックを響かせるバンドが数多く目立ってきた気がする。具体的に挙げると、ヨギーやネバヤンを筆頭に、gateballers、バレーボウイズ台風クラブクウチュウ戦、本日休演、MONO NO AWARE、Tempalay、キイチビール、ラッキーオールドサンなど。ドミコやCHAIもいるし、おとぎ話やミツメやシャムキャッツの普及ぶりといい、サイケポップなインディーロックが今まで以上に広く支持されつつある流れがある。気のせいでなければ。そんな中で、2010年頃にサイケなロックンロールを掲げた若手としては唯一無二の堂々たる存在感を放っていたのが彼ら。幾度のメンバーチェンジを迎え、結成から10年くらい経ってしまった。

しかし今作は後発の近い音楽性の者達に一切引けを取らず、研ぎ澄まされた純度の高い楽曲群が並ぶ、濃厚かつ洗練された作品である。時代性を問わない普遍的な自由奔放さながら、今の時代にこそ鋭くガツンと響く。真打ち登場!といった痛快さで、上記のようなバンドを好む方には是非とも一聴してみてほしい。

わど。つまり、ウラニワ(@wadledy

 

76. 蓮沼執太フィル『アントロポセン』

f:id:pitti2210:20190117130604j:plain

「Juxtaposition with Tokyo」

Apple Music  Spotify

 

75. BUCK-TICK『No.0』

f:id:pitti2210:20190117130617j:plain

「Moon さよならを教えて」

Apple Music  Spotify

 

74. Spiritualized『And Nothing Hurt』

f:id:pitti2210:20180508183245j:plain

「I'm Your Man」

Apple Music  Spotify

 

73. 国府達矢『ロックブッダ

f:id:pitti2210:20190117130645j:plain

「薔薇」

Apple Music  Spotify

仏教の重要な教えに「空」という概念がある。万物は相対的であるため、この世に絶対的・固定的実体というものは存在しない、とする考え方だ。本作は「空」の概念を音楽で表現した作品だと感じた。ギターフレーズもコーラス含めたヴォイスも縦横無尽に飛び回り、それまで意識を集中させていた箇所とは異なる部分から現れ、消えていく。そう、本作のサウンドは右と左という固定的実体から解放されているのだ。

前作『ロック転生』から15年。実際に製作を開始した2005年から数えても、彼は10年以上1枚のアルバムに取り組み続けたことになる。執着のない場所を描き切ることに執着した男の作品は奇妙な曼荼羅模様を描き、「ブッダの本質」と訳せる無音のトラックで終わる。本作を完成させるにあたり、国府達矢が意識したのはただ一つだろう。私も同じく祈りたい。《あらゆる隔たりを超えてゆけ》。

まっつ(@HugAllMyF0128

 

72. Car Seat Headrest『Twin Fantasy』

f:id:pitti2210:20190117130656j:plain

「Bodys」

Apple Music  Spotify

 

71. Luby Sparks『Luby Sparks』

f:id:pitti2210:20190117130710j:plain

「Thursday」

Apple Music  Spotify

 

70. HONNE『Love Me / Love Me Not』

f:id:pitti2210:20190117130721j:plain

「Me & You」

Apple Music  Spotify

 

69. Lamp『彼女の時計』

f:id:pitti2210:20190117131048j:plain

「Fantasy」

Apple Music  Spotify

 

68. DIR EN GREY『The Insulated World』

f:id:pitti2210:20190117131106j:plain

「Ranunculus」

Apple Music  Spotify

 

67. Jorja Smith『Lost & Found』

f:id:pitti2210:20190117140540j:plain

「The One」

Apple Music  Spotify

 

66. Low『Double Negative』

f:id:pitti2210:20180126103212j:plain

「Fly」

Apple Music  Spotify

 

65. Joji『BALLADS 1』

f:id:pitti2210:20190117140613j:plain

「TEST DRIVE」

Apple Music  Spotify

もともとは別名義でYouTuberをしたり、コメディ色の強いアルバムをリリースしたりしていたそう。その傍らSoundcloudにアップしたJoji名義の音源がアジアのメディアプラットフォームである88risingに発見されたことで脚光を浴び、2017年以後は音楽活動に専念。

別名義で活動していた時のアルバムから何曲か耳にしていたけど、それとは全く毛色が違う。このアルバムにはゲスい下ネタでウケを狙うコメディアンはどこにもいない。重たいビートと生死の境が揺らぐメロウな歌声、孤独だとか死だとか、言葉に出せば陳腐だけど切実なトピックばかりが並んでいる。こうしたアルバムのテイストやその多才さから、僕はどうしても星野源および『POP VIRUS』に込められた諸々を思い起こさずにはいられない。いつも明るい人間がいつも明るいワケないだろう。

まっつ(@HugAllMyF0128

 

64. Against All Logic『2012 - 2017』

f:id:pitti2210:20190117140625j:plain

Apple Music  Spotify

 

63. RADWIMPS『ANTI ANTI GENERATION』

f:id:pitti2210:20190117140640j:plain

「そっかない」

 

62. LUCKY TAPES『dressing

f:id:pitti2210:20190117140658j:plain

「22」

Apple Music  Spotify

 

61. Maison book girl『yume』

f:id:pitti2210:20190117140735j:plain

「夢」

Apple Music  Spotify

 

60. Bird Bear Hare and Fish『Moon Boots』

f:id:pitti2210:20190117140745j:plain

「Work」

Apple Music  Spotify

2016年に活動を終えたGalileo Galileiのメンバーとサポートメンバーが名前を改め再スタート。ボーカル尾崎雄貴が2017年にアルバムを発表したソロプロジェクトwarbearでは、ツアーのセットにGalileo Galileiのラストアルバムからの楽曲を組み込むなど、どうも延長のような雰囲気があったが、先述のアルバム2作のような重量感に対して今作では1stアルバムらしい迫力を味わうことができる。昨年warbearのアルバムのレビューに肯定的な意図で「現代の音楽の聴き方に適していないが、全編通して聴くべきアルバム」と評価していたが、今作はそことは逆の位置にあるように思う。

彼らが新たな名前を背負いどこへ向かうのか、まだわからないというのも正直なところ。月へさえ行けるような靴を履こうというタイトルと解説されているが、今は地に足をつけて進んでいく段階なのかもしれない。いつか月にまでたどり着いたとき、どんな景色を見ることができるだろうか。

ごうた(@got_ab

 

59. AL『NOW PLAYING』

f:id:pitti2210:20190117141043j:plain

「ハンアンコタ」

Apple Music 

 

58. The Internet『Hive Mind』

f:id:pitti2210:20190117141101j:plain

「Come Over」

Apple Music  Spotify

 

57. Post Malone『beerbong & bentleys』

f:id:pitti2210:20190117141113j:plain

「Better Now」

Apple Music  Spotify

 

56. XXXTENTACION『?』

f:id:pitti2210:20190117141126j:plain

「Moonlight」

Apple Music  Spotify

言うまでもないが「今」の積み重ねこそが時代であり、時代の積み重ねこそが歴史である。だとするならば、アルバム1枚に歴史的な要素を無理に詰めこまなくても良いのかもしれない。

本作には徹底して「今」が詰まっている。裏を返せば、ここには過去も未来もない。これまで見てきた光景もこれから訪れるであろう場面もトラップもグランジもフォークもフラメンコも無理くり「今」の中に押し込んでいる。他の視点なんて持とうともしていない。XXXTentacionは全てにリアルタイムで思いを馳せていた。「今」キマってたし「今」正気になるし「今」祈ってたし「 今」殴ってるし「今」良くあろうとしたし「今」クソな気分になるし「今」俺は自殺したいし「今」あの子は自殺してしまったのだ。 無軌道かつ近視眼的であることに開き直ってすらいるような本作は、紛れもなく時代そのものだ。

まっつ(@HugAllMyF0128

 

55. Analogfish『Still Life』

f:id:pitti2210:20190117141140j:plain

「Sophisticated Love」

Apple Music  Spotify

ポストロック〜マスロック的なストイシズム溢れるアンサンブルを得意とする下岡晃(Vo,Gt)と、爽やかなギターポップが十八番の佐々木健太郎(Vo,Ba)。それぞれ嗜好の異なる2人のソングライターが本作で共にブラックミュージックに接近したことは興味深い。ただ、歌詞を見てみるとそのアプローチにも納得がいく。前作『 Almost A Rainbow』までが「動き出してみようぜ」 と鼓舞する作品だとするなら本作はその真逆、「動きたくても動けない」抑圧された人達のための作品だ。そう考えるとら完成までに過去最長のスパンを要したことを含めた全てが必然だったとわかる。つまり《僕は今日も誰にもなれなかったよ》《この街は平和に見える》と歌われる日本にとって「Hands Up, Don't Shoot」は対岸の火事じゃないってことだ。

まっつ(@HugAllMyF0128

 

54. iri『Juice』

f:id:pitti2210:20190117141153j:plain

「Corner」

Apple Music  Spotify

ギターを片手にアルバイト先で弾き語りライブを行い、Sony Musicのオーディションでグランプリを獲得。その後ニューヨーク留学を経て、ビクター・カラフルレコーズよりデビュー。作詞作曲を自身が手がけつつ、トラックはケンモチヒデフミ、ESME MORI、Tokyo Recordingsが手がけ、さらに今作では5lack、WONK、Lucky Tapes、yahyelといった面々が参加。そんなiriの2ndアルバムを聴いて真っ先に出てくる印象は「自信のなさ」だ。当たり前だ。自信満々で出てこられたほうが困る。デビュー2作目で錚々たる面々に囲まれる居たたまれなさを抱えながらも必死に何かを手に入れようと藻掻く。5lackとの「Telephone」はその結晶のような曲だ。弾き語りの積み重ねと他者との共作でしか生まれ得ない、2010年代のR&Bが日本の地で根を張ろうとしている。

時間をかけて次作を作って欲しいが3月には次のアルバムが出る。試行錯誤を積み重ねる段階なのだろう。確かに今のiriはわかりやすく成長している。この声と感性が行き着く先を見届けるのは今しかない。みんな聴け!

ぴっち(@pitti2210

 

53. Kanye West『Ye』

f:id:pitti2210:20190117141244j:plain

Apple Music  Spotify

 

52. Louis Cole『Time』

f:id:pitti2210:20190117141255j:plain

「When You’re Ugly」

Apple Music  Spotify

 

51. KIRINJI『愛をあるだけ、すべて』

f:id:pitti2210:20190117141307j:plain

「AIの逃避行 feat. Charisma.com」

Apple Music  Spotify

 

ネットの音楽オタクが選んだ2018年のベストアルバム 100→51

51. KIRINJI『愛をあるだけ、すべて』
52. Louis Cole『Time』
53. Kanye West『Ye』
54. iri『Juice』
55. Analogfish『Still Life』
56. XXXTENTACION『?』
57. Post Malone『beerbong & bentleys』
58. The Internet『Hive Mind』
59. AL『NOW PLAYING』
60. Bird Bear Hare and Fish『Moon Boots』
61. Maison book girl『yume』
62. LUCKY TAPES『dressing
63. RADWIMPS『ANTI ANTI GENERATION』
64. Against All Logic『2012 - 2017』
65. Joji『BALLADS 1』
66. Low『Double Negative』
67. Jorja Smith『Lost & Found』
68. DIR EN GREY『The Insulated World』
69. Lamp『彼女の時計』
70. HONNE『Love Me / Love Me Not』
71. Luby Sparks『Luby Sparks』
72. Car Seat Headrest『Twin Fantasy』
73. 国府達矢『ロックブッダ
74. Spiritualized『And Nothing Hurt』
75. BUCK-TICK『No.0』
76. 蓮沼執太フィル『アントロポセン』
77. 踊ってばかりの国 『君のために生きていくね』
78. Age Factory『GOLD』
79. Kids See Ghosts『Kids See Ghosts』
80. FLOWER FLOWER『スポットライト』
81. Mid-Air Thief(空中泥棒)『Crumbling』
82. Anderson .Paak『Oxnard』
83. Father John Misty『God's Favorite Customer』
84. Courtney Barnett『Tell Me How You Really Feel』
85. CRCK/LCKS『Double Rift』
86. Shiggy Jr.『DANCE TO THE MUSIC』
87. Nulbarich『H.O.T』
88. A$AP Rocky『Testing』
89. 04 Limited Sazabys『SOIL』
90. yahyel『Human』
91. 吉澤嘉代子『女優姉妹』
92. V.A.『アダムとイヴの林檎』
93. 雨のパレード『Reason of Black Color』
94. ネクライトーキー『ONE!』
95. 揺らぎ『Still Dreaming, Still Deafening』
96. SOPHIE『Oil of Every Pearl's Un-Insides』
97. 上坂すみれ『ノーフューチャーバカンス』
98. Rejjie Snow『Dear Annie』
99. Yves Tumor『Safe In The Hands Of Love』
100. Klan Aileen『Milk』

 

プレイリスト→Apple Music Spotify