レビュー
きのこ帝国の2ndアルバム『フェイクワールドワンダーランド』が好きだ。2014年の下半期の中ではきっと一番になる。それくらい愛着がある。 冒頭の「東京」から最後の「Telepathy/Overdrive」まで純粋ないい歌が詰まったアルバムだ。ポストロックやシューゲイ…
僕は田舎の町育ちで、ネットさえない時代に育ったので、ラジオや週末土曜日のCDTVやJAPAN COUNTDOWNで音楽を漁っていたので洋楽を聴く機会さえほとんど恵まれなかった。ロッキング・オンの名前も知らなかったし、ビートルズやエアロスミスくらいしか聴いたこ…
最後の武道館公演をもってandymoriが解散した。 andymoriは00年代と10年代をあっという間に駆け抜けた、シーンを代表する存在であった。『ファンファンーレと熱狂』はそんな彼らが残した自身の最高傑作であり、10年代の幕開けを飾る歴史的名盤だ。90年代的な…
かつて、英誌『ガーディアン』が忌野清志郎を取り上げたことがあった。清志郎が日本の国家である「君が代」のパンク・アレンジを発表した時だ。この清志郎の試みを、かつてセックス・ピストルズが「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」を歌った事と比較し、日本…
iTunes Storeで一目惚れして買った。正確には目じゃなく耳だけど。 すごくいい。自分は弾き語りやそれに近いバンド形態で活動する女性シンガーソングライターが盲目的に好きになるところがあるんだけど、最近では随一だと思う。カウンターカルチャーであった…
恥を承知で書かしてもらうと、僕は洋楽には滅法疎いのでSpoonというバンドの名前はおろか、どんな立ち位置のバンドなのか、今でもあまりわかっていません。そもそも知ったきっかけはサインマガジンがプッシュしていたこと、Twitterでフォロワーさんがブログ…
これは、以前に本ブログで書いた「SNOOZER」の日本の歴代アルバムランキングで知った名盤の一枚であり、11位にランクインしていた。1980年に発売された当時も、ミュージック・マガジンを筆頭に多数の音楽誌にて絶賛され、これまではエログロなパフォーマンス…
そろそろここらで引き返そう メジャーデビューアルバムの1曲目の歌い出しがこんなフレーズだったものだから、一瞬耳を疑った。7月にリリースされたアルバム『スポットライト』の冒頭を飾るナンバー「通り雨」である。一見ポップであるが実は一筋縄ではいかな…
<a href="http://stripeless.bandcamp.com/album/stl001-mikuhop-lp" data-mce-href="http://stripeless.bandcamp.com/album/stl001-mikuhop-lp">[STL001] MIKUHOP LP by V.A.</a> いつぞやか僕は、今作の総合プロデューサーしまさんと会ったことがある。ブラックミュージックと初音ミクを好む彼とは、ダブステップ黎明期の頃の音源について話をしたことがきっかけになり、秋葉原のとある喫茶店で、2人でいろ…
2人体制となってから初となるシングル『LEO』が発売された。 今回はサポートドラムとして元ART-SCHOOLの鈴木浩之を迎えている。これが非常に違和感なくマッチしている。実は今回の曲は少し心配もあった。トシ君(元メンバー)の「繊細かつ一つ一つの音をしっ…
高橋徹也の幻の4thアルバムである。本来は1999年にリリースされる予定だったが、メジャー契約の打ち切りに伴いお蔵入りになっていた。それがこの度15年ぶりに日の目を見ることになったのだが、「一筋縄ではいかない」というのが正直な感想だった。 つまり「…
2014年08月27日、五十嵐が生還した。syrup16gが再び動き出した。 あのまだ寒い武道館の日から犬が吠えるを挟み、2013年のNHKホールで五十嵐の横に立ったのはこれまで支え続けてきた二人だった。ソロでUKFCのステージに立ちCOPYの曲を弾き語り、そこからの空…
最高!最高!最高!すでにじゃのめさんが「男女ボーカルの曲をあつめて」の記事で紹介していますが、個人的にハマりすぎたので書いてしまいました。ニューヨーク・ブルックリン初の男女4人組バンドBody Languageが先月リリースした5曲入りEPです。
2年8ヶ月ぶりにリリースされたラルクの新曲です。完全受注生産盤でCD+PHOTOSの1形態で3800円。その上完全にファン向けの曲なので、世間一般的にはドン引きであることは容易に想像がつくし、実際自分も若干引いているのですが、曲が素晴らしかったのでレビュ…
簡単に2014年のベストトラックだと言ってしまうのは軽はずみな発言なのはわかってる。けれど敢えて断言する。これは2014年の中でも飛び切りの名曲だ。 元々坂本真綾という名前は声優業でしか知らなかった。本当は歌手業20年に近い大ベテランなんだよね。そし…
Shiggy Jr.の2ndミニアルバムの合評です。ネットの音楽ファンの心を鷲掴みにした1stミニアルバム『Shiggy Jr. is not a child. 』から8ヶ月、満を持しての2ndミニアルバムです。正直、あまりに普遍的すぎてこれを書くのがキツかったし、他の方も好きすぎる割…
僕が住んでいる熊本の4ピースロックバンド、karte。彼らの初の全国流通盤が、10-FEETや東京カランコロンを輩出したBUDDY RECORDSからリリースされました。 大学で心理学を専攻されていたというボーカル/ギターの立山さんの書く歌詞、それを伝わりやすくして…
久しぶりに、いい一枚に出会えました。今日持って来たのは、メジャーの解約、解散危機を乗り越え前作の『replay』から数えること2年半ぶりにリリースされたHalf-Lifeのニューアルバム『〆』です。
東京を拠点に活動するエレクトロ/シューゲイズ・アクト、LLLLの1stアルバムです。想像以上にハマっている人が多く、メジャーでないにもかかわらず、合評することになりました。エレキングでもサインマグでもないのに、まさかこういう音楽の合評をすることに…
最近よく聴いている。GOMES THE HITMANについては宅イチローさん(@takucity)のブログを読むまで知らなくて、こうやって中古屋とamazonを駆使して音源を入手してのんびり聴いて、ようやく好きになってきたというのにバンドの方は一切活動していなかった。
本作についての感想を書く前に、まず自分のアーバンギャルド論について書いてみたい。
How To Dress Wellことトム・クレルが前作『Total Love』から2年ぶりにリリースした3rdアルバムです。わりとコアな音楽ファンが局所的に絶賛していたこと、実際にアルバムがとても良かったので呼びかけてみたら合評が実現しました。今まで音楽とは違う形でと…
コアな音楽ファンから所謂J-POPリスナーまで幅広い層から喝采をもって迎えられ、ヒットチャートを賑わすようなミュージシャンがこの日本という国にはとても少ない。ざっと思い浮かぶのは椎名林檎、宇多田ヒカル、山下達郎、ぐらいだろうか。いや、もっといる…
もうずいぶん前になってしまったけど、BUGY CRAXONEのアルバムが相変らず素晴らしかったので。 2012年の『Joyful Joyful』、2013年の『いいかげんなBlues』と、BUGY CRAXONEが1年おきにリリースされるアルバム第3弾。今回は結構尖った"夜っぽい"アルバムだっ…
どうも、えにー改めらいむです。 諸事情によりえにーが使えなくなりました(´Д` ) 授業をサボるという技を見につけてからサボり続けて単位ヤバイかもしれません() さて今回はScars Boroughの『音紋』というアルバムについて書いていきたいと思います。
上海生まれ日本育ちのシンガーソングライター王舟の1stアルバム『Wang』についての合評です。多数の東京インディーを代表するミュージシャンが多数参加し、3年という製作期間をかけて作られた傑作です。一人でも多くの人が聴くきっかけになれば、変な書き方…
Perfume、記念すべき通算20枚目のシングルリリースです。 ちなみにここ数日Perfume周辺ではとても情報量が多く、Ustream生配信/広島のガイドブックで表紙+特集/そしてこのシングル「Cling Cling」のPV撮影地が二日間で限定公開されたりと、とても濃密な日…
先日リリースされたUVERworldの新譜『Ø CHOIR』の合評です。まっつさんと2人分、このバンドとこの1枚に対するグツグツな熱い思いを詰め込んだら、すごいことになってしまいました。ちょっと騙されたと思って聴いてみてください。かっこいいとはこういうこと…
5月30日の秋葉原グッドマンでのライヴをもって、ライブ活動休止期間に入っているうみのて。しかし今でも制作には意欲を見せているので、音源の発表が期待される。 『UNKNOWN FUTURES(&FIREWORKS)』は、聴く者に忘れられない爪痕を残すうみのての1stミニアル…
aikoの新作の合評です。aikoの音楽を文章にするのは難しいです。毎回同じようなことをしているように見えて、着実に変化している。ロックで言うと奥田民生のように淡々と作り続ける職人的な凄みを感じさせる歌い手なのですが、みんないまいち捉えきれていな…