11/26 岡村靖幸 @フェスティバルホール
前回のツアータイトル「将来の夢」もかなり不可思議でしたが、今回のツアータイトルも「ファイヤー」であると発表されるやいなや、「えっ?ファイヤー?岡村ちゃんのツアーだよね?B'zじゃないよね?」とまたもや疑問からはじまった今回のツアー。私は初日のEX THEATER ROPPONGIと11/22の渋谷公会堂、最終日の大阪フェスティバルホールに行ってきました。
個人的には、「アーティスト本人の稀に見るテンションの高さ」が見られた渋谷公会堂がとても楽しかったのですが(今までで一番楽しかったかも)、ここは最終日、きっちりカッコよく決めてくれたフェスティバルホールの感想をつづろうと思います。
今回のステージは、前々回のツアー「アイボリー」同様、幕が開く前の岡村ちゃんのささやくような声による語りからはじまりました。前回は唐突に「オオカミ達が泣いてるよ……(中略)……ベイベー君のせいだよ」と語りだしたので、こちら側は戸惑うばかりでした。でも今回は前々回での免疫ができているので、いきなり語り出されても驚かないはず。ええ、驚かないつもりだったのですが……(以下うろ覚えのメモなどから語りの抜粋です)。
- 「君となら火の海を越えて」→そうだよね、「ファイヤー」だもんね。
- 「二人がキスをしたらとても問題が起きるかもしれない」→ん?なんだその日本語?
- 「……それがファイヤー……」→え、結局何がファイヤーなの?
と首をひねっているうちに幕が開き、本人登場!一曲目何?
「♪愛犬ルーと散歩すりゃストロベリーパイ♪」「それが・・・ファイヤー(セクシーなささやき声)」からのまさかの超ポップ曲「Vegetable」!
「ファイヤー感まったく無いじゃん!」と思いつつも、ここ最近はライブ中盤のギターひき語りで少ししかこの曲を聞けていなかったので、「Vegetable」フルコーラス完全版は、「初めて買った岡村ちゃんのアルバムが『靖幸』であった私」にとって、そのアルバムの一曲目である「Vegetable」はとても感慨深く、ホールのステージに立つその姿はあの頃憧れたキラッキラのお兄さんを彷彿させるとともに、当時と比べてもひけをとらないキラッキラを振りまく、まぶしすぎる49歳にただただ驚くばかり。
岡村ちゃんはホールコンサートが似合う。
さらに「U2歌うよ!」と言ってU2の「I Still Haven't Found What I'm Looking For」へ。
そして、ファンに「歌って!」と促す。岡村ちゃんのライブに集った人々にいきなりU2の曲を歌うように言われてもそんなに多数のファンが歌えるわけもなく……でも本人はそんなのお構いなし。
そういえばこの人、ビバナミダ発売前に初披露したツアーでも誰も知らない新曲を「エビバデカモン!」と観客に歌うようにうながしてたなあ(歌えるわけない)。と思い出す。
ツアー直前にSMAP×SMAPにゲストとして登場して(これはファンにとっては大事件でした)お披露目済みの新曲「彼氏になって優しくなって」。「本人が歌詞を全部書いた」という事実だけでも格別なのに、かつて「寂しくて悲しくてつらいことばかりならばあきらめてかまわない」と言っていた人が「切なく切なくみじめだって上手に生きようぜ」と言っているところに岡村ちゃんが最新型であることを痛感させられた新曲。ライブ序盤で聴き終えてしまうのがもったいなくて、1回のライブで3回くらいは歌って欲しかった。
「愛はおしゃれじゃない」、前回"新曲"として聴いた時より、すっかり彼になじんでる気がしました。
行った公演3回とも全部、この曲の時にあまりにも楽しそうに、ニコニコ笑顔で歌う姿に、こちらはしょうこりもなく、「ああ、ほんとにもうこの人は大丈夫なんだ」といろんなものがこみ上げてきてしまい涙。こんな序盤で感極まっててどうするんだ自分よ。
あ、いつもは「モテたいぜ、僕は君にもてたいぜ~」と言うところを大阪では「モテたいぜモテたいぜ」と、「ただのモテたい人」になっていました岡村ちゃん。
復活してから個人的に聞きたかった曲に「ミラクルジャンプ」「はっきりもっと勇敢になって」「青年14歳」「ターザンボーイ」「パラシュート★ガール」などがあったのだが、「ミラクルジャンプ」と「はっきりもっと勇敢になって」を聞くことは前回までにめでたく叶い、今回は「ターザンボーイ」を聞くことができました。ホントに何がすごいって、久しぶりに聴く曲であっても、観客みんなが即座に岡村ちゃんの「歌って」の要求に答えてしまう。練習も無しで「ワーオワーオワオワオ」と大合唱。それに答えるように岡村氏も上腕二頭筋に力こぶを作ってみせつけるポーズで満足げ。ファンと岡村ちゃん、相思相愛。
岡村ちゃんがツアーでいつもセットリストにさりげなく組み込む曲に私は勝手にファンへの愛を感じているのだが、今回はこの「ターザンボーイ」と「19歳の秘かな欲望」がそれにあたるのではないかと思った。「19歳の秘かな欲望」は昔のコンサート映像で(一部分だけだけど)さんざん見たが、年を重ねた今の彼が歌っても違和感が無いばかりか、ほとばしる躍動感とエネルギー。青年49歳。
ライブおなじみの「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」から「だいすき」への無敵の流れで会場全体を包む多幸感!「女の子の為に今日は歌うよ」と歌われた時ばかりはいつもほんとに生物学上女性で良かった。
「19歳の秘かな欲望」からはじまったアンコールではバッキバキにアレンジされた「ハレンチ」からFrankie goes to Hollywoodの「Relax」をはさみ、「ステップUP↑」でたたみかけ、「ここはクラブですか?」と言わんばかりの怒涛の流れ。
そして毎回行う岡村ちゃんの側転に注目の「Super Girl」。側転は前回よりも更に精度が増している。おそるべき49歳。恐ろしい子!
こんな側転を見せられた挙句に「ダンスチャンスロマンスは自分次第。みんなわかってるでしょ?」と言われても、そのあまりの神々しさに「わかってます。わかってるんですが・・・ホントすいません」とこちらはただただ恐縮するばかり。
復活直後から前回のツアーまでは、高音が出てなかったり、喉の調子が悪そうに見受けられた日もあったりしたのですが、今回は最終日まで素晴らしい仕上がり。ツアーを重ねる度にどんどん声が出るようになってるし、側転の精度まで上がってしまうというモンスターぶり(ご本人はものすごく努力しているのでしょうね)。
きっともう「今」が全盛期なのではないでしょうか岡村ちゃんは。
1. Vegetable
2. 19 (nineteen)
3. I Still Haven’t Found What I’m Looking For (U2)
4. カルアミルク
5. 彼氏になって優しくなって
6. いじわる
7. ア・チ・チ・チ
8. Vegetable→聖書(バイブル)
9. 愛はおしゃれじゃない
10. ビバナミダ
11. イケナイコトカイ
12. 5!! モンキー
13. ターザン ボーイ
14. あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう
15. だいすき
encore
16. 19歳の秘かな欲望
17. ハレンチ
18. Relax (Frankie goes to Hollywood)
19. ステップ UP↑
20. Super Girl
encore2
21. 弾き語り(大阪ベイベ)
22. 友人のふり
23. Lion Heart
24. Out of Blue
※東京初日だけ「アルファイン」と「Adventure」あり
確実にお値段以上のステージが経験できるから、行ったことない人は来春のツアーに行ったほうがいいよ!
なみへい(@bay73hey_21)