音楽との出会いについて
今、自分の生活の中心には「音楽」があります。
そんな自分も高校一年の時、音楽「なんて」と言えるくらい全然興味なかった。中学の時はGOING STEADYとかMONGOL800とかが流行っていて、借りて一度聴いてみただけ。音楽番組も高校に入るまで見たことなかったし(結局高校でも数回しか見てないけど)、今ほどインターネットも栄えてはなかったから何も知らないしわからない。音楽の話題には全然入れなかった。ジュディマリもDragon Ashもハイスタも、何かの呪文のようにしか聞こえなかった。
そんな自分も高校生になり、高校ではじめてできた友達が、部活も別に同じじゃないのに気が合った。家に遊び行ったら、そいつの家にアコギがあり、弾きながら歌ったんだよ。ゆずが好きでCDが山ほどあったから貸してもらった。19も知って、その時に中学の卒業式で流れてたのが19だってちゃんとわかった。そこそこ流行っていたらしいけど、全然知らなかった。そんなことがあったのだが、ゆずも19も全然ハマらなかった。良い歌詞だし綺麗な声だと思ったけどそれだけ。でも、そいつはめちゃくちゃ楽しそうに口ずさんでいた。何がそこまで虜にしてるのか全然わからなかったけど。
生活は何も変わらず、のんびりと普通に部活したり浪費するように高校生活していた頃、同じ高校の先輩にいた友達の姉さんに「バンド組んでライブやるから見に来なよ」と誘われた。地元のキャパ250くらいのライブハウスは人で埋まっていて狭いし、学生イベントだから煙草を吸う人なんていないのに、壁に染みついた煙草の匂いはするし最悪だった。
でも、ステージに上がり歌った彼女は、小学校の頃から知っていた普段の彼女とは本当に別人で、ただかっこよかった。空調がカスみたいに効かなくて(今でも効いてないと思う)、汗にまみれた髪をぐしゃぐしゃにして歌ってる彼女が、何かすげーかっこよかった。単純なんだな高校生って。何の音が鳴ってるのかもわからない(知らない)ギターだし、ぶっ壊れるんじゃないかって思うくらい叩き殴ってるドラムだった。何歌ってるのかもわからなかったし、次の日まで耳鳴りが止まなかった。それでも早くまた見たいって思ったんだ。あの日は。
自分の音楽との出会いはここからでした。自分の同級生の友達もライブハウスに出てたこともあり、自分の友達にも彼女にも本当にいろんな音楽を教えてもらった。THE BACK HORN、椎名林檎、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、BECK、これ以外にも山ほど。「こんな曲もあるのか!」と思ったり、「何がいいのかわからん…」と思ったり。とにかく何を聴いてもいろいろ感じることができて楽しくて仕方なかった。(その時だけじゃなくて、もちろん今もとても楽しいですよ)。
だから、すごくいい曲を聴いて音楽に出会い、どっぷりとハマったとかではないです。強いて言うなら、彼女が高校生の時に組んだバンドが音楽に出会ったきっかけで、それが自分の原点。人生の中で、今でもトップクラスに良い曲だと思えるし、思い入れの強いアルバムを選ぶとしてもそのバンドのもの。あの日から今まで、どれだけのバンドに出会って、何曲聴いてきたか分からないけど、これから先も人生の中で彼女が歌ってた曲が上位に入るのだと思います。感性豊かな高校生の時に最高のバンドに出会い、多くの曲を教えてくれた人がいた。周りに恵まれてましたね、自分は。
高校の卒業と共にバンドは解散した。彼女は東京で新しくバンドを組み、バンドから脱退してステージを降りたのは音楽と出会ってから何年後かの私の誕生日。そんなお話。あなたが音楽に出会った時はどうでした?
かめ(@kame16g)