グルーヴとテンポ感を考えてみる

グルーヴとはとても言葉で表しにくいもの。

「各楽器が主張する部分と、譲る部分を考えながら、一定のノリの中で適度な「間」を取りながら混ざり合う状態」っていうのが自分の中でのグルーヴの解釈です。

音を詰め過ぎるとグルーヴした音楽からは遠のいてしまう気がするし、曖昧な定義ゆえに人によってグルーヴした音楽とはどういうのかっていう考え方がそもそも違うと思う。

ジャンルが違えば音の詰め込み方が違うと思うので、色々なジャンルの音楽をテンポと一緒に少し掘り下げてみることにしました。

【ロック】chaqq「GOOD DAY!」

BPMは175程度。

ロックはBPMが速めなのでメロディーは2小節を単位とし、比較的ゆったり歌われる。ベースとギターは主に8分音符で刻むので、ロックにおける動きの部分はベースとギターが担当していることが多いです。

ドラムのリズムはバンドによって異なるけども、個人的にこの程度のドラムの手数くらいがグルーヴ感じます。サビ前に一度音が抜けて「間」が出来ることでそこに強いタメが生まれ、サビがより良く聴こえます。

【アーバンソウル】Geyster「I Wouldn't Change A Thing」(原曲COKE ESCOVEDO)

BPMは115程度。

アーバンソウルだとグルーヴを生み出すのは間違いなくベースラインでしょう。テンポは比較的ゆったりしているのでメロディーは1小節単位で比較的はやい動きをしています。キーボードは伸ばしを担当していることが多く、それが全体のサウンドを落ち着かせる役割をしています。

【ファンク】The Crusaders「Sweet 'n Sour」

BPMは120程度。

フュージョンもファンクと同系統のグルーヴを持っていると思いますが、ソウルに比べてユニゾン (同じフレーズを複数楽器で演奏する)が多い印象で、どの楽器もメロディーであるかのごとく動き回ります。動きが多すぎるとクドくなりがちですが、演奏を軽めに若干スウィングすることで、前に進もうとする力を増大させます。ギターのカッティングはファンキーな音楽特有の使い方で、軽さとグルーヴを出すのに必須なテクニックですね。

【90's R&B】Elisha La'verne「I Don't Mind」

BPMは100程度。

R&B/Hiphopはリズムに重点を置いてグルーヴを出した音楽だと思います。リズムの反復感の中に音楽を乗せて、ソウルやファンクの要素を散りばめる。他ジャンルに比べてコーラスの使用率も高い気がして、コーラスが入ることによって落ち着きが全体に生まれ、グルーヴしているのにとっても聴きやすい感じに。

【ハードロック】Nickelback「Hollywood」

BPMは75程度。

ベースとギターがユニゾンで演奏することで重さが生まれます。ドラムのバスドラとスネアの音をたどるとかなりのグルーヴを感じます。楽曲を構成する「リフ」の繰り返しは、聞いている人を注目させる効果があります。

ドラムンベースLondon Elektricity「Wishing Well」

BPMは175程度。

ドラムンベースということで超高速ビートが全体を引っ張ります。切り刻まれた音源がグルーヴ感を加速させます。ドラムンベースの不思議なところはドラムのハイハットは超高速なのに、ボーカルの雰囲気は実際のBPMの半分程度でゆっくり歌っているように感じることでしょうか。ベースラインは支える程度でさほど細かく鳴ってはいません。

【ポップス】Fonogenico「Reason」

BPMは90程度。

正直ポップスというのは幅が広すぎてどういう音楽を指すかが明確ではありませんが、この曲は極上のポップスミュージックだと思います。各楽器がさり気なく主張して、その時に主役になる楽器を考えてすっと後ろに引く。派手な音楽ではないのに、どの楽器も良く聞こえてくる。これぞグルーヴ感じられる音楽だと思います。

各楽器をバラバラにして見てみると、同じ楽曲の中でもテンポ感の違いがあって面白いです。グルーヴとテンポに相関性があるかはわかりませんが、この記事から見えなかった視点を考えるキッカケとなれば嬉しいです。

 

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