かなり遅れましたが、1月のマンスリー・レコメンドです。12月はおやすみしたので2ヶ月ぶりの登場なのですが、編集が遅れたため2月半振りくらいになっちゃったかも。いつも同様、各自が特に時系列とかシーンを気にせず、批評の責任さえあまり果たさずに、その時楽しんだ作品を一方的にプッシュしています。こんなんでいいのか?ゆるすぎるんじゃないのか?役に立ってないんじゃないのか?と思わないこともないのですが、本当にのんびりと、呆れられても続けていこうと思うので、本年もよろしくお願いします。
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ぴっち(@pitti2210)
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1. The Decemberists『What a Terrible World, What a Beautiful World』
What a Terrible World: What a Beautiful World
- アーティスト: Decemberists
- 出版社/メーカー: Capitol
- 発売日: 2015/01/20
- メディア: CD
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USインディー・フォークを牽引するバンド、ディセンバリスツの新譜。Pitchforkではひどい点数が付けられていたんだけど、俺、わかるんだよ。あそこは青春っぽさとかエッジの効いた音楽を評価するメディアだから、こういう大人になってしまった人たちの音楽をどう聴いていいかわからないんだよ。
大人になる。現状を受け入れる。その中でベストを尽くす。自分のエゴよりも大切なモノがあることを知る。今のディセンバリスツに限らず、続いていくバンドは変わらざる得ない。自分たちだけではなく、時代も人も変化する。かっこいいと思っていた音楽が古臭くなる。それでも自分たちの音楽を高らかに鳴らす彼らはかっこいい。世界は時に醜く、時に美しい。
2. SEKAI NO OWARI『Tree』
正直自分もセカオワには眉をひそめていた口だけど、アルバムを聴いて打ち抜かれたことを告白し、懺悔します。
このアルバムをざっくり説明すると「SEKAI NO OWARI=世界の終わり」から出発した彼らが《怖いものなんてない 僕らはもう一人じゃない》《今宵、僕たちは友達のように踊るんだ》と歌うまでの物語。わかってるわかってる。この世界は怖いものなんていくらでもあるし、今日の友達が明日の敵になってしまうことだって平気である。だからこれは現実逃避。56分の間の夢だということはもう子供だってわかっているはずだ。だけど56分の間に夢を見れば、それは現実を変えうる力になる。死ぬほど茶化された「ドラゲナイ」が失笑されようと、それさえ利用して夢を具現化させるその意思たるや!
俺、初年度のJOIN ALIVEでお客さんが全然いない彼らを見ていたから、本当にここまで到達するなんて思いもしなかった。おめでとう!
また後日なんか書きます。
3. Panda Bear『Panda Bear Meets the Grim Reaper』
Panda Bear Meets The Grim Reaper
- アーティスト: Panda Bear
- 出版社/メーカー: Hostess Entertainment
- 発売日: 2015/01/13
- メディア: CD
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溶けた。
4. Flying Lotus『You're Dead!』
You're Dead! [輸入盤CD] (WARPCD256)_005
- アーティスト: Flying Lotus,フライング・ロータス
- 出版社/メーカー: WARP RECORDS
- 発売日: 2014/10/07
- メディア: CD
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今更だけど凄かった。
5. The Screen Tones『孤独のグルメ Season 3 オリジナル・サウンドトラック』
年末の一挙放送で一気にハマりました。このドラマ、音楽がすごくいいのよ。
そんな感じでした。
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うめもと(@takkaaaan)
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1. 大森靖子『洗脳』
今回のアルバムで初めて聴きましたが凄いです。後日ちゃんとした感想を書きますが、大森靖子さん、このアルバムでJ-POPとラブラブしたりボコボコに殴り合ったりしています。
2. Homecomings『Somehow, Somewhere』
今月一番聴いたアルバムはこれでした。「SOMEWHERE」は何度聴いても涙が込み上げてきます。どうしてこんなに普遍的で平熱なのに愛しいのでしょう。大好きです。
3. Radiator Hospital『Torch Song』
こちらもよく聴いたアルバムです。完璧です。一曲目の「Leather & Lace」を聴いた瞬間から一目惚れでした。わかりやすく耳なじみの良いメロディーと声。ほとんどの曲が3分以下のショートチューン。Bandcampのタグはパワーポップやパンク。好きにならないわけが無いです。とにかく曲が良いのでぜひ!Name Your Priceです。
4. Negicco『Rice & Snow』
こちらも発売してから愛聴しております。個人的に心と体に余裕の無い日々を過ごしていましたが、Negiccoのおかげで本当に随分と救われました。このアルバムにはアイドルソングという枠組みは不要に思います。質の高い、そして可愛い女の子達が歌うポップミュージックが詰まっている、ただそれだけで良いのではないでしょうか。そして「クリームソーダLove」で編曲を手掛けた北川勝利さん、あなた女の子の可愛さの魅力を引き出す天才ですか。胸キュンキュンです。
5. ROUND TABLE featuring Nino『MEMORIES』
SINGLES BEST 2002-2012 MEMORIES【通常盤】
- アーティスト: ROUND TABLE featuring Nino
- 出版社/メーカー: フライングドッグ
- 発売日: 2012/11/28
- メディア: CD
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Negiccoの「クリームソーダLove」のサウンドが好きすぎたのと花澤香菜さんのアルバムが好きだったというのもあり、「あれ?もしかして俺、北川勝利さんの作る曲が単純に好みなんじゃね?」と思い、手を出してみたこのアルバム。ドストライクでした。もともとこのバンド(プロジェクト?)はアニメソングとのタイアップが多いのも特徴ですが、それとは無関係に一聴して心地よいメロディーの曲が多いです。末永くお付き合いさせていただきます。
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菱形良音
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1. TRUSTRICK「FLYING FAFNIR」
TRUSTRICK / FLYING FAFNIR【Music Video(short ver.)】 - YouTube
刹那なのに永遠。冷静なのに情熱的。相反する感情が一曲の中でぶつかり合わずに、むしろ同居しています。1997年~1998年ごろの、一番J-POPが面白かったころの音楽(例えば、B’zとかラクリマクリスティとか)を明らかに意識したロックナンバー。ドラムスのアレンジが秀逸です。
2. nishi-ken「Lose Control」
iTunes Music Storeにて限定配信中の楽曲。nishi-kenさんは、中川翔子さんやGReeeeNの楽曲を制作してきたクリエイターの方で、今回のシングルはソロとしてはファーストシングルとなります。「グリッチ」というノイズを利用して制作されており、単純なEDMの枠に収まっていない自由な音作りにやられました。
3. w-inds.「FANTASY」
20150102 カンテツ w-inds. - YouTube
かっこ良すぎて、笑っちゃうくらいです。ヴォーカルもダンスもパーフェクトなのに、カツカツにならずに余裕を見せるあたり、まだまだ進化に期待できるでしょう。雲の上の存在としてファンに夢を見させてくれる彼らを、ずっと応援していきます。
4. ももいろクローバーZ vs KISS「夢の浮世に咲いてみな」
夢の浮世に咲いてみな - ももいろクローバーZ (TV Short Ver.) - YouTube
ももクロとKISSによる異種格闘技戦。KISS盤に収録されているKISSメインのヴァージョンと比較すると、ももクロの力不足は否めません。それでもなおこの企画に意味を感じるのは、双方がこの企画に本気でぶつかっているのがわかるからです。楽しければそれでいいじゃないですか。今月のハイライト。
5. 東京カランコロン「僕の辞書」
東京カランコロン / NEW ALBUM『UTUTU』トレーラー映像 - YouTube
私が思うカランコロンの最大の魅力は、CDであってもアイコンタクトをとっている様子がありありと目に浮かぶほどに、整合性の取れたサウンドです。メンバー間の仲の良さが音楽として伝わってきます。メロディの質もいつも通りにたいへん高いですが、今作ではとく に歌詞にも注目して聴いてほしいですね。
6. おがさわらあい「サクラ知れず」
淡々としていながらも深みのある歌唱が胸を打つ、実に素晴らしい作品です。「バカだね」のリフレインがこの曲の最大の聴きどころでしょう。
7. 石川さゆり「あぁ… あんた川」
吉幾三さん提供による新曲。(私も含めて)普段演歌を聴かない人にもぜひ聴いてほしいです。さゆりさんの押し付けがましくない色気にメロメロになります。
8. 米津玄師「Flowerwall」
彼は天才ですね。天才であるがゆえに、これまでの作品はどこか取っつきにくい印象を受けました。しかし今作は米津さんワールドを残しながらもテクニックばかりに凝りすぎていません。聴きやすくなっています。「最終的には絶望のままで終わらずに、希望がある、明るいほうに開けていきたい」*1 と語る米津さんの考え方が、音楽に反映されています。
9. Silent Siren「KAKUMEI」
【Silent Siren】「KAKUMEI」MUSIC VIDEO FULL ver. 【サイレント サイレン】 - YouTube
ずばり、「1998年」の神的な活動をしたラルクの印象とダブるほどに凄みのあるロックナンバー。1つ前のシングルのカップリング曲「チャイナキッス」があまりに素晴らしく、「この超人的な凄さがいつまで続くのだろう」という怖さを感じるほどでしたが、それ以上の名曲をリリースしてきました。
10. Every Little Thing「self reliance」
Every Little Thing - self reliance / tour 2003 MANY PIECES 〔歌詞付き〕 - YouTube
2003年発表の名盤「Many Pieces」に収録されていた、隠れた名曲。同作はCCCDでのリリースだったので、「Every Cheering Songs」に収録されたことで、めでたく、初「CD」化となりました。新曲の「RUN FOR」と同様に、何かを頑張ろうとしたときに元気をもらえる曲です。
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かんぞう(@canzou)
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1. LAMP IN TERREN「緑閃光」
3ピースの超正統派、LAMP IN TERRENというバンドを、どれだけの方がご存知でしょうか。長らく感じていなかったこの「待ってました!」と言わんばかりの無骨な不器用さ。まんまとやられました。鳴らされる音も、歌われる詞も、思わずにやついてしまうぐらい骨太で力強く響く。心の底から、ブルッと震えたこの感覚。いつ以来だろう。
この「silver lining」で歌われている内容は自分自身への葛藤や、「こうならなきゃいけないんだ!」という決意が、熱い感情に載せてありありと歌われている。だから松本さんが歌う歌は巷で流れる小綺麗なバンドのように洗練されてはいないかもしれない。けれど彼等の鳴らすロックは、そういう感情のメーターが振り切れるぐらいエモーショナルなものだ。感情を思う存分載せて絶唱する。そこでさらけ出される感情は、狙って作ろうと思っても到底作れるようなものではない。実にオールドファッションなロックンロールバンド。
これからもっともっとたくさんの人に聴かれるバンドになるはずなんだ。「この世の微かな光」という名を冠したバンドは、「希望の光」とい う1枚を携えて、今まさに貴方に出会おうとしている。これを聞いた時、貴方はこの輝きを何と呼ぶだろう。未来を照らし、寄り添うような明るい光であることを、祈ります。LAMP IN TERRENです。ぜひ。
2. 米津玄師「Flowerwall」
このポップネス。とりわけ、繊細さ、美麗さでは本当に抜きん出ている。聴く場所や時間、シチュエーションを選ばず聴けるよね。CMの影響か、地下鉄に乗っている時に聴くとまたいいんですよ。この才能は一体どこまで行くんだろう。これからも楽しみだ。
3. The SALOVERS「喉が嗄れるまで」
最初期の「サリンジャー」から続く、青い春を高らかに歌い上げ、衝動の塊を全力でぶち込んでいく、そんなバンドスタイルが、ここに来てとうとう極みに達したかのような。そんな名曲だ。君が好きだ、バンドが好きだ、音楽が好きだ。そんなバンド少年の青い気持ちがびしびしと伝わってくるよ。さらにこの曲は、昨年の閃光ライオット2014の応援ソングにも抜擢されたもの。これからバンドをやっていこうとする若者に対して送る、最高の応援ソング。
それなのになんで活動休止なんだろう。バンドやめんのなんてやめろよ。「日々ROCK」だって、映画の中で言ってたろう。なんかもうこれ以上のラストソングって無いんじゃないかって思えて来たよ。ラストライブは3月25日の渋谷CLUB QUATTRO。必ず、見に行くよ。青春の申し子、The SALOVERS。喉が嗄れるまで、あなたたちの歌を聴かせておくれ。
4. 清竜人「雨」
誰だこの髭もじゃのおっさんは?最近んじゃ年頃の女の子を6人もはぶらかしやがって。究極の一夫多妻制アイドル集団だと?なめんじゃねぇ。そんな世の男子諸君の憧れみたいな桃源郷が存在して堪るかってんだ。清竜人、ぶっとばすぞ。しかもいい曲書いてるじゃねぇか、なんなんだよどういうつもりなんだよ。曲中語りを入れてる女の子は多部未華子だと?どーなってんだよこの世の中は。才能ありすぎだろ。メロがいちいち綺麗なんだよチクショウ。悔しいが、大好きすぎるんだよ!!
5. The Mirraz「i luv 日常」
ここに来てThe Mirraz、完全覚醒。某アークティックのパクリと言われた時代も今は昔、今のトレンドを上手いこと汲み取り、ミイラズがミイラズのまま力強さをさらに増したメジャー2ndがこの『OPPORTUNITY』です。ちなみにOPPORTUNITYとは10年前に打ち上げら れた火星探査期のこと。今まで彼等の曲ってどちらかというとあまり得意ではなかったんだけど、ここにきて完全に武器と化したそのとっつきやすさとヘヴィなロックに僕はもう骨抜き。
きっと火星探査の中でみつけたんだな、そうだそうに違いない。このアルバムの中でも最もポップな「i luv 日常」が、一番お気に入りです。
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マンスリーレコメンドは月に1度、それぞれの書き手がアルバム、シングル、曲、動画、映画など自由にプッシュします。今までは数は自由だったのですが、記事のバランスをとるため、次回から5つまでとさせていただきます。参加したい方はメールで投稿していただければ。よろしくお願いします。
*1:「J-WAVE THE HANGOUT」 2015年1月15日放送 蔦谷好位置さんとの対談にてJ-WAVE THE HANGOUT 蔦谷好位置 2015年1月15日 - YouTube