曲紹介

最近の非メジャーなボーカロイド音楽事情

最近のボーカロイド関連の話題というと何を思い浮かべるでしょうか。恐らくまずは紅白歌合戦への出演を果たしたハチこと米津玄師の存在が出てきそうですね。ヒトリエのwowakaの死という悲しい知らせもありました。しかしバルーンこと須田景凪、n-bunaことヨ…

CICADA「formula」

昨年ごろからか、バンドマンや音楽好きな人のみならず、普段ジャニーズなどのアイドルソングやアニソンしか聴いていないような友人にもCICADAをオススメしている気がする。そうした友人のなかから、ふっとこういう指摘をされたことがある。 「CICADAってSchoo…

パノラマパナマタウン「シェルター」

パノラマパナマタウンは神戸出身の四人組のオルタナティヴロックバンド。RO69JACKでグランプリに輝き、夏のROCK IN JAPAN FESに出演。その後MASH A&Rでもグランプリを獲得し、現在様々なフェスに出演・精力的に活動している。 事務的な紹介はここまで。この…

雨のパレード「You」

雨のパレードの楽曲には「とにかく美しくて透明感がある」、そんなイメージがある。「You」は彼らの最新シングルの表題曲である。 彼らの魅力はまずサウンドにある。ドラムひとつとっても単なるドラムセットではなく、様々な打音、アナログからシンセサイザ…

焚吐「ふたりの秒針」

今年の5月に発売したこの「ふたりの秒針」はシンガーソングライター焚吐の二枚目のシングル。アニメ『名探偵コナン』のエンディングテーマとして流れていたので、聞いたことがある人も多いのではないだろうか。 そもそも焚吐とは?という方のために少し紹介…

Galileo Galilei「ウェンズデイ」

いやいや、これをやるか……と思わずにはいられないMVだ。元ネタを言い当てられるわけではないけど、それこそ00年代後半から10年代初頭におけるインディーロックを、彼らなりに咀嚼した上で、より純度を高めたような印象を抱いた。彼らと実際に交流のある元The…

BUGY CRAXONE「たいにーたいにー」

去年アルバムがリリースされてからも事あるごとに言ってた気がするけど、その甲斐があったのか(←そんなわけない)、それとも彼ら自身がこの曲を良く思っていたのかついにMVが公開された。何はともあれ聴いてみて欲しい。音楽の嗜好は人それぞれだから、あな…

王舟「Moebius」

え、これ、宅録なの?まじか!言われてみればどこか籠もってるような……と思わないこともないけど、言われないとわからないよ。宅録という概念が覆されるような。スチールドラムまで鳴ってるし。 ディスコでありながらダークな雰囲気が、どこか90年代のJ-POP…

花澤香菜「透明な女の子」

今までクラムボンのミト、シンバルズの沖井礼二、カジヒデキ、やくしまるえつこ、Base Ball Bearの小出祐介、NONA REEVESの西寺郷太、北園みなみ等が関わってきた花澤香菜。今度は空気公団の山崎ゆかりが参加!人選がひたすらわかっていて怖いほど。ここまで…

スガシカオ「大晦日の宇宙船」

スガシカオが約6年ぶりに新作をリリースした。アルバムタイトルは『THE LAST』で、小林武史がプロデュースしている。ただし、サウンドプロデュースというよりも、スガシカオがどこへ向かえば良いのかを導くようなトータルプロデュースの立場とのこと。 ナタ…

POP ETC「Please, Don't Forget Me」

うわーいいぞー!本当にずっと、それこそ2013年くらいからアルバムを待ち続けていたのに、なぜかGalileo Galileiや木村カエラあたりで名前が出てたPOP ETCがついにアルバムを。The Morning Bendersからだと4枚目、POP ETCとしては2枚目。4年ぶり。本当に長か…

入江陽「おひっこし」

すごっ。なんだろう、このFlying Lotus感は。2016年もceroが切り開いたブラックミュージックの潮流が日本でも進められるかはまだわからないけど、でも確実に2015年が終わり2016年がはじまったことを実感させられるような。そんな音がする。 編曲のTeppei Kak…

Tempalay「made in Japan」

なんか全然違うと前置きした上ででテレフォンズを思い出した。いや音楽性はひとつも重ならないんだけど、1stアルバムのタイトルが『from JAPAN』でリードトラックが「made in Japan」という部分だけなんだけど(テレフォンズの1stは『JAPAN』だったのね)。…

サニーデイ・サービス「苺畑でつかまえて」

どう書いていいのかがわからないけど、馬鹿みたいにすばらしい。リズムセクション、つまりはドラムが本当に良い。これは打ち込みが混ざっているのだろうか?よくわからないけど、おそろしく気持ちいいリズム。それがメロディを支えている。 自分はサニーデイ…

David Bowie「Blackstar」

このブログは元々ニュースを扱うつもりはなく、先週イエモンの再結成の噂が出ていた中、大手メディアは発表側として沈黙していたので、なんとなく情報をまとめたのがきっかけだった。そしたら今週はASKAが手記を公開し、David Bowieが逝去するという事態。最…

蓮沼執太「Raw Town」

ああ、すごくいい。すごくいい!先行公開された「起点」もそうだけど、2013年の蓮沼執太フィルよりもずっと肉体的。当たり前か。名義違うし。でもなんだろ、以前とは目的としているところが違うような。もし仮に『時が奏でる』が頭とか理屈とか論理で作った…

Kero Uno「Princess Diamond」

突き刺さるわけではないけどやたら気持ちいいというか、言い方は悪いけど、毒にも薬にもならないような。とか書くと全然良くないように聞こえるけど、フォーマットとしては全然旬ではなく、むしろ使い古されている。にもかかわらず抗えない良さがあるという…

CICADA「Naughty Boy」

このブログでお馴染み、草野さんの年間ベストアルバム記事を読んでいて、他にも数名このアルバムのことを書いている人がいて、それでiTunesで視聴したら気に入ってしまった。最初は渋谷系のようなおしゃれなジャズ〜R&B的なバンドだと思ったが、聴いていると…

Ropes「dialogue」

2013年のRopesの1stアルバム『usurebi』は個人的にずっと愛聴していて、特に「SNOW」という曲を偏愛しすぎていたのだが、それが過ぎたせいか昨年出た2ndアルバム『dialogue』は馴染めず放置していた。それが昨年の暮れ、あまりに忙しすぎて半ばノイローゼ気…

ぼくのりりっくのぼうよみ「CITI」

個人的にはレコード会社がやたら宣伝を仕掛けてる印象があって、おまけに公式twitterアカウントが「ぼくりり」「ぼくのりりっくのぼうよみ」について、ネガティブなものを含むツイートをやたら「いいね!」してくるので最初は嫌いになってしまった。思わずブ…

Hiatus Kaiyote「Breathing Underwater」

様々なメディアの年間ベスト記事を読み漁っていると、このオーストラリアの非黒人メンバーで構成されるバンドによるブラックミュージックがやたら取り上げられていて、いまさらながら驚いた。 個人的には2010年代のブラックミュージックは、Daft Punkの『Ran…

POLLYANNA「Wandering on the satellite」

2015年10月21日、僕はTSUTAYA O-WESTに来ていた。沖井礼二と清浦夏実によるバンド、TWEEDEESと北川勝利(ROUND TABLE)のツーマンライブを見るためだ。この2組のサウンド面を担う沖井礼二と北川勝利がデビューしたのは1990年代後半、彼らの奏でる音楽は一般…

神田智子/Ella Fitzgerald & Louis Armstrong「Tenderly」

”CMだいすき”を標榜する私が今お伝えしたいトピックといえば、水原希子さんを起用したEDWIN SOMETHINGのスペシャルムービーが、9月10日より公開されています。画像共有SNSでのひと騒ぎなんて露ほども気にしないような、水原さんの堂々たる魔女ぶりが素晴らし…

MONOEYES「Run Run」

www.youtube.com 細美武士率いるMONOEYESの1stアルバム『A Mirage In The Sun』より。プログレ、エクスペリメンタル色の強いハイエイタスと比べるとロック寄り。多分、誰もが思うことだろうが、やはりELLEGARDENに近いと思う。細美武士がどういう意図でエル…

ぱいなっぷるくらぶ「finderrr」

www.youtube.com トレイラーなので視聴しにくいかもしれないけど、iTunesやアップルミュージックに置かれているので。 昨年のJINTANA & EMERALDSに引き続き、また南国っぽさが溢れる盤が出てきたなーと思っていたら、トルネード竜巻のなかまきこ、you & me t…

Froth「Postcard Radio」

www.youtube.com LAの4人組サイケデリック・ガレージロックバンド。彼らが5/19にリリースした2ndアルバム。これがすごくよかった。 Bleak アーティスト: Froth 出版社/メーカー: Burger Records 発売日: 2015/06/02 メディア: CD この商品を含むブログを見る…

Couple「きみに言わない」

2014年、僕らが出逢ったのはよく晴れた春の日だった。くたびれたレコードショップ­の店内BGMが気になったので店長に尋ねると、彼はこう答えた。「この曲を尋ねられる­のは今日で3人目だよ。あとの2人も君と同じ歳くらいの男の子と女の子だったね。ほら­、今…

White Rain「Mine No More (feat. Nieve)」

韓国/ソウルのジャズピアニスト、White Rainが作るピアノ・ヒップホップアルバム。Jazz Hip-Hop、Mellow Hop-Hop、New Age、Ambientを扱う韓国のレーベル、Mellow Museからのリリース。MCとしてNieve(Fly Coast)、Adikkal(LHA)、Marchitect(The 49ers…

PIZZICATO ONE「私が死んでも (feat. おおたえみり)」

私が死んでも (feat. おおたえみり) PIZZICATO ONE J-Pop ¥250 provided courtesy of iTunes アルバムも本当にすばらしかった。歌を中心に据えた音数の少ないアレンジのおかげで、小西さんの曲の良さが際立っていた。「何をいまさら」と言われそうだけど、小…

geek sleep sheep「kaleidoscope」

www.youtube.com MVが3月に公開されて、アルバムが既にリリースされているので、「いまさらかよ!」と言われそうだけど。L'Arc-en-Cielのyukihiro、MO'SOME TONEBENDERの百々和宏、凛として時雨の345からなる3ピースバンド、geek sleep sheepの2ndアルバム『…