永久に碧く

暗い部屋で一人

YouTube桑田真澄の投球フォーム講座を再生したまま

僕は震えている

何か始めようと

ということでピッチングフォームを固めようと決意。さっそく元軟式野球部の女友達に「あのさ、俺、昔からお前のことが、す、す、す、スリークォーターのほうが肩への負担って少ないかな?ていうか野球教えて。公園で待ってる」とLINEを送信。

午前二時、近所の公園にグローブとボールを持ってった。女友達が到着するまで、街灯が照らす公衆トイレの壁に向かって、始めようか投球練習。二分後に君が来た。と思ったら巡回中の警官だったので死んだ。いやあの違う。違うよ。僕はただ見えないモノを見ようとして。いや女子トイレじゃなくて。お巡りさん違うんです。始めないでください変態観測。僕はここで友達を待ってるんです。静寂を切り裂いていくつも言い訳が生まれたよ。

「ところで君、高校生?」

暗かったせいか、なんか物凄い勘違いされた。あ、そっす。東高っす。三年っす。勢いで言ってみた。よく分かんねえけど高校生って言っといたほうが情状酌量されんじゃねえの。あの偉い発明家も凶悪な犯罪者もみんな昔野球少年だってね。

「練習も大事だけど、親が心配するから早く帰りなさい」

ほらな。ちょろいもんですわ。つーことでスタコラ帰宅。スマホを開いたら、さっき送ったメッセージに既読マークは着いていませんでした。いませんでした。いませんでした。僕は何を思えばいいんだろう。僕は何て言えばいいんだろう。こんな夜は逢いたくて 逢いたくて 逢いたくて 君に逢いたくて 君に逢いたくて

まだ既読を待ってる

 

 

ぼうず(@bowz0721