レンタルだいすきクラブ 第3回 HEROSHIさん篇

TSUTAYAからは1円も貰ってないし、amazonのリンクを載せてるけどアフェリエイト登録もしてないのね」

「誰得?」と聞かれたら「ただただ、みんなが何を聴いてるか知りたいんだよ!」としか答えるしかない、レンタルだいすきクラブ第3回です。この連載は執筆者交代制でレンタルしたCD3〜5枚を紹介することで、音楽性癖を晒し合う企画です。まあ「最近、何聴いてる?」という音楽好き高校生の会話を、音楽こじらせ系のみんなが未だにモラトリアム全開で続けているような連載です。大人になったら音楽の会話が減るけど、でもネット上くらい好きなことを喋ってもいいよね!

今回登場するのは、フィッシュマンズ『空中キャンプ』の記事で最初に音楽だいすきクラブの中からはてなのホットエントリ入りを果たしたHEROSHI(@HEROSHI1111)さんです。snoozerの「日本のロック/ポップアルバム究極の150枚」特集を片手に日々作品を聴き漁る自称・音楽馬鹿ことHEROSHIさんが海外のロック名盤5枚を揃えたレンタルだいすきクラブ第3回、はじまります! 

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前々から参加したいと思っていたし、参加表明もしていた本企画だが、私自身多忙であった事や、貧乏学生をしている事など諸事情があってなかなかレンタル屋に行けなかった(と言い訳をしておく)。しかしようやく借りる事が出来たので、記事を書きたいと思う。

私は洋楽に関してはとことん素人なので、現在洋楽の歴史的名盤を聴いて勉強している。なので今回もそんな歴史に残るアルバムを5枚借りてきた。これらがロックやポップの歴史に与えた影響は計り知れない。今もこれらを崇拝するファンは世界に数多いる事だろう。しかし歴史的名盤=私の好みに合う、とは限らない。いかに素晴らしい作品と言えど、きちんとこの耳で確かめたい。楽しみたい。結論を言うと、この5枚は私の大好きな作品となった。しかしそれは歴史的価値以上に、私の胸に響くポイントが多かった事によるものだ。だから私は胸を張ってこの5枚をオススメしたい。素晴らしい作品としてではなく、大好きな作品として。

一応下に行くほど気に入った作品となっております。

1枚目 Pink Floyd『The Dark Side of the Moon』(1973)
狂気

狂気

 

全世界で5000万枚売れたアルバムだが、その理由は複雑ながら美しい構成に他ならない。歌がストーリーを語る事が出来る事実を証明した。しかも物語の意味を増して。特に「The Great Gig In The Sky」の美しさかつ壮大さには未だどんな大物でも叶わない。鬼才シド・バレットを失っても尚、彼らがプログレの雄である事を疑う者は誰もいないだろう。「狂気」を体験してみたい人にとっての合法ドラッグ…と言えてしまうであろう。

2枚目 Sly & The Family Stone『Stand!』(1969)
スタンド!

スタンド!

 

60年代の正統派ロックはビートルズストーンズプログレキング・クリムゾンを帝王とするならば、このバンドは間違いなくファンクの帝王だ。黒人と白人、男と女の混合。今では当たり前でも当時は斬新。そしてその混血のバンドにしか出せない味わい深いソウルフルかつパワフルな演奏。黒人音楽と白人音楽なんて区別は馬鹿馬鹿しい。スライ&ザ・ファミリー・ストーンとその他、って区別でいいじゃん、って思わせてくれる作品。

3枚目 Marvin Gaye『What's Going On』(1971)
What's Going on

What's Going on

 

とにかく美しいアルバム。きっとマーヴィン・ゲイという一人の人間の根っこの部分が現れているんだろう。彼の歌声は悲劇的でもあり悦楽的でもあり、ミュージシャンなら誰もが羨む「最高の楽器」である。そんな歌声が醸し出すのはただ一つ。「何が起こっているんだ?」と投げかけられる疑問。信じられない事が信じられないタイミングで起こり得る現代社会に生きる我々にこそ、この歌声は響くべきだ。

4枚目 The Who『Who's Next』(1971)
Who's Next

Who's Next

 

映画プロジェクトに使われる筈のアルバムだったなんて逸話なんてどうでもいい。とにかく最初から最後までパワフルに響き続けるキース・ムーンのドラムを聴け。それだけで歴史的名盤と呼ばれる訳が分かる。特に「Baba O'Riley」「Won't Get Fooled Again」は必聴。ロジャーの歌声もピートのギターーも今まで以上にパワフルだ。実際、ザ・フーというバンドはここで一旦完成した。革新性、力強さ、技術、全て兼ね備えていた。

5枚目 Michael Jackson『Off The Wall』(1979)
Off the Wall

Off the Wall

 

天使の歌声を持つ少年が、「KING OF POP」へと変わった一作。今聴いても全く色褪せる事のないこのサウンドこそが、その称号を獲得させた原因である事は言わずもがな。ディスコサウンドR&Bも全て自分のものにしている。鳴り響き続けるビートは知らずに私を躍らせる。目をつぶって聴いて欲しい。貴方の頭には必ずミラーボールが回転する様子がはっきりと浮かんでいる筈だ。それが意味する事は一つ。本作が発表から30年以上経った今でも、最高のレコードの一枚だという事実だ。

 

う〜ん。洋楽のレビューは慣れていない。拙い表現ばかりになってしまった。でも間違いなくこの5枚は素晴らしい作品であり、胸を熱くさせるエネルギーと、涙を流させるメッセージを内包している。私は歴史を聴いたのだ。それだけこの胸は満ちている。歴史に残っている作品だから素晴らしいのではない。素晴らしいからこそ歴史に残るのだ。それはこの5枚だけでなくとも、数多くのアルバムが証明している事実だ。私はまだまだ音楽を知らない。まだまだ聴いていない名盤が山のようにある。しかし私はその事実が嬉しくて仕方がない。今から多くの音楽達を楽しむ事が出来るのだから。さあ、今日もTSUTAYAに行こう。手ぐすねを引いて待っているのは、私か、それとも音楽か。

 

 

HEROSHI(@HEROSHI1111

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レンタルだいすきクラブ、執筆者交代制の連載として記事を募集しています。週に1度、毎週水曜日の更新を目指しています。興味がある方は「レンタルしたCD(3〜5枚)の写真」「序文」「感想」「まとめ」を送っていただければ、到着順に掲載します。今のところ来週分まで決まっています。友達からレンタルするのもOKです。宛先はガイドラインにて。興味がある人はぜひ。ロゴはいっそやめようか考え中です……。