僕たちのゼロ年代邦楽ベスト 前編
今回は4人の音楽好きが集まり、ゼロ年代の邦楽のベストを語り合いました。『ゼロ年代邦楽ベスト』は以前、ミュージックマガジンも企画していましたが(ゆらゆら帝国の『空洞です』が1位でしたね。あれ、最高ですね)みなさんの心のベスト10はまた違っていたはず。先に結論を言っておくと4人とも一枚として被ったものはありませんでした。今現在聴いてほしい音楽、自分のアンセム、音楽の世界へ引きずり込んだ作品を熱く語り合った結果、収録時間は5時間を越えるとんでもない分量になりました。今回は前編。僕の心のベストテンです。(ゴリさん)
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そもそもなぜ今ゼロ年代?
ゴリ それではみなさん今日はよろしくお願いします。
くらーく お願いします。
まっつ お願いします。
草野 早速だけど「なんでこんな話が始まったのか?」という説明しておきたいんだけど。このブログって渋谷系と2010年代のランキングやりましたよね。
ゴリ うん、双方ともすごく盛り上がったね。
草野 でも「ゼロ年代に関してはスルーしているなー」って思ってて、「じゃあ今回ゼロ年代邦楽のベストを選んでみよう!」と話が進み、こうなったと。
くらーく なるほど。
草野 あと、こうして4人いるけど年代がちょうどバラけていてバランスがいいのよ。まっつくん21歳、オレは今年で28歳。
ゴリ 僕が30歳で、くらーくさんが26歳。
草野 だから見えてくるものもフィールドも結構違うものがあると思うから、きっと被ることはないと思ってます。
それぞれの2000年代
ゴリ ところで、みんなってゼロ年代って何やっていた?
まっつ ゼロ年代と言うと僕は小1〜高1で、『SCHOOL OF LOCK!』聴き始めたのも高1終わり位なので、僕にとっては音楽にのめり込む前の時代だったりするわけなのです。
草野 はいはい。
まっつ いや、もちろんそれを言い訳にちょいと昔の音源すらdigらないのはどうなの?って自分でも思ってはいるんですけどね……。
草野 ちょうどこう、後ろから眺めてる的なポジションだね、まっつくんは。
くらーく 僕はリアルタイムでゼロ年代の音楽はほとんど聴いてなかったんで、今回選んだリストはめちゃくちゃ偏ってます。
草野 僕は87年生まれなんだけど、中学1年に2000年、大学卒業時に2010年を迎えた世代で、すっぽりとティーンエイジャーから大学時代を00年代に捧げた世代です……。ちげぇな、モラトリアムを、か(笑)
ゴリ 僕は高校の時に2000年だったね。ただ、ちゃんと音楽を聴き始めたのは大学入ってからだから2003年くらいからかな。
最大公約数と青春パンク
くらーく それでゼロ年代ベストを聞く前に2000年前後の中高生の最大公約数的なアーティストって誰でした?浜崎あゆみとかですかね?
ゴリ 椎名林檎、Dragon Ash、バンプとかかな。
草野 ミスチルとB'zが落ち目で、GLAYの売上も落ちて、ラルクは活動休止して、バンプはまだその頃はインディかな。
ゴリ そうかそうか。
草野 だって青春パンクが……ね?
くらーく 青春パンク!(笑)すげー懐かしい!
ゴリ ありましたね……。そんなムーブメント。
くらーく 仮想敵だったなあ。
草野 ちなみに、まっつくんは青春パンクってもう本当に知らないでしょ?
まっつ まったくわからない世界ですね……。
ゴリ 175RとかFLOWとかロードオブメジャーとかモンパチとかね。
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草野 そして、その言ったアーティスト全部ミリオンという。
くらーく 175Rとかデビューシングルがいきなりオリコン1位ですごかったんだぜ!
ゴリ あれだけ流行ったけど、今は……。
まっつ FLOWは「GO!!!」から、175Rは「夢で逢えたなら…」から触れたくらいだなあ。
草野 ハイスタ&KEMURI&ブラフマンのAIR JAM世代の後ろから出てきて、波に乗ってメジャーデビューした!っていうのが青春パンクって考えればおk。
ゴリさんのベスト
草野 それではゴリさん。
ゴリ はいはい?
草野 m( )m
ゴリ じゃあ僕から。まず10本リストあげると、こんな感じかな。
LOVE PSYCHEDELICO『The Greatest Hits』(2001)
クレイジー・ケン・バンド『GT』(2002)
V.A.『シンクロナイズドロッカーズ』(2004)
椿屋四重奏『深紅なる肖像』(2004)
サンボマスター『サンボマスターは君に語りかける』(2005)
トクマルシューゴ『EXIT』(2007)
口ロロ『everyday is a symphony』(2009)
モーモールルギャバン『野口、久津川で爆死』(2009)
くらーく おおお!
草野 いつも対談しているし、ゴリさんのことわかってたつもりだったけどさ。
ゴリ はいはい。
草野 渋い!
ゴリ ありがとうございます!(笑)
1. LOVE PSYCHEDELICO『The Greatest Hits』
ゴリ それじゃ、作品ごとに解説したいんですけど良いですか。
くらーく お願いします!
まっつ どうぞ!
ゴリ じゃあ、まずはLOVE PSYCHEDELICOの『The Greatest Hits』です。
- アーティスト: Love Psychedelico
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くらーく 買った買った!
草野 「憂鬱なスパイダー」っすね。
ゴリ これ、最初に聴いた時とにかく驚いたんだ。例えば「Last smile」で
運命線からother way
それから憂いてる風ともget away
いつでも放たれたくとも
君は目の前でlast smile
ただ見守ってるよな 君のstyle oh
戯れの遠目なloser
英語と日本語がこんな感じで入り混じってて、なおかつ歌に英語でも日本語でもない独特のグルーブが生み出されている感じとかスゲぇって。
くらーく デリコって全然売れ線の感じじゃないのに、なんであんなに売れたんだろ?
草野 それを考えると不思議だよね。でもおもしろいのはその後、そこまで表舞台に進んで立つことがなかったこと。今のバンドの人なら絶対にないよね
まっつ ダブルミリオンですよね、確か。
ゴリ 160万枚だったかな。なぜ売れたかは謎。でももっと評価されてもいいはず。ベストが出たしみんな買おうぜ!という意味も込めて最初はこれで。
2. 元ちとせ『ハイヌミカゼ』
くらーく これも買った!くるりの岸田さんがラジオで猛プッシュしてましたね。
ゴリ ゼロ年代って独特な節回しをする女性シンガーソングライターたくさん出てきた感じで。中島美嘉、一青窈、矢井田瞳、鬼束ちひろとか。その中でも特に印象に残っているのが元ちとせでして。
草野 いわゆるJ-POPディーヴァ時代。
ゴリ そうそう。
くらーく MISIAとかね。
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ゴリ いろいろと懐かしい人が出てくる。
まっつ 収拾つかないすね。
草野 そこに宇多田ヒカルに浜崎あゆみに椎名林檎も加わって、もうほんとオリコンに男性一人!とかあったよね(笑)
ゴリ あった(笑)で、元ちとせは奄美民謡出身で普通、民謡出身っていうと大体演歌のジャンルに行きがちだけど、そうではなくJ-POPというシーンでポップソングを歌ってヒットさせたのね。このこぶしの入れ方とか普通出来ない。
くらーく うんうん。狙ったのかはわからないけど癒し系みたいなニーズにも応えてましたよね。
草野 ヒーリング系って言葉あったよね。
ゴリ あった。しかも、それを売りにしたアルバムあったね。
くらーく イマージュとか(笑)
- アーティスト: オムニバス,シャルロット・チャーチ,ロドリーゴ・レアン,坂本龍一,エンニオ・モリコーネ,加古隆,宮本文昭,葉加瀬太郎,鳥山雄司,カール・ジェンキンズ,ヨーヨー・マ
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ゴリ そうそう(笑)
3. クレイジー・ケン・バンド『G.T.』
ゴリ で、もう一作品がクレイジー・ケン・バンド『G.T.』。
- アーティスト: クレイジーケンバンド,横山剣,小野瀬雅生
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くらーく CKBはまったく聴いたことないので新鮮です。
まっつ 今まで挙がった3枚、まったく聴いたことがない。
ゴリ 00年代って昭和歌謡的なものも、じわじわきてた感じで。EGO-WRAPPIN’、小島麻由美、コーヒーカラーとかね。
くらーく いたなー。
ゴリ CKB本人たちの言葉を借りて言えば、この手の音楽って「昭和70年代」の音楽だって。
草野 CKBは凄く映えてたよね。ああやって男らしさ全開でマスに出ていった人たちはいなかったし。
ゴリ ソウルやボサノバ、AOR、サーフロックまで取り込んで、それを昭和歌謡というスタイルで鳴らしている。で、00年代にこんなに一種のマニアにしか受けないであろうと思っていたCKBがこのアルバムでメジャーデビューして、ちゃんと売れたって事が重要だなと思っていて。
くらーく かっこいいですねー!
草野 これも彼らではあるけども。
ゴリ ちなみに横山剣さんって90年代前後でも音楽活動をやっていたんだけど、ピチカートファイヴやオリジナル・ラブといった渋谷系の音楽を聴いてミュージシャンを一度は辞めて貿易会社務めたんだよね。でも、自分にしかできない音楽をもう一度見つめ直して今の形になった。
まっつ ほうほう。
ゴリ でも、この後に小西康晴さんがCKBのリミックスやったり『ショック療法』ってアルバムでタッグ組んでいるってところもおもしろいけどね。
4. V.A.『シンクロナイズド・ロッカーズ』
ゴリ 4作目はthe pillowsのトリビュートであります。
- アーティスト: オムニバス,Mr.Children,YUTA.TOSHI.CHIHO and JIRO’S SESSION,ストレイテナー,ELLEGARDEN,The ピーズ with クハラカズユキ,noodles,YO-KING,佐藤竹善,GOING UNDER GROUND,SALON MUSIC
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2004/09/16
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草野 高校の時に聴いたなー。
くらーく 全然知らない。
草野 多分、これ、00年代のトリビュートアルバムで一番だと思う。
ゴリ これ、今から考えたらありえないメンバーだよね。参加しているのがGOING UNDER GROUND、ストレイテナー、エルレ、バンプ、ミスチルあとGLAYのJIROのスペシャルバンド。
まっつ モンスター揃い。
草野 うん、おかしい(笑)
ゴリ これが出た時「えーーーー!」って言ったもん。バンプにミスチル、エルレって……。で、the pillowsってこのアルバム発売された年でも武道館公演とかはやってないわけ。20周年の時にはやったけど。でもこれを見ると様々なバンドマンからは本当に愛されているな感じる、そんな一枚ですね。
5. 椿屋四重奏『深紅なる肖像』
ゴリ バンバン行きます。5枚目、椿屋四重奏『深紅なる肖像』。
くらーく 全然知らない(笑)
ゴリ デビュー時に3ピースでありながら「四重奏」って言ってたバンド。
草野 なんだろう、すごく昭和感あるんだよ。
くらーく うん、わかります。
零しまいと空見上げて 失くしまいと握りしめて
夜風に抱かれながら 物憂げを仕方なく連れて帰る
草野 これを2004年に歌う感じね。
ゴリ まずこのバンド自体が自分達のライブの事を「演舞」って言ったり「艶ロック」と称されたり。その歌謡曲や演歌のテイストを織り込んでたのって日本独特なバンドだなって。メジャーデビューしてから方向性が変わりましたがね。
草野 椎名林檎の次に、日本の歌謡曲とか昭和感をロックに込めていた人らって感じが僕の中にある。ちなみに、彼らの「薔薇とダイヤモンド」は今回候補に選んだよ。ほんとに良いバンドだと思う。
ゴリ それは実は次のバンドにも当てはまると思う。
くらーく ふむふむ、おもしろいです。
6. フジファブリック『フジファブリック』
ゴリ で、そのバンドがフジファブリック『フジファブリック』。
- アーティスト: フジファブリック,志村正彦
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まっつ 6枚目にしてようやくアルバムも持ってるミュージシャンが来ました。
ゴリ フジファブリックってこれも出した当初は昭和感をロックに込めていた人だと思うんです。「桜の季節」「陽炎」「赤黄色の金木犀」そしてあこのアルバムには入っていないけど「銀河」とか日本の四季を歌っているところとか。
まっつ 「陽炎」には『日本の夏』感を強く感じますね。どことなく湿り気がある感じ。
草野 そっかー。デビュー作のほうにいきますかー!って感じ
ゴリ フジファブリックは分かれると思う。『FAB FOX』とか『CHRONICLE』とか。個人的には『TEENAGER』も捨てがたかったんだけど「和」をモチーフにした感じとか好きなんでこの作品で。
くらーく 僕自身は実感がないのですが、昭和感ってゼロ年代を貫くキーワードだったりするのでしょうか?
草野 どうだろう?オレの選んだ10枚にはそういうのはないね。
ゴリ あえて、コンセプチュアルに選んでいるのはあるけど。まあ、「ゴリさん」を貫くキーワードが「昭和感」だと思っていただければ。
くらーく あはは。なるほど!
草野 オレはフジファブリックにそこまで熱を上げていたわけじゃないんだけど、P-MODELっぽい変態さが好きだよ。
ゴリ 確かに歌い方、怪しいね。
草野 これとか今の4つうち邦楽ロックに繋がるけど、志村なんだよなあ。フジファブリックだよなあ!と
くらーく リズム隊独特で気持ち悪い(※褒めてる)ですよねー、ねちっこい感じ。
ゴリ ちなみに僕は志村さんは音楽性まったく違うけど、フィッシュマンズの佐藤伸治さんぽいなって。両方とも「癖」のある歌い方で、独特のものを持っている感じとか僕は凄くいてるなって。
- アーティスト: フィッシュマンズ,佐藤伸治
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くらーく 志村さんにはあんまりドラッギーな印象はないですが、ボーカリストとしてはかなり独特ですよね。
草野 ドラッギーじゃないけど、サイケっぽさはあるよね ボーカリストとしても。
くらーく 素面なサイケ感ですね。
草野 そこがなんか怖くて、志村さんの生前は聴かなかった。
ゴリ 「銀河」は俺も最初怖かった(笑)ただ名曲である「若者のすべて」に関してはそれを一切排した魅力もある。
くらーく これは名曲だとは思うのですが、当時のフジファブリックファンからは反発はなかったのですか?
草野 なかったと記憶してるよ。
ゴリ でも俺、はじめて聴いた時「え?志村?」と思ったんだけど、割と素直に受け入れられてた感じだったよね。
草野 なんていうんだろ、「これも志村だよねー」的な。
7. サンボマスター『サンボマスターは君に語りかける』
ゴリ 次は10作品で個人的には1位。サンボマスターの『サンボマスターは君に語りかける』です。
- アーティスト: サンボマスター,山口隆
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くらーく おおー!
草野 それだよね!!最初の4曲が最高!
まっつ 熱いし暑い!
くらーく 意外とコードとかは洗練されてオシャレなんですよね。
草野 メロディラインも綺麗。だけど。山口が歌うと、汗くっさいパンクになる。
まっつ ヴォーカリゼーションの魔法。
くらーく 僕は銀杏よりよっぽど好きでしたねー。
ゴリ パンクだけど根底にはソウル、ファンク、R&Bといったブラックミュージックに対する敬愛がヒシヒシと感じられる逸品。
草野 さっき言ってた青春パンク系統のコンピレーションから出てきたんだよね。
ゴリ オナニーマシーンとの『放課後の性春』ってアルバムだね。
- アーティスト: オナニーマシーン/サンボマスター,サンボマスター,オナニーマシーン
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- 発売日: 2003/07/02
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くらーく eastern youthみたいな存在になるかと思いきや、なんかいまでも立ち位置がフラフラしてますよね。
ゴリ だから、昔好きだったものとしてはポップなりすぎて、ちょっと……って思うこともありますね。でも、僕の音楽好きになったきっかけを作ってくれたバンドです。
くらーく かっこいいですよね。
草野 かっこいい。
7. トクマルシューゴ『EXIT』
ゴリ で、お次がトクマルシューゴ『EXIT』。
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ゴリ 音楽を一秒聴くだけけで視界が開ける感じ、閉鎖された空間から大自然の情景が眼下に浮かぶその感じが好きで。そして、これがほぼ宅録だという事実ね。
くらーく ばっちりですね!
まっつ この前、図書館で貸し出されてて借りるチャンス逃した一枚だ。
草野 図書館に所収されて然るべき感じ、わかる。
ゴリ 楽器じゃないものも楽器として使うセンスとか凄いな……って関心する一枚。図書館に置くべき作品。
くらーく 天才でお上品なんだけど嫌味がない感じですよね。
8. □□□『everyday is a symphony』
ゴリ で、9枚目が□□□『everyday is a symphony』
くらーく いとうせいこうが参加したアルバムでしたっけ。
まっつ そうですね、せいこうさんの初参加作品かな。
ゴリ タレントやったり、俳優やったり、小説書いたりしているけど、せいこうさんって80年代に日本語ラップの基礎を作った人でもあるんだよね。そんな、せいこうさんが加入してからの1枚。
くらーく やっぱりめちゃくちゃかっこいいな!
草野 すげぇオシャレ!
くらーく アルバムタイトルも横文字ばっかり!(笑)
ゴリ フィールドレコーディングで取られた音をサンプリングしてポップミュージックを作り出すというね。フィールドレコーディングを音楽として出すのは現代音楽とかでやってはいるけど、ポップソングの枠組みの中でそれをやっているのって□□□のこの作品暗いやないかなと思うんだ。挑戦的であり発明であり00年代を代表するポップミュージックですね。
くらーく 個人的には□□□は「ファンファーレ」が頭一つ抜けて好きです!
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まっつ ギチギチな音配置なのに洒脱。最高です。
ゴリ あと、いとうせいこうさんのラッパーとしての力やっぱり凄いなと思わせますね。特に「ヒップホップの初期衝動」とかね。
10. モーモールルギャバン『野口、久津川で爆死』
ゴリ 最後がモーモールルギャバン『野口、久津川で爆死』。
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草野 出たな変態ドラマー!
くらーく 原点回帰って感じですね!(笑)
ゴリ このアルバムというかバンドが出た時、とんでもない奴らが出てきたなって。ギターレスでパンツ一丁でドラム叩いて歌い、「パンティー!パンティー!」と叫ぶ。
草野 こんな意味わかんないドラマーは他にいないよね。
ゴリ で、自分たちのやっていることは「J-POP」だとか言ってね。
草野 完全にバカにしてるのがおもしろかった!(笑)
ゴリ うん。どう考えてもやっていることがアングラだもんね。音楽もノイズやサイケだとかで本人たちもインタビューで「自分達の音楽性は難波のベアーズで育まれた」と言っててね。
くらーく 批判精神なのか天然なのか。関西ゼロシーンの集大成って感じでしたね。ちなみに関西ゼロ世代だとズイノシンとかオシリペンペンズとか、あふりらんぽとかね。
草野 話ずれるけど関西ゼロシーンでいえば、ズイノシンを最近聴いたけどむっちゃかっこいいのな。アニソンDJやってる人に教えてもらって聴いたらぶっとんだ(笑)
ゴリ アニソンDJがそこまで聴いているのか!
くらーく そういったジャンクな要素をいちばんポップに提示したバンドでしたよね。
ゴリ そうそう。結果、ROCK IN JAPANとかCDJとかにも出ていたしね。そう考えると、もの凄い実験的なバンドだったなと。まさに「J-POPテロリスト」ですわ。そんな感じでゼロ年代邦楽ベスト10作品でした。ありがとうございました。
くらーく お疲れ様です!
(続きます!)
草野(@grassrainbow)×くらーく(@since_i_left_U)×ゴリ(@toyoki123)×まっつ(@HugAllMyF0128)