神田智子/Ella Fitzgerald & Louis Armstrong「Tenderly」
”CMだいすき”を標榜する私が今お伝えしたいトピックといえば、水原希子さんを起用したEDWIN SOMETHINGのスペシャルムービーが、9月10日より公開されています。画像共有SNSでのひと騒ぎなんて露ほども気にしないような、水原さんの堂々たる魔女ぶりが素晴らしいですね。
ところで、この映像で流れる音楽。包み込むようなmoodが素敵(good)なこの曲を、神田智子さんが歌っているとの情報を得ました。原曲は映画『昼下がりの情事』の挿入歌「Fascination」で、今回新たに日本語詞を充てたものと思われます。まさしく白黒フィルム時代の洒落た洋画にぴったりの、なんとも芳醇な歌声ではありますが、神田智子さんは現役で活躍するボーカリストです。
本記事で取り上げたEDWIN SOMETHINGだけでなく、いくつものCM音楽で神田さんの名前を確認できます。以前はanonymassという音楽ユニットにも参加されていましたが、『くるり鶏びゅ~と』への楽曲提供(「赤い電車」カバー)を最後に脱退しています。
私が神田智子さんをはっきりと認識したきっかけは、東京を拠点とする玄人音楽集団・Noahlewis’ Mahlon Taitsのシングルでした。神田さんはゲストボーカルとして、スタンダード・ナンバー「Tenderly」を歌い上げています。(そちらについて拙ブログでも紹介しました)
冒頭の「Fascination」もそうですが、このテン年代版「Tenderly」がまた、私のまだ生まれてもない時代にどれほど素晴らしい文化が息づいていたのか、夢を見させてくれるような音楽でございます。もちろん実際は、今も昔も良いものと悪いものが綯い交ぜなんでしょうけども、こうした音楽が歴史を甘美に捏造してくれるのは、そう悪いことでもありません。
それにしても私は「Tenderly」という曲が大好きでして、いろんな歌い手さんのバージョンを聴きたいし、今後もずっと歌い継がれてほしいと願うくらいです。つい先日『エラ&ルイ』というアルバムを借り、やっぱりお目当ての「Tenderly」を入念に聴いています。
『エラ・アンド・ルイ』は木村カエラさんと栗原類くん――では無くエラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロングが共演した作品です。いわゆるキングとクイーンの共演、ジャズ・ボーカル作品きっての大名盤と言ってもいいでしょう。御二人の滋味溢れる歌声が、日ごと長くなりつつある夜に優しく(tenderly)響きます。
本稿を書くにあたって、森本書店さん(@MorimotoShoten)の9月14日のツイートを大変参考にさせていただきました。
huskie(@C8H10N4O2andRec)